社会福祉士として、より多くの件数をこなすための必須スキル

社会福祉士として、より多くの件数をこなすための必須スキル

計画相談支援の件数の上限を左右するのは、デスクワーク能力が占める比重が最も高い

早いもので、独りケアマネとして事業所を立ち上げて障害福祉の業界に舞い戻ってから4ヶ月目に突入しました。いったん業界を離れてから半年のブランクがあったものの、かつて苦楽を共にした同業者や関係機関のサポートを得ながら、事業も軌道に乗りました。

「昔取った杵柄」ではないですが、業界を離れる前に積み重ねてきた知識や経験の裏打ちがあってこそ幸先良いリスタートが切れたと自負していますが、今こうして計画相談支援に特化した業務を始めた当初を振り返ると、色々と思うところがあります。

特に考えるのはデスクワークの処理速度について、当初と現在の対比に関する考察であります。

わがマチの障害者ケアマネは僕のような生粋(?)のデスクワーカーはごく少数でして、法人系列の事業所や入所施設の支援員や介護員といったケアワーカーが圧倒的多数を占めています。

かつてお世話になった先輩ノリさんが話していたように、障害者ケアマネは「現場を知らなければできない仕事」という側面もあります。現場で日々奮闘してきた経験は障害特性の理解や個別支援の実践において最大限に活用できるものであります。

その意味では、かつての僕のような「現場から一歩離れた福祉の仕事」に従事してきた障害者ケアマネが背負うビハインドのひとつでありましょう。

では、障害者ケアマネの仕事をこなす上で現場上りがすべてにおいて圧倒的有利かといえば決してそうとはいえず、僕のようなデスクワーカーが有利な点も多数あります。

障害者ケアマネに最も求められるのは相談支援におけるスキルやキャリアであるコトは間違いないのですが、相談支援だけでは計画相談支援は務まりません。実は、サービス等利用計画やモニタリング報告書などに代表される事務処理が占める比率がとても大きいのです。

計画相談支援の件数は障害者ケアマネの置かれた状況や能力によって上限設定の格差がありますが、僕が思うに、その限界を左右する最大の要素は障害者総合支援法に規定される各種様式を作成する時間と労力、すなわち事務処理の速度ではないでしょうか。

後述しますが、利用契約の締結や初回アセスメント、サービス等利用計画案の説明ならびに本人の記名、サービス担当者会議の企画運営に本計画への本人サイン。これら一連の流れに要する時間はある程度、逆算するコトができます。

むしろ、計画相談支援に忙殺されるのは事務処理であります。逆にいえば、事務処理のかかる時間をいかに短縮し、効率的かつ迅速にデスクワークをこなすスキルが身につけば、より多くの件数を担当するコトができ、ひいては収入増につながるのであります。

 

リスタートして4ヶ月後、件数をこなすほどデスクワークの処理速度が上がるというコトに気付く

前職では個別相談をこなしながら地域課題の抽出や整理、具体的解決に向けた話し合いを行うため自立支援協議会の事務局運営をしたり、同業者や関係機関のスキルアップを図るための研修の企画運営をしたり、多岐にわたる業務に携わってきました。

計画相談支援はあくまでも二次的、三次的に行うものであり、優先されるのは個別相談ではなく、わがマチ全体を俯瞰(ふかん)した地域課題の解決に向けた取り組みだったワケであります。

そして現在、前職における優先事項のはるか後方に位置していた計画相談支援に特化した業務に日々奮闘しているワケですが、そこでひとつ気付いたコトがあります。

それは他でもない、その業務に特化したデスクワークを複数にわたり手がけていけば、自然と処理速度が高まるという歴然とした事実であります。

少し専門的な話になりますが、計画相談支援において絶対に作成しなければならない必須の様式があります。サービス等利用計画はもちろん、その計画案を作成する上で必要なアセスメントシートや計画案の作成に至る経緯を記録した相談支援記録であります。

提出義務があるのはサービス等利用計画案(基本情報・現在の生活・サービス等利用計画案・週間計画案)、本計画(サービス等利用計画・週間計画)、モニタリング報告書ですが、提出の義務はないが作成義務があるのは、アセスメントシートや相談支援記録などです。

計画相談支援において最も労力を要するのが新規相談者に係る計画の作成であり、得られる情報はできる限り収集し、ヒアリングや情報提供書の内容を所定の様式に落とし込まなければなりません。この作業が計画案作成に至る最難関であります。

新規であろうが更新であろうが計画作成の報酬は同額なのですが(ただし新体系では新規計画作成に係る加算があります)、いったん新規計画が完成すれば、たとえ大掛かりな変更が必要であろうとも、計画更新に関する事務処理など児戯に等しい。

つまり、新規作成におけるサービス等利用計画案の作成までの一連の流れをいかに迅速に行うかがより効率的かつ1人でも多くの相談者を担当できる試金石になるのです。

 

美しい表現を意識した日々の基礎練習の繰り返し~コレこそが「超絶技巧」への王道

慣れによる効率化の向上という進化の側面がありますが、場数をこなすコトによって、1つ1つの所作がよりスピーディーに行えるようになってくるのは間違いありません。

僕も障害者ケアマネに復帰した当初は、大変お恥ずかしい話ですが新規相談者の計画案を作成するのに最低3日間を必要としました。ところが現在は丸1日かからずに作成するコトができるようになりました。

もちろん、計画相談支援の件数が増えていくに従って、応用を利かせられる様式が徐々に貯まってきたのは確かであります。事務処理の効率化や合理化を図れるようになった側面は否めません。

しかしながら、単に独自様式を使い回して要領よく事務処理ができるようになっただけではなく、パソコンのタイピングのスピードも上がり、所定様式の作成にかかる時間そのものも復帰当初よりはるかに短縮できるようになりました。

つまり、いちいち様式の内容を確認しなくとも脳内で必要事項をイメージできるようになってきたのです。復帰当初はアセスメント訪問に出向いたにもかかわらずヒアリングし忘れて再度確認するミスがあったのですが、現在はほとんどありません。

確認しなくとも作業できるというのは、圧倒的な時間短縮につながります。まるでエレキギターの演奏を楽譜なしでプレイできるように。

そして、所定の様式を作成するための速度を上げるのも、入力上のミスを極力なくしていくのも、エレキギターの速弾きの習得に共通するものがあります。

ただ速いだけでは速弾きとして成立しません。1つ1つの音が美しくなければ意味がない。美しい音を出すためには極力ミスをしない。独りよがりな耳障りサウンドを鳴らすようなセッティングをしない。誰が聴いても心地好く響くキレイな音を出せてこその速弾きです。

サービス等利用計画をはじめとした様式作成についてもエレキギターの速弾きと同様、ある意味における「美しさ」が求められます。誤字脱字といったミスをしない。独りよがりで意味が不明瞭な文章を書かない。誰が読んでも読みやすく判りやすい文章表現を実践しなければならないといったように。

そして、エレキギターにおける超絶技巧のような様式を作成するためには日々の基礎の反復練習、すなわち計画相談支援に関するデスクワークを最初から最後まで手抜きするコトなく執り行う姿勢が必要不可欠なのであります。