エレキギター「初めての1本」を選ぶなら

エレキギター「初めての1本」を選ぶなら

世に出たその時点で、すでに完成形だったエレキギター

エレキギターの製造ブランドは世界中に多数ありますが、現時点において絶対的かつ圧倒的な人気を誇るのはフェンダーとギブソンであります。それもそのハズで、世の中に出回っているエレキギターのほとんどがこれら2大メーカーの亜流モデルといっても過言ではありません。

僕がエレキギターを始めた頃の2大メーカーのイメージといえば、「ギブソンは値段が高くて見かけたらオッとなる」「フェンダーは年配好みでカタチが垢抜けない」でした。

今や世界中で最も多くのギタリストが使っている偉大なスタンダードモデルにしてフェンダーの代名詞、ストラトキャスターを好んで使う速弾きギタリストといえば、当時はイングヴェイ・マルムスティーンくらいのものでした。

一方、ギブソンの代名詞といえるレスポールを使うギタリストは「ちょっとオシャレ」なイメージがあり、数多くのロックギタリストが使っていました。国産メーカー「グレコ」は、ヘッドデザインですら本家レスポールに忠実なコピーモデルを増産していました。

このように、エレキギターというのは半世紀以上も前に世に出てきたその時点ですでに完成形であったというコトが判ります。カタチだけでなくカラーリングにおいても初期モデルを未だに踏襲しているのです。

その意味では、ストラトキャスターやレスポールはデビューしたその時点で、すでに完成形だったといえます。恐らくはバイオリンの名器ストラトヴァリウスのように後世まで継承し続けられるコトでしょう。

 

 初心者が最初の1本目に買うべきは、ストラトキャスターかレスポールか

これだけの長い歴史を淘汰されるコトなく現在まで製造され続けているのですから、音質や完成度は価格に正比例するとしても、初心者が最初の1本目にストラトキャスターかレスポールのどちらかを選べば間違いありません。

では、初心者は一体どちらを選べばイイかというコトになりますが、結論から申し上げれば、「自分がイイなと思った方を選ぶ」というのが最良であります。

機能性や音楽性はいったん置いておき、例えば好きなアーティストと同じモデルを使いたいとか、お店に行って現物を見てビビッときたとか、そういった直感で選ぶべきです。デザインで気に入るコトが重要です。音は良質なギターアンプやエフェクターを使えばどうにでもなります。

「それでは答えになっていない」と異論が噴出しそうですが、例えば、クルマで考えてみて下さい。購入する際、単に燃費や走行性能だけでクルマを選んでいますか、という話です。絶対に違いますよね?

つまり、機能性や実用性だけでなく、いやむしろ、燃費はあまり良くないけど好みのデザインだとか、好きなメーカーだとか、直観に訴える魅力などを購入理由にしているハズです。カラーリングも重要なポイントです。複数、設定されている中から好きなカラーを選ぶでしょう。

エレキギターも同じです。初心者は迷わず、第一印象で「コレがイイ!」と思ったエレキギターを買うべきです。その方が、楽器に愛着がわいて「よし、練習すっか」というモチベーションにもつながるからです(実話)。

では、初心者がストラトキャスターかレスポールのどちらかを選んだとして、それぞれ、どのような特徴があるのでしょうか? 今回はそのあたりを綴っていきたいと思います。

ちなみに僕は、ストラトキャスターもレスポールも本家ブランドのモデルを所有したコトはなく、フェンダーもギブソンも、お店で試奏させてもらっただけです。楽器オンチというか、「それほどイイか?」とありがたみを感じないので購入に至っていません。

それでも、コピーモデルを所有して弾きこなしているので、それぞれのモデルが持つ特徴や肝心なポイントについて、練習やライヴで実際に使用した体験を交えながらお伝えできると思います。

 

あらゆるジャンルに対応できる偉大なスタンダード~ストラトキャスター

もはや解説する必要がないほど普及しまくっている感があるのがストラトキャスターです。固有名詞だけではピンと来ないヒトでも、エレキギターを見たコトがあれば絶対に知っているモデルです。恐らく、世界で一番売れているモデルでもあります。

というワケで、使用アーティストを挙げればキリがないのですが、世界的3大ギタリストと呼ばれるエリック・クラプトンやジェフ・ベック、そして20世紀最大ギタリストとして名高いジミ・ヘンドリックスがストラトキャスターを使っています。

老若男女すべてに愛される普遍的モデルでもあり、僕の若い頃は同年代にほとんど人気がなかったのですが、現在では若い子たちも好んでストラトキャスターを使っています。

このように、派手さや奇抜さは皆無なのですが、どんなファッションにもバッチリ合う。誰が構えてもフシギに似合ってしまうという、まことに使い勝手が良いモデルです。

ダブルカッタウェイのボディ(ネックとの接合部が上下とも抉れたデザイン)、ネックとボディをネジ止めして固定したボルトオンジョイント、ピックアップはシングルコイルを3つ搭載し、アームで弦を緩めて音程を換えるコトができるブリッジが特徴です。

エレキギターの特性としては、高音域のシャープなキレの良さと高音域の弾き易さがストラトキャスターの魅力です。レスポールに比べて軽量で扱いやすいという利点も。あらゆるジャンルで活躍し、多彩なサウンドメイクが可能な万能モデルです。

僕がメインで使っているのがストラトタイプのギターです。シングルコイルの切れ味鋭い音が好みなのと、軽量かつ高音域が弾き易いのでライヴでは重宝しています。

ストラトキャスターの泣き所はシングルコイルのマイナス特性であり、その構造上、ハムバッカーよりもノイズを拾いやすくハウリングを起こしやすいコトと、リア(ブリッジ側、ボディ下部にセットされた)シングルコイルが歪ませた際に耳障りなキンキン音を発しやすいコトです。

これはクリーントーン(アンプの生音)やクランチ(軽い歪み)であれば問題ないものの、ディストーション(激しい歪み)をかけると一気に耳障りな音になりがちです。そのため、僕が自作したストラトキャスターはいずれもリアをシングルコイルサイズのハムバッカーに交換しています。

 

そこにあるだけで絵になるフォルムと歪みサウンド向きの特性~レスポール

ストラトキャスターが万人向けのお馴染みモデルとすれば、レスポールはちょっとオシャレで洗練されたイメージ、使いこなせれば最高のプレイを約束してくれる玄人好みのエレキギターといえるでしょう。

レスポールが代名詞のギタリストといえば、世界3大ギタリストのひとり「レッドツェッペリン」のジミー・ペイジや「ガンズ・アンド・ローゼス」のスラッシュ、日本ではB‘zの松本さんがいます。

ちなみに、松本さんはギブソンでシグネチャーモデルの製造を認められた唯一の日本人です。これは世界で5人目の快挙であり、世界的ギタリストの1人として認められた証でもあります。

特徴はフォークギターを縮小化したような丸みと厚みを帯びたボディ、ネックとボディを接着して接合するセットネック、ハムバッカーを2基搭載したピックアップ、それらのピックアップに独立したコントロールが可能なボリュームとトーンです。

エレキギターの特性としては、歪ませてもハウリング(ノイズ)が起こりにくくパワフルで分厚い音圧と中音域に特徴があるハムバッカーの音、ただそこに置かれているだけで絵になる造形美の魅力が挙げられます。

現在はストラトキャスターをメインで使っていますが、ここ数年は自作キットのレスポール使っていました。キットのオリジナルはギブソン・レスポールスタンダードでしたが、ネックジョイント部分を深くえぐるように加工しなければ高音域が弾きづらい特徴があります。

速弾きが好きでテクニカルなプレイを中心にやりたいヒトがレスポールを使う場合、注意してほしいのは、僕のように手が小さく指が短いヒトにとってレスポールの高音域は非常に弾きづらい形状をしている点です。

実際、X JapanのPATAさんも、高音域を弾く際は親指をネック裏側からズラしてプレイしているようです。ネックを手で握りしめるような弾き方をすると、外人のように手が大きいヒトでない限り、指が届かないのでフツウの握り方では弾けないのです。

また、これはファッションというかルックス上の問題なのですが、ストラトキャスターはストラップ(肩からギターをぶら下げるアレです)を短めに構えた方がサマになるのですが、逆にレスポールは、ストラップを長めに構えないとサマになりません。

ちなみに、こうした構え方を「腰で弾く」と表現をします。「自分は腰の位置までストラップを長めに構えて弾きたいヒトだ」と話していた布袋寅泰さんも、腰で弾くギタリストの1人です。

実際に構えて鏡の前に立てば一目瞭然なのですが、レスポールを短く構えるのは、極端に短くネクタイを結んでいるようで、非常に滑稽に映ってしまいます。ある程度の身長と手足の長さがなければ似合わない、ギタリストを選ぶ難しさがあります。

僕は自作ギターだから遠慮なくネックジョイントを大きく削る加工を施し、極端に短く構えずに済むようにレスポールを使っていましたが、無加工のレスポールだと座らなければうまく弾けません。

また、ストラトキャスターが1枚板のボディであるのに対し、レスポールのボディは表面にメイプル、裏側をマホガニーで貼り合わせて構成されています。音質を追求しての構造ですが、ストラトキャスターよりも厚みがあるため重くなる傾向にあります。

 

どのエレキギターが自分に合っているか? それは使ってみないと判らない

エフェクターでどうにでもサウンドメイクができるとはいえ、複数のギターを所持するギタリストは「オレはストラト以外信じない!」といったコダワリ派を除けば、エレキギター本来の特性を考慮して使い分けるのがフツウです。

初心者の皆さんがエレキギターに興味を示し、エレキギターに挑戦しようと思ったのであればぜひとも最初の1本を購入し、エレキギターを長く弾いてもらいたいと思います。また、ギタリスト仲間が増えるのはとても嬉しいコトでもあります。そこで今回のブログを綴った次第であります。

世界を席巻する2大エレキギターといえば今回ご紹介したストラトとレスポールですが、他にも魅力的なモデルは山ほどあります。

ギブソン系に魅力を感じる方は、僕が所有しライヴでも使っている自作ギターの本家本元、「異端の正統派~ギブソン・フライングⅤ」「ゴージャスかつエレガント、それでいてハードボイルド~ギブソン・ES-335」も併せてご一読いただければと思います。

シングルコイルの魅力に憑りつかれた方はフェンダー系の二枚看板、ストラトキャスターとその兄貴分に相当するテレキャスターについてご紹介した「テレキャスターvsストラトキャスター」も併せてご一読いただければ、理想の1本を選ぶ参考になるコト請け合いです。

これらの記事を参考に、最初のエレキギター選びを楽しんでいただければ幸いです。