社会福祉士たるもの、「勉強のための勉強会」では意味がない

社会福祉士たるもの、「勉強のための勉強会」では意味がない

このブログでは便宜的に「障害者ケアマネ」と名乗っておりますが、障害者総合支援法における正式な名称は「相談支援専門員」といいます。そして、専門職を名乗る根拠のひとつとして社会福祉士国家資格を取得しています。

ところで、日本には「職能団体」と呼ばれるものがありまして、テレビや新聞等で「医師会」や「弁護士会」といった名称を聞いたコトがあると思います。

こうした医療界や法曹界のみならず、福祉業界にもいくつかの職能団体があり、社会福祉士にも「社会福祉士会」というレッキとした職能団体があります。

僕もかつては社会福祉士の職能団体に所属していたのですが、退会しました。本来であれば同じ国家資格を持つ仲間同士で研鑽を深めていくのが道理でありましょう。ですが、今のところ再加入する予定はありません。以下、その理由について綴っていきたいと思います。

 

そこに、本当に自分が求めているものがあるか

僕が職能団体を脱退したのは、決して安くはない年会費を負担し、打ち合わせから勉強会までひととおりの活動に参加してきたものの、結局それに見合う対価がないと思ってしまったコトがその理由でした。

ちなみに、異業種交流会で知り合いになった弁護士のお話によると、弁護士会の年会費(月会費?)は20万円。そのあまりの高額に思わず酔いも醒めたものでしたが、それに見合う対価はあるとの話もありました。「だから、高くても支払う価値があるんですよ」と。別世界の住人のリアルな内輪話でした。

その価値について詳しくは聞けませんでしたが、弁護士会に所属していれば、法テラスや成年後見支援センターなどを経由して新たな顧客を紹介してもらえるシステムが確立されているなど、明確な金銭面での恩恵があるのでしょう。

一方で、僕が所属していた職能団体には、残念ながら弁護士会のように明確な恩恵はありませんでした。今は違うのかも知れませんが。

ちょっと話が逸れますが、世の中にあるさまざまな協会や組合といった組織に所属するのは、新たな顧客を紹介してもらえるとか、順当に公共事業の発注を回してもらえるといった明確の恩恵があってこそのものなのでしょう。

 

「広く浅い」集団による勉強会が抱えるジレンマ

社会福祉士という資格は、福祉と名のつく職業であればどの分野でも活躍できます。つまり、「広く浅い」専門職であります。当然、実に多種多様な職種が集まってくる。

これは一見、メリットのように思われますが、研修を行う際はデメリットに作用するという皮肉な結果を生むコトになるのです。

例えば、介護保険を研修テーマとして取り上げたとすれば、ホームヘルパーやケアマネジャー、高齢者施設の職員にはハマる研修になりますが、児童養護施設や障害福祉サービス提供事業所に勤める社会福祉士は完全に蚊帳の外になります。

日本の福祉は欧米の理念を多数輸入してきた経緯がありますので、カタカナ文字の専門用語が実に多く、ただでさえ判りづらい。それをムリヤリ和訳するのだから余計に難しくなる。

中でも障害福祉の言語は実に特異で、同業者の中で交わされる「サビ管(サービス管理責任者)」とか「児発管(児童発達支援管理責任者)」といった略語を理解できる業界以外の方は皆無といっていいでしょう。

介護保険のように、頻繁にメディアで取り上げられれば情勢も多少は変わるのでしょうが。

 

どの勉強会に参加し、誰とつながるべきか

このように、社会福祉士の職能団体は「広く浅い」集合体である一方で、僕がその身を置いている障害福祉分野というのは、非常に難解かつ専門性に特化した「狭く深い」業界であります。

なぜなら、同じ障害福祉の中でも身体障害・知的障害・精神障害という、いわゆる「3障害」があり、他にも発達障害や高次脳機能障害、難病も含まれるため、それぞれの障害種別に応じたアプローチが求められるからです。

今の僕には、障害者総合支援法など知らないといった医療ソーシャルワーカーや介護支援専門員(ケアマネジャー)の社会福祉士が集まる勉強会に参加しても、得られるものがほとんどない。

一方、精神科病院の精神科ソーシャルワーカーや障害福祉サービス事業所で支援員をしている精神保健福祉士の勉強会に参加すれば、確実に対価を得るコトができます。

具体的には、障害者ケアマネとしてすぐ使える知識や情報が得られるだけに留まらず、そこで得た人脈を通じて、計画相談支援の契約候補者を紹介していただけます。

逆に、僕が担当させていただいている利用者の皆さんに、つながりがある精神科病院や障害福祉サービス提供事業所を紹介するコトもできます。

 

 社会人の勉強は結果優先、名より実を取るべし

 仮に、皆さんが何らかの資格を取得しており、職能団体へ加入すべきかどうか迷っているのであれば、まずはいちど加入して活動してみるべきです。職能団体を盛り上げ、恩恵を得て、大いに活用すべきでしょう。

その上で、「入会してみたのは良いが、思っていたのとは違う」と判断したのであれば、別な勉強会を探せば良いだけの話です。多岐にわたる勉強会に参加するのも、一つに限定するのも自由です。

僕は今の仕事に求められる福祉ニーズに合わせて「狭く深い」専門家集団とのつながりに重きを置いていますが、同じ社会福祉士でも、例えば社会福祉協議会などのように公益性が高い仕事に就いている場合は、「広く浅い」ネットワーク構築が求められるコトになります。

すなわち、それぞれの置かれた立場や役割に応じた勉強会を選択するコトが肝要です。

せっかく参加する勉強会なのですから、確実な成果を得られる勉強会を厳選した方が絶対にお得です。というより、いつまでも学ぶコトそのものに意義がある勉強を続けていたのでは意味がない。

社会人たるもの、限られたカネと時間と労力の中で、有効かつ合理的な方法を模索し、自分の仕事に確実に結果を残せる勉強を実践していきたいものです。