計画相談支援における真の相談者ファーストを追求するなら「疾風迅雷」

計画相談支援における真の相談者ファーストを追求するなら「疾風迅雷」

「あらゆるウイルスが悪さをする季節だから仕方ない」とタカをくくっていたが…

障害者ケアマネの主な仕事はサービス等利用計画の作成(あるいは更新や変更)とモニタリングに大別されますが、いずれも相談者と直接コンタクトを取った上で行わなければならない規定があります。電話で済ませるとか家族に代筆を頼むのは違法行為となります。

僕もまた障害者総合支援法に則り日々の業務に邁進しているところですが、いくら僕が努力しようが、不可抗力的に以上の業務が遂行できない状況があります。相談者と直接コンタクトが取れなくなった場合であります。

先月と先々月のモニタリング訪問で、それぞれ1件ずつ未実施となったケースがありました。1件が風邪による体調不良、もう1件がインフルエンザ罹患によるドクターストップでした。

師走と新年、いずれも極寒と乾燥の季節であります。わがマチは氷点下の銀世界。最もウイルスが悪さをするシーズンの真只中、体調を崩す相談者の1人や2人がいるのは止むを得ないものと割り切っておりました。

ところが今月も折り返しに近づいた現在、たまたまかも知れませんが、厳寒期恒例の体調不良ではない理由で次々にキャンセルの連絡が舞い込んできておりまして、僕の計画相談支援の業務に多大な悪影響を及ぼしている状況に。

実際、風邪やインフルエンザ以外でどのような不測の事態が起こったのかについてご紹介しますと、室内での転倒による骨折で緊急入院したり、内部疾患で手術予定だったが激痛を起こして緊急入院したりしたケースがありました。

以上の他、相談者自身の希望でモニタリングの日程調整をしたにもかかわらず「どうしても眠くて起きられなかった」とか「出かけているので今日はムリ」とか、自宅訪問したが不在だったという、いわゆる「ドタキャン」による再訪問や未実施で終わったケースも。

 

モニタリング訪問がどうしても後回しになってしまう、その理由

サービス等利用計画の新規作成・変更・更新、いずれも同様ですが、最低でもサービス等利用計画案と本計画のサインをもらうため、1ヶ月の間に2回は本人と直接コンタクトを取らねばならず、サービス担当者会議の開催のための日程調整もしなければなりません。

ひとくちに会議開催といっても、多忙を極める支援者1人ひとりの日程調整も決してラクではありません。電話対応や面談など、所要で連絡がつかない場合もあれば、逆にこちらが外勤や訪問等で電話に出られない場合もあります。

一方、モニタリングについては、サービス等利用計画の作成よりも負担が軽くなります。相談者の自宅訪問を1回実施すれば、あとは支援者から支援状況等についてのヒアリングをすれば行政に提出義務があるモニタリング報告書を作成するコトができるからです。

相談者の自宅へ訪問しなければならないという規定がある一方で、支援者へのヒアリングは電話や書面で行っても違法とはなりません。言葉は悪いですが、相談者宅への自宅訪問さえ実施できれば、後はどうにでもなるのであります。

おそらく僕だけではないと思いますが、障害者総合支援法の規定に伴う以上の事情から、ついついモニタリング訪問のスケジュール調整を行うのが後回しになる傾向があるのです。

新規相談者のサービス等利用計画の作成や支給量の変更に伴う計画変更や支給期限の到来に伴う更新であります。これらの手続きがなされなければ障害福祉サービスを利用できなくなりますので、モニタリングを延期あるいは中止するケースがままあるのです。

 

モニタリング未実施を防ぐ最善策は2つ

キャンセルのリスクが高い相談者を早めに済ませるコト

しかしながら、以上の点については、今にして振り返ってみると反省すべき点があります。

なぜなら、キャンセルが入る可能性が高いと思われる相談者をリストアップし、月の早いうちにモニタリング訪問を実施しておけば未実施の件数を減らすコトができたからです。

つまり、体調不良を起こすリスクが高いと想定される相談者や当日キャンセルとなるリスクが高い相談者については、あらかじめモニタリング実施月の上旬から中旬までに自宅訪問を済ませておくべきだったのです。

仮に、いったん相談者の都合によりキャンセルとなろうが、中旬から下旬にかけて再度の日程調整が可能となります。月末に予定を組んで良いのは、心身ともに頑健な肉体に恵まれた相談者のみというコトになります。

大変ありがたいコトに、わがマチの障害福祉課は地域で暮らしている障害者の生活や計画相談支援の現場のリアルを充分に理解しています。きちんと事情を説明すれば、モニタリング実施月を延期または変更してくれます。

ですが、そうなればお互いにムダな仕事を増やすコトになります。僕としては、できれば実施月に必須の業務をキッチリ遂行したい。そして、いったん相談者と交わした約束は守りたい。

人生一寸先は闇といいます。相談者の身の上に不測の事態が起こるのは止むを得ません。ならば、われわれ障害者ケアマネはどうするべきか。不測の事態を想定し、そのリスクが高い相談者に係る仕事を優先するしかありません。

このように、われわれ障害者ケアマネは、相談者の障害特性や持病などを把握し、健康上のリスクマネジメントをふまえた上で日々のスケジュール管理をしなければならないのであります。

 

もうひとつの改善策は、1日も早く予定された業務を消化していくコト

「ソレができれば苦労はない」と同業者から怒りと反発の声を喰らいそうですが、やはり努力目標でもイイので心がけるべきなのは「あらかじめ、やらねばならない業務は1日も早く終わらせる」、これに尽きます。

例えば、当初は余裕をもって3日後にサービス等利用計画案を完成させる見通しをしていようとも、全身全霊で業務に取り組み、可能な限り1日でも早く終わらせるのです。

そうすれば他の業務に着手するコトができますし、相談者に「予定より早く計画案が完成したので、前に約束していた日よりも早くお邪魔してもイイですか?」と再提案するコトができます。

強いこだわりがあって最初の約束は絶対変更できないという障害特性を持った相談者でない限り、予定が早まったコトで怒る相談者はまずいません。同じ予定変更でも「完成が遅れてしまって大変申し訳ありません」というより、はるかにマシです。

何事もそうですが、締め切りギリギリで作業を終えるのは百害あって一利なしであります。普段であれば絶対しないであろうケアレスミスをしたり、それ以上の致命的なミスを犯したりするリスクが格段に高まるからです。

孫子の兵法に「兵は拙速を尊ぶ」とあります。特にサービス等利用計画案の作成においては、利用する障害福祉サービスの種類や支給量を間違うなどの致命的なミスがない限り、いったん相談者の承諾を得てサインをし、行政に速やかに提出するコトが肝要と考えます。

些細なミスなど、後で読み返して気付いた点を添削したり、サービス担当者会議で出席者に精査をしてもらい、本計画の作成に向けて修正したりすれば良いのです。本人が望む生活の実現に向けた計画案さえ作成できていれば目的達成であります。

最近、僕が心がけているサービス等利用計画作成の業務イメージはまさに「疾風迅雷」であります。1日でも早い計画の作成を。そして、1日でも早い本人サインを。

こうして、速やかにスケジュール消化したコトによって捻出した時間を、モニタリングの自宅訪問を優先すべき相談者の日程調整に充てるのです。

障害者ケアマネの能力は千差万別でしょうが、時間だけは誰にでも平等かつ有限なものであります。不測の事態に対応するための時間的余裕を捻出するには、予定された業務ノルマをいかに速やかに消化できるか。その一点にかかっているのです。