モノづくりのDNA~エレキギター製作にハマった日々

モノづくりのDNA~エレキギター製作にハマった日々

僕の母方の祖父が和菓子職人、伯父貴が靴職人と、職人気質の遺伝子を色濃く受け継いだからでしょうか。物心がついた頃から、モノづくりがとても好きな子供でした。割り箸や輪ゴムや空き箱を切ったり削ったりしては「動くオモチャ」を創作していました。

小中学校の頃は電動工作が好きで、プラモデルのように組み立てて着色して完成後は眺めておしまい、ではなく、ラジコンのように組み立てた後に動かして遊べる工作の方が好きでした。

任天堂のファミリーコンピューター「ファミコン」が世の中を席巻し、友達で遊ぶとなれば誰かの家に集まり、ブラウン管のテレビを前にTVゲームに興じるのが当時の流行りでしたが、僕はまったく興味がなく、独りでラジコンカーを走らせる毎日でした。

勉強は現国と生物以外はサッパリ点数が取れなかった劣等生でしたが、美術や図画工作だけは得意で、今こうして福祉の仕事をしているのがフシギで仕方ないほどモノづくりの才能だけはありました。

そのムダな才能が影響したのか、いい年をしたオトナになった今、この2~3年の間で、とてもハマっている趣味があります。エレキギター製作です。

 

万人向け=誰にも合わない、ならば自分で作るのみ

障害福祉の同業者を中心に結成されたバンドに誘われて加入してから、色々と欲しくなってしまい市販モデルのエレキギターを3本購入しました。ところが、どれも長く所有していられない。

手に馴染まず、弾きづらくて手放したり、カラーリングが気に入らなかったり、どうセッティングしても気に入った音が出なくてお蔵入りになったりと、お気に入りの一本がどうしても手に入らない時期が続きました。

だったら思いのままオーダーすればイイじゃないかという話になるのですが、安くても30万円はかかる。それに、特にカラーリングについてですが、自分がイメージしていたのとは違うとか、イメージどおりの完成品だが好みでないとなれば悲劇であります。

市販モデルが手に馴染まない最たる理由は、僕の手が小さくて指が短いコトにあります。エレキギターは身長180cmを超える欧米人の体格に合わせて生まれた弦楽器です。だからこそ、試しに組み立てキットを自分仕様に仕上げてみようと思い立ったのでした。

 

失敗と試行錯誤の連続、それでも楽しくて仕方ない日々

通販で購入した組み立てキットは、ネットでのレビューどおりボディやネックは想像以上の高精度で加工された部品の数々でした。一方、金属パーツや電装関係はこれまたレビューどおり最安の国外仕様。でも、値段を考えれば妥当といったところでした。

あまり懇切丁寧とはいえないマニュアルを読みながら組み立て開始。手持ちの道具だけでは足りず、製作途中で何度かホームセンターへ購入に出かけながら黙々と製作に。気付いたら6~7時間が過ぎ去っているほど集中してしまう楽しい時間が過ぎました。

最も悩まされたハンダ付けによる配線をどうにかクリアし(何度も配線ミスをした結果、ようやく念願の音がアンプから出た喜びは筆舌に尽くしがたい瞬間でした)、どうにか第1号が完成。

最初のモデルなのだから、とにかく完成までこぎつければイイと割り切っておりました。というか、正直なところ「やっとできた」と疲労困憊でした。

驚いたのは、その音の良さと弾き易さです。あの安物パーツをそのまま使って、よくもまあこれだけマトモな音が出るもんだと感心したものでした(レビューでは、ネックとボディ以外は然るべきパーツに置き換えて製作したというコメントがあったので)。

バンド練習で早速、持ち込んでプレイしてもメンバーから不満の声が出るコトはなく、むしろ「ずいぶんイイ鳴りするね」と感心されるほど。それだけ組み立てキットの完成度が高いというコトでした。そして、フシギに僕の手に馴染む。それまで弾けなかった速弾きがプレイできるように。

最初の1本は、ギブソン・レスポールのコピーモデルでした。本物を買おうと思えばキットが軽く20~30本も買える。それほどのロープライスで不満が出ないレベルの音が出る。しかも、組み立てる愉しみを存分に味わわせてくれる。おまけに弾き易いときている。

それからというもの、年に2~3本のペースで、他のコピーモデルにも手を出しては組み上げていくコトに。フライングⅤ、335、レスポールスペシャルといったギブソンモデルから、最近はフェンダーのストラトモデルを組んでいるところであります。

 

エレキギター製作で最も難易度の高い作業は「塗装」

モデルによって配線の方法も違ってきますし、工場出荷の段階でほとんどハンダ付けが終わっているモデルがあれば、ほぼ手つかずのまま届くモデルもあります。ですが、マニュアルと睨み合いながらハンダ付けを行い、最後にはしっかり音が出る。

ボディとネックの結合もボンドで接着するセットネックモデルもあれば、ネジ止めで固定するボルトオンモデルもある。また、同じモデルを数本購入すれば、すべて同じ精度を誇るとは限らない。そこはキットの宿命。コンマ数ミリの世界では市販モデルには劣ります。

何本も組み上げていくうちにウデも上がり、本当の意味で組み立てを愉しめるようになるのですが、何度やってもうまくいかず、何度も失敗を繰り返してはやり直すのが塗装です。

プロのクラフトマンは市販のスプレー缶ではなく専用の塗装機材(コンプレッサーとスプレーガン)で吹き付けるのですが、それでも「塗装だけは難しい」とクチを揃えます。僕のようにホームセンターのスプレー缶を吹き付ける場合、かなり高度な技術が求められます。

また、天候にも大きく左右され、屋外で塗装する場合は適度な気温と湿度、そして無風状態という3要素が整わないと絶対に失敗する。具体的には専門用語で「柚子肌」と呼ばれる細かいシワが入ったり、乾燥と同時にパリパリとひび割れが入ったりする失敗です。

こうなると、いったん乾燥するまで待ち、サンドペーパーで研磨し、平滑にしてから再塗装するしかありません。

もっと悲劇なのは、イメージとは違う仕上がりになるコトです。せっかく苦労して塗装に成功しても、気に入らない仕上がりになれば泣く泣く再塗装に。写真ではクールだと思ったメタリックブルーが、やってみると「なんだコレ?」と。

 

動く工作、鳴らす工作~ただ眺めるだけではつまらない

エレキギターはひととおり組み立てて満足したので、今度はギターアンプやエフェクターの自作に挑戦してみたいと考えています。ただし、エレキギターと同様、普段の練習やライヴで使えるだけの完成度を狙っておりますので、ギターアンプは難しいかも知れません。

本当は真空管を用いたチューブアンプを作ってみたいのですが、電子工学の専門知識と技術が必要です。ネットでは定番モデルのクローン回路が出回っておりますが、何度見てもサッパリです。基本は理科や技術の授業でしっかり学んだハズなのですが。

最近はブログ執筆で時間を割いているので、最新のエレキギターの組み立て途中で放置したままになっています。あとは配線とパーツ取り付けだけなので、今年中には完成させ、次のライヴで披露したいと思っています。