転職に向いている人=転職してもやっていけるヒト

転職に向いている人=転職してもやっていけるヒト

社会人の大多数のヒトたちは、今の職場に多少の不満はあっても実際に転職するのはごく少数でしょう。それでも転職したいヒトを対象に「転職に向いているのはこんなヒト」といった書き込みを見かけますが、僕はもっとシンプルに考えて良いのではないかと考えます。

つまり、「絶対に転職してやる!」と転職への強い意志を持つヒトこそが転職に向いているヒトであり、そうでないヒトはみな転職すべきでないといった二元論です。

転職しない大多数にとっては無縁なテーマですが、今この瞬間、本気で転職を検討しているヒトにとっては、本当に自分が転職に向いているのかどうか気になるものです。

とはいえ、転職に向いているヒトに該当しているからといって即行動に移すのは早計です。なぜなら、転職に向いているヒトが全員とも転職に成功できるとは限らないからです。

優先順位として先に考えなければならないのは「転職に向いているか」ではなく「転職してもやっていけるか」であります。向き不向きは二の次です。転職してもやっていけるかどうかを分析し、その上で向き不向きについて考察すべきです。

そこで今回は、転職するかどうか行動を起こす前に、現時点で自分が転職してもやっていけるかどうかを分析するための考え方について綴りたいと思います。

 

転職するヒトを大別すると3つのタイプがある

僕の実体験も含め、転職しても成功しているヒトたちを観ていると、転職してもやっていけるヒトは、「自分が優秀であるコトを知っているヒト」と「自分が優秀でないコトを知っているヒト」であるコトが判ります。

一方、転職してもやっていけないだろうなと思われるのは、「自分が優秀でないコトを知らないヒト」です。ここでは、資格や学歴は関係がありません。そのヒトの本質的なところで感じるものであります。

①自分が優秀であると知っているヒト

最も成功する転職者はこのタイプです。自分が優秀であるコトを知っており、なおかつ実際に優秀であるヒトです。「このヒトで職場が成り立っている」と誰もが認める、雇用主にとっては是が非でも転職を阻止したいヒトであります。

転職先に何を求めるかによりますが(優秀だからといっても一概にみんな出世に興味があるワケでないので)、残留しようが転職しようがどうにでもなります。その気になれば、次の職場で更なる高みを望めるコトでしょう。

②自分が優秀ではないと知っているヒト

次に成功する転職者はこのタイプです。自分が優秀でないコトを知っているというのは、転職の成否を左右する重要な要素です。自分がどの程度まで昇りつめるコトができるか、冷静かつ客観的に分析できているという証であります。

「自分は決して優秀ではない。でも、このレベルまでなら到達できる」と知っているヒトであれば、最初からベースダウンやキャリアダウンするコトなど想定済みで、残留によって得られるメリットと秤にかけた上で転職を決意し、成功させるコトができるでしょう。

③自分が優秀ではないと気付いていないヒト

転職したらやっていけない(とまでは言いませんが失敗して後悔する可能性が高い)のは、自分が優秀でないコトを知らない、あるいは、まるで気付いていないヒトです。

この手のタイプは決まって自分が優秀だと思っています。ところが、周りは決してそうは思っていない。内心で呆れているか冷たい目で見ています。しかしながら、単なる勘違いか思い上がりでしかないコトに当の本人は全く気づいていません。

要は、「自分はこんなに素晴らしい人材なのに」「もっと評価されて然るべきなのに」「だから上の連中はダメなんだ」と信じて疑わないタイプです。自信と勘違いを履き違えているタイプでもあります。

ここまで極端なケースはレアでしょうが、転職の失敗談をネットで閲覧していると、こうした勘違いがキッカケでドツボにハマったヒトを見かけます。無意識に自分の実力を過大評価してしまっているのです。

自分の実力を見誤り、「今の職場を辞めてもどうにかなる」「もっと待遇がイイ職場に行ける」と、甘い自己評価で行動を急いた自業自得のケースが少なくありません。

勘違いで転職してしまった現実に気づいて本来いるべきフィールドへ戻るか、新たなフィールドで最初から出直す覚悟と気概があれば大逆転も可能でしょうが、転職先に責任転嫁して転職を繰り返し、負のスパイラルに陥るのです。

 

客観的に己の力量を知るコトができる唯一の方法とは

実際に転職してみなければ判らないコトは多々あります。かつての僕もそうでした。

しかしながら、客観的に自分の力量がどの程度で、今の職場でどのような立ち位置なのか。それを確実に知り得る方法がたったひとつだけあります。それは、あなたが退職を表明した際の慰留のされ方であります。

当然だが、辞めてほしくないヒトは誰もが引き留める

例えば、あなたが今の職場で長く働いていきたいと考えている中で、あなたにとって辞めてほしくない優秀なヒトが辞めると言い出したらどう思うでしょうか。当然、転職を思い留まってほしいと説得したくなると思います。

逆に、どうでもイイと思っているヒトが辞めると言い出したらどう思うでしょう? 「また余計な仕事が増えるよ」と思いつつ、「欠員期間が短く済みますように」と気持ちの切り換えがスパッとできるのではないでしょうか。

快く思っていないヒトであれば、内心で「早く辞めれば?」と思いつつ、以後の怨みを買わないよう当たり障りない慰留をするか、知らぬ顔を決め込むコトでしょう。ヘタに慰留して撤回されては、たまったものではないので。

福祉業界に限った話ではないのかも知れませんが、どの職場でもたいてい人手不足で困っているものです。よほど問題があるヒトでない限り、辞められたら困ります。それが優秀な人材であれば、是が非でも慰留したくなるハズです。

しつこく慰留されるようであれば、転職してもやっていける

このように、退職を表明するコトによって、優秀なヒトや有益なヒトは決まって慰留され、そうでないヒトはいともスンナリ退職届を受理されるという現実をもって、客観的に自分の立ち位置や力量のほどが知れるというワケです。

特に、優秀なヒトほど八方手を尽くして慰留されます。「そこまで考えてくれるんだったら、なんでもっと早く対応してくれなかったんだ?」と、退職の決意をさらに固める結果にしかならないのですが。

言われてみれば当たり前の話ですが、実際に追い込まれたらこんな簡単な話でさえ判らなくなるのが人情です。そのため、冷静なうちに脳裡に叩き込んでおく必要があります。その体験も踏まえて綴りました。

「ホントにもう、いい加減にしてくれよ」と言いたくなるほど慰留されるようであれば、あなたは次の段階として自分が転職に向いているのかどうか検討して良いコトになります。

 

己の力量を見誤っていないか? 退職届を提出する前に熟慮を

いったん退職届を提出し、それが受理されてしまえば後戻りはできません。

転職する決意と覚悟を固める前に、上記で紹介した3つのタイプのうち、あなたは①~③のどれに該当しているでしょうか? これまでの自分を冷静に振り返り、自分自身の力量を見誤っていないかどうか、何度も熟慮を重ねた上で結論を出してほしい思います。

誰もが自分は①に該当していると思いたいものです。その気持ちはよく判ります。しかしながら、そこは謙虚かつ辛口で自己採点し、後悔のない転職を実現させてほしいと願っています。

僕の場合は、僭越ながら②と判断を下して転職に踏み切りました。その後、3回にわたって転職を繰り返してきましたが、後に振り返ると③のしくじり転職が1回ありましたが、それ以外は②に該当するものとして現在に至ると自己分析しています。

なお、僕が社会人デビューしてから現在に至るまでの転職キャリアにつきましては「44歳にして3度目のリスタート」で、転職活動に苦戦した経過は「転職活動を優位に進めるための戦略」で詳しく綴っています。

いずれもリンクを貼っておきますので、併せてご一読いただければ幸いです。