エレキギター演奏の必須項目、ヴォリューム操作について徹底考察

エレキギター演奏の必須項目、ヴォリューム操作について徹底考察

キレイな音を出すギタリストは例外なくヴォリュームを使いこなしている

電気仕掛けで駆動するエレキギターにはスイッチ類が多数装備されています。

種類によって個数の違いはあっても、最低でもヴォリュームとトーンを調整するノブ(つまみ)は1つずつ備えているものです。

なお、ピックアップが2つ以上あればセレクター(切り換えスイッチ)も標準装備されます。

その他、80年代に流行ったヤマハ製のエレキギターの高級モデルには、既存のスイッチに加え、ハムバッカーを1つキャンセルしてシングルコイルにする「バイサウンドスイッチ」が装備されたモデルがありました。

以上のような特殊なスイッチ類を搭載したモデルは一部であり、基本的にヴォリューム・トーン・セレクターの3つを使いこなすコトになります。

なお、フェンダー系とギブソン系ではスイッチ類に違いがあります。

フェンダー系のノブは3つで、1ヴォリューム2トーンなのに対し、ギブソン系はリアピックアップ1つのみ搭載するモデル以外は、2ヴォリューム2トーンと4つのノブが搭載されています。

さて、プロのギタリストはこれらのスイッチ類を駆使しながらプレイするワケであります。

例えば、リフやバッキング(伴奏)でリアピックアップを選択していたのを、ギターソロに入る寸前で瞬時にフロントピックアップに切り換えるワザを。

ところで、プレイスタイルやジャンルはともかく、どんなギタリストだろうが絶対に操作しているスイッチがあります。それは音量を調整するヴォリュームノブであります。

僕もヴォリュームノブを扱うようになったのは現在のバンドからですが、その目的は2つ、絶対に使わなければならない場合と使いこなし方として有効な場合があるからです。

絶対に使わなければならない場合→耳障りなハウリングやノイズを防ぐため

使いこなし方として有効な場合→最低限のエフェクターで効果的なサウンドを実現

後者についてはギタリストによってそれぞれですが、前者については必須で身につけるべきです。

 

ヴォリュームノブを適切に操作するコトができるようになれば一人前

まず耳障りな雑音をカットするという①の場合ですが、特に歪み系エフェクターを強めに使用している場合、演奏以外で雑音を一切出さないコトがスマートなギタリストの嗜みであります。

聴衆にとって、ジージーガーガーとノイズを聴かされるのは不快でしかないからです。

雑音カットの方法としてはエフェクターをオフにするとか左右いずれかの手を弦に触れてノイズを出さないといった方法が一般的ですが、確実なのは、ヴォリュームを0にするコトです。

演奏の合間がそう長くない場合でなければ、この方法が最良です。

次に、②として最低限のエフェクターで効果的なサウンドを出すためのヴォリュームノブの使い方がありますので、その効果と利点についてご紹介したいと思います。

ヴォリュームを絞ると、レベルだけでなくゲインも減衰する特性をフル活用

ヴォリュームは読んで字の如しで音量を調整するスイッチですが、エレキギターの場合、単に音量(レベル)が下がるだけでなく、同時に歪み(ゲイン)も比例して減衰する特徴があります。

つまり、サウンドメイクをギターソロに照準を合わせて行うと、リフやバッキングの場面で歪みが強くなりすぎてヴォーカルを邪魔するコトになります。

そのため、ヴォリュームノブを演奏中に操作しながら音量と歪みを同時に調整するのです。

例えば、ソロに入るまではレベル5あたりで調整して弾き、ソロ直前で瞬時に小指と薬指でノブを操作してレベル10に上げ、ソロが終わったらすぐレベル5に戻します。

曲によってはそのタイミングが困難な場合があるので、キリが良いところで上げておくのです。

以前よくコピーしていた斉藤和義さんの「歩いて帰ろう」では、ソロの寸前でヴォリュームノブを操作する余裕がありませんでした。

そのため、ソロの1小節前でレベル10にしつつ、ブリッジミュート(手刀で弦に触れながらのピッキング)で音量を抑えながらソロに入るのです。

演奏しながらヴォリュームノブを操作するのは骨が折れます。プロはいとも容易く操作しますが、あれほどソツなく操作するのは、相応の練習あって実現できるものであります。

歌っている間はヴォリュームを抑え、ギターソロでは一気に全開。そして再び抑える。

演奏そのものだけではなく、ヴォリュームコントロールも同時に練習する必要があるのです。

ヴォリューム操作によるギターソロ強調のメリット

「そんな面倒くさいコトをしなくってもエフェクターでブースト(音量を上げたり歪みを強める)すればイイんじゃね?」と思うヒトもいるでしょう。

実際、そうしているギタリストが大勢を占めるのではないでしょうか。

しかしながら、僕がこのような煩雑なヴォリューム操作にこだわっているのはレッキとした理由があるのです。なぜなら、演奏が難しくなる煩わしさを補って余りあるメリットがあるからです。

ヴォリューム操作のメリットとしては、最低限のエフェクターで済ませられるという経済的メリットやトラブル回避が挙げられます。

中でも最大のメリットは、最もノイズがない高純度の歪み音が出せるコトであります。

複数のエフェクターを駆使して音圧をブーストさせる方法もあります。しかしながら、ノイズが発生したり、狙ったほどにはブーストが効かなかったりと実にザンネンな現象が起こりました。

試行錯誤の結果、最も音の劣化を起こさないのがヴォリューム調整と気づいた次第です。

歪み系エフェクターのかけ合わせはノイズが大きく、ブースターは効かない

チューブアンプのナチュラルかつ抑えた歪み(クランチ)と歪み系エフェクターの相性は良いのですが、歪み系エフェクターを2つ使うと、どうしてもノイズが発生しがちになります。

僕はこの手のノイズに神経質なタチなので、合わせ技で使うのはせいぜいワウペダルのみです。

また、「ブースター」と呼ばれる音量や音圧を上げる専用エフェクターがあるのですが、有効なのはクリーンサウンドのみ。一定の歪みをかけた状況では、ブーストがほとんど効きません。

ここ一番の見せ場、ギターソロで極上の歪み音を強調し、なおかつソロ以外の場面でノイズレスな聴き心地の良いギタープレイを展開する。

その是非は、ひとえにヴォリューム操作の妙技にかかっているのであります。

 

ヴォリュームを徹底的に使いこなして、キレイな音を出すコトを心がけるべし

以上、今回はエレキギターの重要な必須テクニックとして、ヴォリュームノブを駆使する重要性や可能性について綴ってみました。

終始一辺倒、怒涛の勢いで攻めつつギターソロを重視しないパンクや、歪みは一切使用せず音量や音圧のメリハリをつけないジャズなどであれば、細かなヴォリューム操作を求められるコトはないかも知れません。

ですが、耳障りな雑音を一切出さないスマートな所作は、エレキギター弾きとして絶対に身につけるべき嗜みであると思っています。

事実、音楽のジャンルやプレイスタイルを問わず、演奏が終わった次の瞬間にヴォリュームをゼロに操作するプロのギタリストがいかに多いコトか。

僕もこうしたプロの美しい所作を見習い、完全にモノにしたいと思います。