福祉の仕事に学歴と資格は必要か?

福祉の仕事に学歴と資格は必要か?

新卒で福祉の仕事を始めて以来、20年あまりの歳月が流れました。その間、3度の転職を経て、現在は独り職場の障害者ケアマネとして日々奮闘しているコトについては、これまで綴ってきたとおりであります。

このブログにお越しいただいたというコトは、多少なりとも福祉の仕事に興味がおありなのだと思います。このブログを読んで下さっているのは、将来、福祉の仕事をしたいと思っている学生さんでしょうか? 福祉の仕事に転職したいと思っている社会人の方もいらっしゃるでしょうか?

そこで今回は、福祉の仕事に興味関心がある皆さんに向けて、「福祉の仕事に学歴と資格は必要か?」というテーマで綴りたいと思います。

  

福祉系の学歴~あるに越したコトはないが、なくても別に困らない

 僕は大学進学を強く勧める両親や教師の勧めで学歴のレールの上に乗って福祉の仕事に就きましたが、就職には大卒という肩書が有利に働きました。とはいえ、これは僕が最初から大卒者の採用を希望する職場を狙ったからであり、高卒や専門学校卒の同業者も数多くいました。

 大卒がモノをいうのは公務員や社会福祉法人といった公的機関です。同じ職名でも、高卒と大卒では基本給はもちろん、その後の昇給体系でも明らかな差が生じます。これらの職場は非常に安定した労働環境なので、いちど正職員として採用されれば安泰ですが、その特性上、高学歴の方が優位に働くコトは間違いありません。

 

福祉系の国家資格~福祉職にとって、平等かつ公平な指標となる

 僕が社会福祉士の資格を取得したのは最初の職場で働きながらでしたが(学生時代、試験に落ち、3度目の正直で受かりました)、資格手当は一切ありませんでした。職場では「へえ、すごいねえ」と称賛されたのみで資格手当は支給されず。この時点では単なるステイタス程度の価値しかありませんでした。

社会福祉士の国家資格が僕の人生にとって大きくプラスに作用し始めたのは、最初の転職を決意した頃からでした。その求人が社会福祉士を取得する相談業務の経験者という条件だったからです。幸い、面接に合格し、のちの障害者ケアマネを務めるコトになった1回目の転職先となりました。

2回目の転職では有料老人ホームを経営する株式会社に採用されたのですが、「ゼロさんは介護の資格がひとつもない。何かひとつ介護の資格を取るコトが正社員としての採用の条件」と業務命令を受けて介護職員初任者研修を受講し、晴れて訪問介護員として採用されました。

「だったら社会福祉士なんか持っててもイミなかったんじゃないの?」と言われそうですが、待遇面では優位に作用しました。その会社では国家資格のグレードに応じた資格手当が支給されたからです。社会福祉士は福祉系の最高峰という扱いで、介護福祉士や介護支援専門員よりも高額な手当が支給されました。

 

福祉の仕事に学歴はなくても問題ないが、資格は絶対に必要!

将来は福祉の仕事をしたいと思っておられる中高生の若い学生さんに対しては、将来の選択肢を広げ、ゆっくり将来について考える時間を得るために福祉系の進学を視野に入れた方が良いとアドバイスします。僕も大学で4年間、進路について考えた上で福祉の仕事に就けたコトは本当に良かったと思う1人なので、まずは受験勉強に励んでほしいと思います。

一方、すでに社会人デビューしている方で今後、福祉系の転職を検討している方が進学すべきか迷っているのであれば、「福祉の資格を取得するための進学でなければ意味がない」とアドバイスします。希望先が介護保険の分野なら介護支援専門員や社会福祉士、障害福祉の分野なら精神保健福祉士や社会福祉士をぜひ取得して下さい。

現場の介護を希望するなら、まずは介護職員初任者研修(かつての2級ホームヘルパー資格)を受講し、身体介護の業務ができる条件をクリアするのが手っ取り早いです。そして、受験資格が得られたら迷わず介護福祉士に挑戦して下さい。介護福祉士を取得すれば、基本給が高額に設定されたり何らかの手当がつくなどのベースアップにつながりますので。

社会福祉士については、合格率が3割未満という狭き門ですが、勉強すれば必ず受かります。暗記力が著しく低い僕は3回目の受験勉強の際、自宅で模擬試験が受けられる業者テストを受けるコトで効率的な暗記に努めました。もちろん有料ですが、合格率を上げる勉強法のひとつとしてオススメします。

福祉業界で20年以上のキャリアを積んできた中で実感するのは、「世間がわれわれ福祉職に求めるのは学歴ではなく資格」という現実です。実際、僕の法人スタッフが見学に付き添う家族から「アナタ、何福祉士? 資格も持ってないのに、この仕事してるの?」と言われ一念発起。持ち前のガッツで社会福祉士と精神保健福祉士を立て続けに取得しました。

このエピソードからも明らかですが、いまのご時世、とにかく資格ありきです。僕が新卒だった頃はノンキャリの叩き上げが幅を利かせていた時代でしたが、現在では当時の叩き上げの先輩方がこぞって資格を取得すべく、通信教育やスクーリングに励んでおります。

僕が介護職員初任者研修を受講した際、講師のひとりから、次のようなお話がありました。とてもステキなお話だったので、皆さんにもご紹介したいと思います。

「ここには、いろんな事情を抱えて受講するコトになった皆さんが集まっています。介護の仕事には、学歴やこれまでの経歴は一切関係ありません。資格があれば腕一本でやっていけます。その意味では、みんな平等です。まずは初任者研修に全員で合格し、現場で経験を積みながら実務者研修を受けて下さい。そして、介護福祉士に挑戦してほしいと思います」

まずは資格を取得してから福祉業界へ。あるいは、福祉業界に身を置きながら、取れる資格から取得していき、そのグレードを上げていく。場数を踏んで得られる経験も重要ですが、それと同時に、利用者やその家族から信頼を得るためのライセンスを取得しておくコトです。

これからの福祉業界は「芸は身を助く」ならぬ「資格は身を助く」です。どうせ目指すなら、その分野の最高峰の国家資格を狙って下さい。年を追うごとに難易度が上がっているというウワサを耳にしますが、勉強すれば必ず合格できます。

最後に、福祉業界への参入を志す未来の仲間たちのコトを心から応援しています。