辞めたい時が辞め時~前向き転職のススメ

辞めたい時が辞め時~前向き転職のススメ

「こんなカイシャ、辞めてやる!」と決意したヒトは転職すべき

他の国はどうなのか知りませんが、少なくともこの国では転職者に対して、どちらかと言えばネガティヴな印象を抱きがちであります。

特に、転職を繰り返したヒトに対して、「アイツは根性がない」など、あらぬ偏見の目を向けがちなコトも。

ところで、われわれ福祉業界ではどうなのかと申しますと、やはり初志貫徹で同じ職場で長年にわたり福祉の仕事に打ち込んでいるヒトが尊重される傾向にあります。

かといって、転職経験者が偏見を持たれるコトはありません。

わがマチの同業者を見回してみますと、僕も含めて、初志貫徹タイプの相談員よりも転職体験を有する相談員の方が多い気がします。

僕が知る転職体験者のうち、大多数は障害福祉の業界内で転職者、あとは僕のような他の福祉業界からの転職者が少数派、さらに少ないですが異業種からの転職者といった割合でしょうか。

このように、転職するコトが障害者ケアマネとしての評価を下げるコトにはなりませんし、相談者やその家族に話したところで、全く気にも留めません。

このブログのタイトルに興味を持った方の中には、転職するかどうかで悩んでいる方も少なくないと思われます。

そこで僕の経験則をもとに断言しますと、「辞めたい」と思う方は残留すべきですが、「辞めてやる」と思う方は転職すべきです。

ごく一部の例外を除き、自分の職場に不満を感じたコトがないヒトはいないものです。「辞めたい」というのは願望であって願望ではありません。

なぜなら、「辞めたいけど辞める気はない」というホンネの裏返しでもあるからです。

しかしながら、「辞めてやる」と思うのは明確な願望、むしろ渇望というべきものであります。

一時の感情ではなく、冷静になってから思考論理を展開してもなお覆るコトがなければ、退職に向けて速やかに準備すべきです。

福祉の仕事そのものがイヤになったのであれば異業種へ転職すべきですし、それ以外の不満があるなら別な職場を探しましょう。きっと、今よりも理想に近い職場に巡り合えます。

 

辞めたい気持ちを押し殺したところで、事態が好転するコトなど絶対ない

退職届を撤回させようとするのは、本人のためではなく職場の都合

「自分がたまたまうまくいったからといって無責任に転職を勧めるな」「今の職場がイヤだって理由で辞めるのは考えが甘い」とお叱りを受けるかも知れません。

しかしながら、僕に言わせれば、それは辞められては困る側の都合であって、辞めたいヒトを考慮した論理ではありません。

この国では職業選択の自由が認められています。転職を切望し、ベースアップ・スキルアップ・キャリアアップのためであれば転職すべきです。

あなたにとって前向きな転職になるのであれば、迷わず行動を起こすコトをオススメします。

逆に、慰留ありきのヒトたちに問いたいのですが、転職のチャンスを奪われたコトで体調を崩し、それどころか二度と健康体に戻れない状況になったら、一体誰がその責任を取るのでしょうか?

傷つき、悩み、苦しんでいるヒトに対し、抜本的な解決策を講じるコトなく、見当違いの根性論を押し付け、慰留を強要するコトが本当にそのヒトのためになるのでしょうか?

かつての当事者として言わせてもらうなら、単に同情を寄せるだけでは責任を取ったコトにはなりません。

 

職員の気質によって起こるトラブルは絶対に解決しない

僕が数々の職場を渡り歩いたコトは以前のブログでも綴ってきましたが、不満を押し殺して残留したところで、その職場そのものへの不満は絶対に解決しないという現実は、どこの職場でも同じでした。

その理由について自分なりに分析してみますと、トップが入れ換わるか、スタッフ全員が入れ換わるかしない限り、その職場が望む方向に改善するコトなど絶対にないという答えしか見い出せませんでした。

なぜなら、「三つ子の魂百までも」だからです。

新人イビリをするヒトは何度上司から注意されても繰り返しますし、仕事で手抜きするヒトは何度注意されても上司の目を盗んでは手抜きします。

注意されても他人事で聞いているか、直接指導されても反省したフリをするだけです。中には、泣いてお茶を濁す者も。

常識的なヒトは最初から新人イビリなどしませんし、仕事で手抜きもしません。注意されたから改まるのではなく、最初から問題行動をしないのです。

そして、問題行動の原因となる人格を変えるコトなどできません。

自分を変えたいと思うのは自由ですが、ヒトを変えようと思うのは時間と労力のムダです。

性善説を期待して起こりもしない奇跡を待つくらいなら、自分がトップに成り上がって職員体制を一新するか、居心地が良い職場を別に求める以外にありません。

ただし、居心地が良い職場というのは優秀な経営者のもとに優秀な人材が集まります。そのため、中途退職がほとんどありません。

したがって、狙うポストで定年退職者がいるとか事業拡大でスタッフを増やすといったタイミングでない限り、転職のチャンスは巡ってこないものです。

職場の居心地が悪くなるコトがあっても、良くなるコトはほとんどない

また、よく「風通しの良い職場」「自由闊達(かったつ)な意見が言い合える職場」とったお題目を掲げる管理職がいます。

しかしながら、自由に意見を出し合える風通しの良い職場であれば、最初からこのようなお題目を掲げる必要はないのです。

残念ながら、こうしたお題目を掲げる時点で「風通しが悪く、自由闊達な意見交換とは無縁な職場」なのです。当事者間による話し合いでは「絶対に」事態は好転しません。

それどころか、状況はさらに悪化の一途へ。そんな職場を何度も目の当たりにしてきました。

仮に、お題目どおりに意見交換をすればどうなるか。あからさまな誹謗中傷合戦になるか、一見オトナの解決がなされたように終わっても、その後は必ず職員間の冷戦状態が勃発し、泥試合になります。

言われた方は不満の火種がくすぶり続け、言った方はバツの悪い思いをするコトに。こうして殺伐とした雰囲気の悪い職場ができあがり、お題目を掲げた管理職だけが勘違いな満足をして終わるのです。

ただし、職場の雰囲気を悪くしていた職員が異動なり退職するコトによって居心地の悪さが解決する可能性はあります。

逆に、さらなるトラブルメーカーが入ってきて、前より居心地が悪くなるパターンもありますが。

 

転職にしくじるのは「カネ・コネ・ウデ」の3拍子が揃ってないから

ネットを閲覧しておりますと、転職したコトが人生の転落そのものにつながったようなレポートを見かけるコトがあります。

この手のレポートを熟読すれば、同じ転職経験者として「ああ、それでだ」と思うところがピンときます。転職のしくじったのは転職そのものではなく、そのための予見と準備を怠ったコトが原因であると。

冒頭で、「辞めてやる!」と思ったヒトに退職を勧めましたが、同時に「退職に向けて速やかに準備すべき」と綴りました。

誤解があるといけないので繰り返しますが、辞めたい時が辞め時ではありません。

つまり、辞めたい時が「辞め時」ではなく、「辞め時を決めるための準備を始める瞬間」であるコトを理解しておかねばなりません。

転職したから人生を転落したと考えているヒトたちはみな、ここを見誤っています。

誰にでも判る論理ですが、何の準備も予見もなく衝動的に行動すれば、まぐれ当たりで成功する例外を除き、確実に失敗するのは当たり前の話です。

「カネ」「コネ」「ウデ」、転職を成功させるための3拍子が備わっているかを冷静に見極め、充分に検討を重ねた上での転職であれば、1回ではムリかも知れませんが、最終的に納得できる転職先と巡り合うコトができます。

転職を成功させるためのエッセンスについては、過去のブログにまとめてあります。上記「カネ」「コネ」「ウデ」に内部リンクを貼っておきますので、併せてご一読いただければ幸いです。

後悔しない転職をするために知っておくべきコト

「理由も何もない。とにかく今の職場がイヤだから」というキッカケであっても、僕はそれを卑下したりバカする気などありません。そう思わせる職場だったコトが双方にとって悲劇だったとは思いますが。

キッカケはどうあれ、やはり転職する以上はスキルアップやキャリアアップなどの具体的な成果につながったとか、転職者にとって満足度が高くて居心地が良いなどの前向きな結果につながってほしいと思います。

そこで最後に、これから転職をするヒトや検討しているヒトに向けたアドバイス、そして、あらかじめ自分なりの答えを見出しておいてほしいポイントを列挙しておきたいと思います。

何を得たいか、そのために何を犠牲にするか~大義こそが肝要

転職とは等価交換でもあります。つまり、何かを得るために何かを差し出す(犠牲にする)必要があるというコトです。何も失わずにすべてを得るなど虫の良い話です。

僕は転職を繰り返した結果、「仲間すべてが僕を尊重し、職務権限の一切を委任してくれる職場」「人間関係に煩わされない独り職場」「時間外勤務がほとんどなく、週休2日で土日祝に休める職場」を得ました。

そして、引き換えに「高い給与を支払ってくれる職場」「自分に何かあった際に仕事を代わりに任せられる職員が多数いる職場」「自分を認めてくれる上司、頼りになる同僚、慕ってくれる部下がいる職場」を犠牲にしました。

転職によって何を得たいのか?

譲れない事柄は何か?

あなたにとっての転職の大義とは何か?

そこをよくよく考えた上で転職活動のあり方を検討して下さい。

転職理由の最上位が給与でないヒトは、最初から給与が3~4割は下がるものと割り切り、給与を除外して考えるようにした方が失敗せずに済みます。

「給与が下がった分、1日でも長く働いて取り返す」と考えるべきです。

しょせん誰もが利己主義者~退職を引き留める側の論理に耳を貸さない

懲戒解雇あるいは自主退職を心待ちにしている一部例外を除き、雇用側にとっては貴重な労働力である以上、そう簡単に辞めさせてはくれません。

昨今の福祉業界の人材難だけは、メディアで頻繁に取り上げられるくらいですから。

いわく「キャリアダウンになる」「ちょっとイヤなヒトがいるくらいで何度も転職していたらキリがない」「どうしても今の職場がイヤなら他の部署に配置換えをしたらどうか」などなど。

いずれも、過去の僕が実際に言われてきたコトばかりですが。

これらの論理に耳を貸す必要は一切ありません。

雇用側の言い分や提案を聞き入れ、その上で、「そこまで私のコトを心配していただき、ありがたい限りですが、どうしても辞めさせていただきたい」と退職の意思を曲げないコトです。

いったん退職届を出した以上、それを撤回しろと言われたとおりにすればどうなるか。

雇用側や幹部職員は胸を撫で下ろす一方で、「辞めるって言ったくせに撤回した」「本気で辞める気あったの?」と思う職員も必ずいます。要は裏切者のレッテルを貼られ、一切の信頼を失うのです。

撤回は、リストラ候補として退職届を出すよう強要されたヒトにだけ赦される手段です。「自主退職を撤回した腰抜け」「かつて裏切ろうとした者」としてのレッテルを張られてまで残留するコトに意味がありますか、という話です。

僕も含めての話ですが、しょせん人間など利己主義の生き物であります。心配したり転職後の身の振り方を案じてくれているフリをしながら、結局は自分が困るから退職届を撤回させようと引き留めるのです。

利用価値があると思わせた段階で、ある意味で「勝ち」です。辞められては困る人材として雇用側に認めさせたワケですから。

引き留められた時点で、その職場における勝ち組の1人と思って間違いありません。

本当に退職者のコトを真剣に思ってくれているのであれば、「残念だけど仕方ない」と退職届を受け入れ、次の転職に向けて便宜を図ってくれるなど応援してくれるハズです。

あなたが退職後の人生で大切にすべきなのは、そうしたヒトたちです。

新人が行動を起こすのは、最低限のスキルとキャリアを身につけてから

「石の上にも三年」といいます。俗にいうブラック企業のように労働基準監督署に訴える必要があるほど劣悪な職場環境でない限り、新人が歯を食いしばって耐え忍ぶ期間は必要です。

なぜなら、転職者だけでなく雇用者にも選ぶ自由がある以上、採用したいと思わせるだけのスキルは必要だからです。また、組織人としての適性を推察するための尺度として、在籍年数の長さは重視されます。

それが身につくのは3~5年は必要ですが(ちなみに相談支援専門員になるためには5年の実務経験が必要)、最低1年は同じ職場で歯を食いしばってスキルアップを図りましょう。

介護にせよ相談支援にせよ、いちどワザを習得した後であれば中途採用として即戦力になると判断され、月単位の転職であっても面接時の印象が良ければ容認され、内定が取れます。

特に介護職は、転職活動に性別や学歴など関係ありません。ワザとウデさえあれば、何度転職しても引く手あまた、どうにでもなります。新人はまず、相応の経験年数を積んで知識と技術を身につけましょう。

逆に、最低限のスキルとキャリアが身についていなければ、慣れない職場で一から出直しという環境で余計な苦労を背負い込むコトになります。

辛辣で恐縮ですが、基礎ができていなければ何をやっても大成しないのは、どの世界も同じです。

極端なベースダウンを心配する必要もありません。財源は全国一律だからです。

違うとすれば、個人負担を高額設定している・巨大法人で多額の積立金がある・入所施設の粗利が高額・医療ケアと併設で診療報酬から補填できる、以上の場合です。

例外を除けば、どこの職場でも似たり寄ったりであり、違いといってもしょせん月額換算で数万円程度です。多少の多寡は割り切り、1日でも長く働きたいと思える職場、居心地が良い職場を探すべきです。

おわりに:今の職場に馴染めない人たちへ

職場と自分の間には、優劣だけでは計れない「相性」というものがあります。そして、実際に働いてみなければ相性の良し悪しは判りません。

だからこそ、今の職場に馴染めないとしても、あなたが気に病む必要はないのです。

したがって、反省すべき点は反省し、あとは次に向けて気持ちを切り換えるべきです。これまで充分に頑張ってきたと思えるなら、それ以上は決してムリをするコトなどありません。

どうしても今の職場に馴染めないなら、次こそは馴染める職場を探すべく行動を起こすべきです。

僕のように、障害福祉の分野でやってみたけど高齢者福祉に移りたいと思って移ったが、やはり障害福祉の方がイイと思って戻ってくるヒトもいるでしょう。

残留派にいわせれば「それみたコトか」と思われるかも知れません。それでも僕は、行動を起こしたコトによる意義はあったと思います。

「44歳にして3度目のリスタート」でも綴りましたが、僕にとって重要だったのは年収の多寡ではなく、業務における全権を委任され、自由裁量を存分に行使できるフィールドでした。

僕の場合、年収が下がっても、すべてが自由という最高の恩恵が得られたので何の後悔もありません。

なぜなら、行動を起こさずに悩み続けるくらいなら、いちど行動を起こして実践した上でナットクして戻った方が、より仕事に打ち込めると知ったからです。

今の職場に馴染めなかったヒトが転職後、その転職の成否を問わず「前の職場の方が良かった」と思うコトは全くないと断言できます。

なぜなら、転職体験者の誰もが口を揃えて異口同音に答えたからです。

「二度と戻る気はない」と。