アナタにピッタリの福祉の仕事、教えます

アナタにピッタリの福祉の仕事、教えます

「福祉の仕事といえば?」と聞かれたとして、皆さんが連想するのはどんな仕事でしょうか。老人ホームで働く介護員。在宅で暮らす高齢者宅を訪問して掃除洗濯や買物などの家事や入浴の手伝いなどの身体介助を行うホームヘルパー。高齢者介護を連想するヒトが圧倒的大多数だと思います。就職する前の僕もそうでした。

しかしながら、介護保険だけが福祉の仕事ではありません。ほんの一例ですが、保育士や児童指導員など仕事もあれば、障害児者(児童福祉法では18歳未満を障害児、障害者総合支援法では18歳以上を障害者と規定されています)を対象とした仕事もあります。

今回は、これから福祉の仕事をしてみたいと思う方や福祉業界への転職を検討している方向けに、僕自身の転職体験をふまえた上で、2択形式で福祉の仕事をご紹介します。以下、自分に向いているかどうかの判断材料としていただければと思います。

 

ソーシャルワーカー ⇔ ケアワーカー

選択のカギとなるのは「デスクワークがスキかキライか?」です。デスクワークなんか全然ヤル気がしない、現場でカラダを動かしたいと思う方は、迷わずケアワーカーを目指して下さい。ワード・エクセル・専用ソフト……パソコンを一日中扱っていても苦痛に感じない、むしろ楽しさすら感じるという方はソーシャルワーカーの道へ。

ケアワーカーは、皆さんがイメージするとおりの仕事です。イメージと違うのは、一見カンタンにこなしているようで実は高度な介護技術が求められるコト、傍目にはゆったりしているようで、裏では時間に追われながら合理的・効率的・速やかな仕事が求められるコトです。さらには、腰痛という職業病に悩まされる覚悟も必要です。

ソーシャルワーカーは相談の仕事といいながら、実際はデスクワークが占める割合が非常に高いです。ケアマネジャーは自宅訪問して利用者や家族の話を聴いたりサービス担当者会議を進行するイメージが強いですが、日々の相談支援記録をまとめ、ケアプランを作成し、月々の請求事務をしたりと、相当量の事務に追われます。

 

高齢者分野 ⇔ 障害者分野

ここでの選択のカギはスキかキライかよりも、合うか合わないかで判断した方が正確な結果が得られます。できれば、どちらも体験した上で決めた方が後悔しなくて済みます。僕は高齢者分野を13年、障害者分野を9年それぞれ体験し、最終的に、自分は障害者分野が性に合っているコトに気付きました。

障害者分野で活躍するサービス提供事業所の経営者には、高齢者分野の出身という方が少なからずおられます。一方で、障害者分野から高齢者分野へ移行する方は少ないようです。また、事業拡大に伴う人事異動で介護支援専門員(高齢者ケアマネ)から相談支援専門員(障害者ケアマネ)になった方がいる一方、その逆パターンにお目にかかったコトはありません。

医療業界において看護師の転職は当たり前のご時世ですが、福祉業界でも転職は日常茶飯事であります。ですが、障害者分野から高齢者分野へ転職する方はほとんど見たコトがありません。障害者分野で働く方々は同じ業界に残る傾向が高いようです。

 

児童 ⇔ 成人

福祉分野における児童向けの仕事としては、児童相談所の職員・養護学校教諭・児童養護施設の児童指導員・保育士などが挙げられます。また、障害児入所支援や障害児通所支援といった児童福祉法に規定するサービス提供事業所の仕事もあります。余談ですが、児童福祉法においては18歳未満を児童と規定しているため、法律上では18歳以上を成人とみなします。

僕が業務上で知り得るのは以上のとおりですが、どちらを選ぶかは「どちらの仕事をやってみたいと思うか?」「子供と接するのがスキかどうか?」で決めて良いと思います。ちなみに障害福祉の分野に限れば、いずれも相当以上の専門性が問われます。

その意味では、漫画「ブラックジャック」のような外科医が存在しないように、専門分野が明確であります。障害児と障害者のいずれも精通している障害者ケアマネはほとんどいないハズです。

訪問介護員 ⇔ 施設介護員

ここでの選択のカギは「料理がスキかキライか?」です。後者であれば迷わず入所施設やデイサービスセンターの介護員を目指して下さい。それと補足ですが、山間部の僻地や交通網が未発達なエリアでは自動車の運転が得意かどうかも重要なポイントになります。特に北海道では、札幌以外ではクルマなしに訪問介護は成り立ちません。同じ市町村内でも軽く1日で数十キロを走破するほど広範ですので。

知的障害系 ⇔ 精神障害系

障害福祉がそれぞれの分野に特化した支援体系であるコトについては、以前のブログでも触れました。そこで障害福祉の系統をザックリ分けてみると、知的障害・発達障害・自閉症を主体とした「知的障害系」と、精神障害・高次脳機能障害を主体とした「精神障害系」があります。

なお、視覚障害や肢体不自由などの身体障害者につきましては、介護福祉士や視覚障害者の支援を行うガイドヘルパーといった高齢者福祉の担い手が技術と経験をもって充分な支援ができます。

いずれも診断するのは精神科医(児童では小児科医)なのは間違いないのですが、系統については「厳密には違う!」と同業者からクレームがつきそうなカテゴリ分けであります。知的障害を伴わない発達障害や自閉症の方もおられますし、知的障害を伴う精神障害者もおられるからです。

話がややこしくなりますので専門的な説明はこのあたりに留めておきますが、障害福祉における精神系と知的系、特にソーシャルワーカーについては、それぞれの得意分野が歴然と存在します。精神科病院のソーシャルワーカーは「知的障害が判らない」といいますし、僕のように知的障害者を多く担当してきたソーシャルワーカーは精神疾患の特性理解に苦慮します。

高齢者のように、認知症や加齢に伴う身体障害といった共通理解で対応し得る分野ではないため、ソーシャルワーカーとして働くならば、いずれかの分野に進路を絞る必要があるかと思われます。ただし、障害福祉サービス提供事業所の現場で支援を行う場合は3障害を分け隔てなく受け入れなければならないため(障害者総合支援法で規定あり)、幅広い知識が求められます。

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以上、僕が知りうる範囲で福祉の仕事についてご紹介しました。判らないコトやもっと知りたいコトがあれば、遠慮なくご質問をいただきたいと思います。福祉の仕事をしたいと思う皆さんの今後の参考になれば幸いです。