コンパクトでおしゃれなオーディオを選ぶならBOSE

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今こそBOSEに対する偏見を解く

ピュアオーディオマニアからバッシングを受けるメーカーだが…

BOSE(ボーズ)とは、アメリカが誇るホームオーディオのメジャーブランドです。日本の文化にも溶け込んでおり、アメリカナイズされていながら和の佇まいとも調和してしまうフシギなオーディオを多数リリースしています。

音響メーカーとして名を馳せる製のスピーカーを使用する商業施設は数多く、世界のオーディオブランドの名前はひとつも知らないというヒトでも、BOSEのロゴだったら知っているというヒトは多いと思います。

このように、海外オーディオのブランドでありながら、日本人にも実に馴染みがあるメジャーな存在なのですが、ピュアオーディオをこよなく愛するヒトたちから蛇蝎の如く忌み嫌われる存在でもあります。

僕の父親もその1人で、とにかくBOSEだけは認めないといった主張を最後まで曲げなかったヒトでした。「BOSEってのは不自然に低音だけを強調したダメなメーカーだ」と。

確かにBOSEの低音は独自技術を駆使したBOSE最大のウリであり、この特性をアタマから否定するヒトがいるのも確かです。オーディオの好みはヒトそれぞれ、好きなブランドを選べばイイのです。

僕は価値観を押し売りされるのが何よりキライであります。「ピュアオーディオでないものはオーディオじゃない」と主観を押しつける傲慢さにウンザリするのです。そもそも自然な音をスピーカーで人工的に再現した時点で「ピュア」ではないというのに。

僕が若い頃、こうした自称「ピュアオーディオ通」の狭量さと排他的な思考論理がBOSEの魅力を正当に評価させない風潮がありました。その誤った価値観がいかに愚かなものなのか。それを教えてくれたのはBOSE製の2.1chホームシアターを購入してからでした。

ちなみに、そのモデルは「Bose 3·2·1 GS Series II」でした。購入価格は当時、確か13万円ほどだったと思います(純正スピーカースタンドは別売)。

たとえ強気の高額設定でも売れるだけの理由がある

独善的で偏狭な父親が主張したように、不自然に低音域を強調するだけのメーカーであったなら、BOSEはとっくの昔に倒産しているか買収されているコトでしょう。売れるには売れるだけの根拠があるのです。

BOSE製のオーディオは決して安くはありません。ハイエンドオーディオとしては定義されていませんが、マニアでないユーザーからすれば充分に高額な部類に属するコトでしょう。しかも、原則としてほぼ値引きはしません。

それでもBOSE製のオーディオは本国アメリカだけでなく、我が国ジパングにおいても人気メーカーとして万人から愛されております。

値引きなしの強気の高額設定であっても、ちゃんとユーザーに選ばれて売れ続けている。誰かさんがいうように、BOSEがポン付けのウーファーでズンズン爆音を鳴らすだけのメーカーでないという何よりの証明であります。

 

BOSEというメーカーについて

ヒトの聴覚を知り尽くした「あえてインピュアなオーディオ」

BOSEはマサチューセッツ工科大学の教授ボーズ氏が音響に関する独自の理論を確立し、その理論をもとに製品開発してきた経緯があります。ヒトの聴覚を徹底的に研究し、「ヒトの聴覚にとって最も聴き心地が良い音」を追求したのです。

そのため、確かにBOSEの音質はインピュアであります。特定の音域を強調し、特定の音域をカットするといった大胆な味付けを平気でやってのける。そのあたりの方向性が自称ピュアオーディオ通のカンに障るのでしょう。

試しにBOSEでクラシックを再生してみると、本当に聞くに堪えない音が飛び出してくる。不自然に強調された低音に対してではなく、「聴こえるハズの音が聴こえない」という点において。

その意味においては、音源にあるすべての音を余すところなく正確に再現するという方向性に特化した「B&Wというハイエンドスピーカーについて」で紹介したB&Wやソニー製のスピーカーに軍配が上がります(B&Wは世界中のクラシック音楽のレコーディングスタジオで使用~ホームページから引用)。

しかしながら、例えばディスコやクラブで流れるデジタルサウンドをBGMで長時間にわたって聞き流すとか、ホームシアターで登場人物の声がハッキリ聴き取れてストレスなくストーリーに没入できるといった用途では断然BOSEが上です。

「その時代が求めるサウンド」をつねに具現化してみせる先駆者

B&Wとは求める方向性が180℃異なりますが、BOSEもまたB&Wと同じく、わが道を行く独自路線で独特の進化を遂げ続けているメーカーであります。

音の特性上、高音域は小口径で再生可能なのですが、低音域になるほど大口径のスピーカーユニットが必要になります。そのため、ピュアオーディオでは、豊かな低音を求めるほどエンクロージャー(スピーカー本体となる筐体)が巨大化する傾向になります。

そこで、複数のスピーカーを必要とするホームシアタースピーカーは場所を取らずに迫力の低音を再生するため、ウーファーを1つにまとめています。ステレオ再生において低音は指向性が曖昧な特性があるので、とりあえず鳴ればイイと割り切っているのです。

その代わり、サラウンド再生のために高音域や中音域を担う小型スピーカーを複数セッティングします。例えば、2.1chなら前方にステレオ2つ、5.1chであれば前後にステレオ4つ、センター1つというように。なお、いずれも残り0.1chがウーファーを意味します。

ところがBOSEは独自の方針を打ち出し、ホームシアタースピーカーを極端に進化させたのです。その割り切りは、ステレオスピーカーのサイズの縮小化に強く打ち出されています。BOSEのそれらは他メーカーに比べると信じられないほど小型化されました。

特に「キューブスピーカー」とよばれるタイプは、僕の小さな手でも鷲づかみにできるほどです。

確かに音楽を聴くとホームシアタースピーカーだと音質が低下するのですが、本来の目的である「重低音の迫力ある映画サウンド」を満喫し、なおかつヒトの音声をクリアに再生しきれるのはBOSEの専売特許であります。音声を専門に再生するセンタースピーカーが必要ない。

さらに特筆しておきたいのはBOSEの音質です。強力な磁力をもつスピーカーユニットを搭載したり独自の共鳴管技術(後述)を駆使して低音域を強調しているのは確かですが、それが耳に痛さを感じさせるものではないのです。

例えばPioneer製の5.1chホームシアターを持っていた頃のように、「ズドン」と音の粒が硬質かつ重厚な弾丸の如く突き刺さってくるのではなく、「ボウン」と有機的な丸みを帯びた弾力のある低音なのです。むしろ国産スピーカーの方が尖った音質であります。

BOSEのもう1つの魅力は、独自の共鳴管技術「ウェーブガイド・スピーカー・テクノロジー」です。ウーファーだけでなく、いわゆる「CDラジカセ」、ラジオチューナーやCDプレーヤーと一体型のスピーカーに多く用いられている技術です。

これは、スピーカー本体の内部に音の通り道(共鳴管)をサックスやトランペットのように幾重にも折り曲げて設けるもので、小型でありながら低音をパワフルに鳴らし切る独自技術であります。

さらに、BOSE製ヘッドホンのノイズキャンセリング(外界の雑音をシャットアウトする技術)に関しては他メーカーを軽々と一蹴するブッチギリの静粛性能を誇ります。試しに使ってみたところ、本当に全くといって良いほど外界の音が聴こえなくなる。

よくクイズ番組で答えが判らないようヘッドホンのスピーカーで爆音を鳴らして聴こえないようにするという場面がありますが、爆音とは別な技術で雑音を消し去るのです。飛行機のエンジン音をシャットアウトして聴くには最高のヘッドホンです。

音以外にも徹底したこだわり~どんなインテリアとも調和する洗練されたデザイン

サイズのメリハリを徹底的に利かせたそのデザインはBOSEの個性を打ち出すものであり魅力の1つでもあるのですが、そのデザインそのものにも親しみやすさと洗練さを併せ持つ魅力が溢れています。

基本的にブラックで統一された飽きのこない色彩センス。直線と曲線、四角と丸を絶妙に組み合わせた洗練されたデザイン。この思想はホームオーディオだけにとどまらず、ヘッドホンやイヤホンにも色濃く打ち出されています。

「オーディオは音さえよければ何だってイイんだ」という無粋なオーディオマニアとは相容れない、しかしながら万人を強く惹きつけるデザインもまた、決して安くないオーディオを購入する強い動機たりえるコトを熟知しているのです。

どんなに音が良くても、「ダサい」「デカい」デザインは数多くは売れない。オーディオに「オシャレ」という概念を持ち込み、そのための開発予算を惜しまない。万人から愛される製品を世に出し続けるという企業姿勢を貫くBoseには強く共感するものであります。

確かにB&Wは素晴らしい音質を絶対的な超一流ブランドです。主商品であるトールボーイ型スピーカーは圧倒的な存在感と高級感を演出するのですが、スピーカースタンドやヘッドホンのデザインは絶望的にダサい。デザイン重視のユーザーには絶対にウケないでしょう。

その点、BOSE製のヘッドホンはどれも洗練されたグッドデザインです。しかも古さを感じさせず奇をてらうだけでもない理に叶ったものです。美術的にも工業製品としても一流品でありまして、それゆえの高価格といわれても納得できます。

 

BOSEは何をやってもBOSE、されど唯一無二の存在

以上、今回はホームオーディオメーカーBOSEの真の魅力ならびに購入して愛用していた頃のレビューについて、僕なりの独断と偏見をもって綴りました。

BOSE製品はいずれも徹底して造り込まれた独自の音質ですので、悪くいえば、何をどうやってもBOSEの音しか出てきません。

ところが、こうしたBOSEのアクの強い特性は、本当にオーディオ道を追求するためのスピーカーの配置ができない狭苦しい住宅事情やインテリアの都合で音を妥協する必要がないという強みにもなります。

つまり、どんな取り扱いをしても一定レベルでの音質を絶対に保障してくれるのがBOSEというメーカーなのです。なお、BOSE製ホームシアターにはスピーカーを配置した後で自動調整してくれる補正機能も搭載されています。

確かに、ライバル社に比べてちょっと高い買物になりますが(特に、ホームシアターはチャンネル数が増えるほど高額に)、オシャレさを演出し、インテリアとして満足がいくヘッドホンやホームシアターを所有する喜びには換えられません。

実際にBOSE製品を目の当たりにしてまず驚くのがそのサイズでしょう。写真や映像からはイメージがつかないほど、「こんなに小さいの?」と拍子抜けしてしまいます。先述のキューブスピーカーだけでなく、PCを鳴らすデスクトップスピーカーも然り。

しかしながら、日本の住宅事情とベストマッチするサイズはオーディオ配置の悩みが相当緩和されると思います。しかもシビアなセッティングは一切不要。ホームオーディオとして割り切るのであれば、BOSEは絶対に間違いない「買い」のメーカーです。