社会福祉士が万人からの信頼を得る秘訣とは

社会福祉士が万人からの信頼を得る秘訣とは

世の中には、ごく一部の優秀なヒトとその他大多数のフツウなヒトがいます。残念ながら僕は後者ですが。

仮に、社会人としての優劣を図る基準として「些細なミスをしない」という点を挙げるなら、それに該当するヒトは相当優秀な部類に入るといえるでしょう。また、フツウのヒトであれば、いちど指摘を受けたり自らの教訓にしたりで、些細なミスを繰り返さないものです。

ところが、同じ指摘を2回繰り返されるヒトというのは、その後、何度でも同じミスを繰り返す傾向にあるようです。やがて組織全体へのイメージダウンにつながり、あるいは取引先を怒らせ、最悪「次の仕事を頼む時は、あのカイシャを外せ」と、ブラックリスト入りになってしまうコトも。

もちろん、このようなケースは極端ですが、今回は職域を超えた普遍的テーマとして、計画相談支援における相談者やその家族、そして支援者からの信頼を得るために、僕が日々の業務をこなす中で心がけているコトについて綴りたいと思います。

 

相手の信頼を得るための秘訣はたったひとつ

僕には、相談者やその家族、あるいは支援者との信頼関係の構築という点において、自分だけに課す決めごとというべき絶対的ルールが幾つかあります。仮に、僕が周りからそれなりの信頼を得ているとするなら、その決めごとを愚直に守り続けているからではないかと密かに自負しております。

その基本原則のひとつが、「相手と交わした約束は絶対に守る」です。

別に、相手をアッといわせる離れ業を華麗に決めて感謝と驚嘆をいただくコトだけが信頼を勝ち得る手段ではありません(もっとも、たまにはそうした実績を残すコトができなければ、障害者ケアマネとしての能力を疑われるコトにもなるのですが)。

確かに、突出した実力がなければ、誰もが羨む大きな仕事の依頼が回ってくるチャンスに恵まれないかも知れません。でも、小さな仕事であればコンスタントに回してもらうコトができるでしょう。

ビッグプロジェクトを任されたのは良いが、実力不足から結果を出せず責任を問われ、その後の依頼がパッタリ途絶えるといったリスクを背負うくらいなら、確実に結果が出せる小さな仕事を数多く引き受けた方が結果として高収入を得られるかも知れません。

 

「限定のプロ」になれば仕事を回してもらえる。ただし…

どう頑張っても塁走者を一掃する4番バッターにはなれないと思うのなら、必ず1塁に出る1番バッターとか、送りバントでキッチリ1塁ランナーを得点圏まで走塁させられる2番バッターになる。自分の特性を見極め、合理的な努力を重ね、確実に結果を残す。こうした「限定のプロ」なれれば、必ずや仕事が舞い込んできます。

チーム屈指の俊足であるとか、長打力はないがミートは得意で打率には自信があるといった自分の特性や強み(ストレングス)をつねに意識しながら、合理的な努力を重ね、必ず結果を出せば良い。たとえスター選手にはなれなくとも、レギュラーに留まるコトまでは実現できる。こうした考え方はプロ野球に限った話ではなく、どんな業界であろうと通じるハズです。

しかしながら、どれほど実力や才能があろうとも、相手と交わした約束を確実に履行するという積み重ねがなければ、結局は信頼を得られず、せっかくのチャンスを逃すコトになります。そうした積み重ねをいちどでも軽視すれば、やがて確実に信頼を失うコトになるからです。

 

些細な積み重ねをおろそかにすると、なぜ信頼を失うコトになるのか?

ヒトというのは因果な生き物で、相手から受けた恩義を忘れて、あるいはその恩義に報いず不義理をしてしまうコトがあっても、その逆をいく言動をされた場合、その相手に対する不快な思い出をいつまでも忘れられないものです。

自分にとっては些細な約束不履行だったとしても、相手にとってみれば、いつまでも心の奥底に沈殿したまま消えない不信につながります。それが一度であれば謝罪した上で名誉挽回のチャンスを与えてもらえるでしょうが、信頼を損なう行為が何度も続けば…という話です。

逆もまた真なりでして、たとえ些細な約束であろうが必ず守るという積み重ねをしてきたヒトというのは、特に不遇や逆境に見舞われた際に必ず誰かが救いの手を差し伸べてもらうコトができるのです。

あくまでも自己防衛としてですが、半独立型社会福祉士として再出発して以来、かつて一度でも恩義を受けた方からの仕事のオファーは、受けるには少々キツいケースと思っても極力引き受けます。逆に、その逆をなさった方とは、できる限り、最初から完全に距離を置くようにしています。

 

万人の信頼を得られるのは「些細な約束」ほど必ず守るヒト

僕が取引相手として厳選した障害福祉サービス提供事業所は、これまで綴ってきたような「些細な約束であろうとも必ず守ってくれる」事業所ばかりであります。また、それは特定のスタッフに限った話ではなく、全員にそのような社員教育が徹底されておられます。

例えば、担当者が不在だったので伝言を頼んだとすれば、必ずその伝言が届いています。あるいは、「今日は都合が悪いので、明日あらためて電話します」「メールで報告します」と返答された場合は、翌日に必ず電話あるいはメールをいただけます。

一方で、折り返し連絡するよう頼んでも返事がなかったり、連絡がないので折り返すと必ず「今、電話するところだったんですよー」との返事が返ってきたり(本当に?)、伝言を頼んでおいても「知りません」「聞いてませんけど」の一言で片づけられる。そんな事業所も一定数で存在します。

日々のやり取りの中で交わす些細な約束の一つ一つを確実に厳守される障害福祉サービス提供事業所はえてして利用者の満足度が高く、同じ事業所を長期間にわたり継続して利用しておられます。逆に、利用者から拒否されてしまう事業所は例外なく、僕ら障害者ケアマネに対しても「あれ?」と思うような対応をなさいます。

どんな些細な約束であろうが、いちど交わしたのであれば必ず厳守する。これこそが相手の信頼を得る上で唯一にして絶対の秘訣です。とはいえ、あくまでもこれは基本中の基本、相手からの信頼を得るための基礎編というべき内容であります。あるいは、社会人としての最低限のマナーです。

しかしながら、半独立型の社会福祉士として相談支援のプロを自認する専門職たるもの、「さすが、それでこそプロのケアマネよ」と、周囲を唸らせるような、さらなる高みを目指したいところであります。

約束は必ず守るというルール徹底を前提に、例えば初対面の利用者からの信用を得るために、専門職としてどのような技術を駆使しているのか? 過去に積み重ねてきた失敗の数々から習得し、歴代の上司や先輩から盗ませていただいた裏ワザの数々、僕なりの障害者ケアマネとしての相談支援の技術というものがあります。

そのあたりにつきましては、今後、障害者ケアマネの仕事について紹介しながら綴っていきたいと思います