福祉業界の転職にまつわる「3つのウソ・ホント」

福祉業界の転職にまつわる「3つのウソ・ホント」

ソーシャルワーカーとして20年以上のキャリアを積んできた中で、過去3回の転職を繰り返してきた僕自身の体験をもとに、ネット検索で個人ブログや転職関連の企業サイトをチェックして比較するコトがあります。

結論としては、どのサイトにもウソはありません。自分自身の体験が綴られた個人ブログには強く共感しますし、企業サイトもまた転職支援のノウハウをもとに役立つ情報を多数提供して下さっています。僕も実際、転職活動では参考にさせてもらいました。

「終身雇用の神話」なるものに疑問符がつくようになってから久しい今日このごろですが、ベースアップ・キャリアアップ・スキルアップのために、あるいはそれら以外を求めて転職を志すヒトが、かつての僕のようにネット検索で情報収集を行っているコトでしょう。

しかしながら、数ある転職情報のうち、僕が冒頭で綴ったように損得勘定のない個人ブログや良心的な転職サイトの情報は信憑性が高い一方で、マイナスの感情が先行し客観性を欠いているものや利益優先で転職者に必ずしもプラスに作用しないものも散見します。

僕は福祉業界でしか仕事をしたコトがないので異業種では事情が違うかも知れません。それでも、これから福祉業界への転職を検討している皆さんの参考になる情報提供であれば可能です。

そこで今回は「転職のウソ・ホント」として、ネットでよく見かける転職のリアルについて、福祉業界での実体験をもとに独自の解釈で考察してみたいと思います。

 

転職できるのは35歳まで→ウソ・ただし条件がある

僕が1回目の転職を決めた当時、転職できるのは35歳までで、それを過ぎると転職できなくなるというのがネットでの定説でした。また、転職が早すぎても遅すぎても不利に作用するという話もありました。

転職の時期については単なる勤続年数の話ではなく、転職後、即戦力として活躍できるかどうかのキャリアとスキルが備わっているかという点が重要だと後に気づきました。

僕の場合は最初の職場での13年間の職務経験で内定をもらうコトができましたが、実年齢は全く関係なかったと思います。実際、当時35歳だった僕より年配の相談員も複数採用されていたので、焦らなくても良かったのだと思いました。

福祉業界に限定すれば「即戦力として活躍できるスキルやキャリアを持っている」という条件さえクリアしていれたのなら、35歳を過ぎてから転職しても全く問題ありません。

逆に、若ければイイという問題ではなく、短期間に何度も職場を変えていたり、新卒で1年経たずに辞めてしまったりしていた場合、「だったら、ウチもすぐに辞めるんでしょ?」とあらぬ疑いをかけられて不採用になるリスクも。

「石の上にも三年」といいますが、やはり1つの職場で相応の期間を勤め上げてきたという実績がなければ、いくら面接でスキルやキャリアがあるとアピールしても説得力に欠けると思われるコトでしょう。

 

転職の決め手になるのは学歴より資格→ホント・特に福祉系では

僕の職歴の中で唯一、福祉系の4年制大学卒という雇用条件を提示されたのは1ヶ所だけでした。それ以外の職場で大卒という肩書を求められたのは、ただの1ヶ所もなかったのです。

一方で、雇用条件の必須事項として終始一貫、共通して求められたのは資格でした。3度目の正直で合格した社会福祉士国家資格がなければ、いずれの転職先でも採用されませんでした。

また、障害者ケアマネとして計画相談支援を行うための必須の資格、相談支援専門員がなければ、3回目の転職も実現していなかったコトでしょう。たとえスキルとキャリアを見込まれたとしても、この資格がなければ事業所を立ち上げるコトすらできなかったからです。

僕にとっての生命線は社会福祉士国家資格と相談支援専門員という2つの資格です。単に福祉系の4年制大学を卒業しただけでは現在の成功は絶対に有り得ませんでした。

国家公務員の給与規定に準拠している社会福祉法人に転職する場合、4大卒という学歴は生涯所得で大きなアドバンテージとなるでしょう。学歴はないよりあった方がイイという話です。転職活動においても、4大卒という肩書は必ずや優位に作用するでしょう。

ただし、学歴が決定的な決め手になるかといえば、それはノーと断言できます。仮に社会福祉士を取得している高卒と取得していない大卒、転職活動で選ばれるのはどちらか? 究極の選択ですが、即戦力として選ばれるのは絶対に前者であります。

 

転職したら今よりも所得が下がる→ウソ・一概には断言できない

転職を思い直すよう諭すサイトでは、転職すると「退職前の給料の方が良かった」と後悔するとか、実際に転職してみたら「話が違う」というコトが往々にしてあるため、慎重に考えるべきといったものを見かけます。

僕の場合、転職するたびに所得が減額していきました。ただし僕の場合は特殊な事情がありまして、最初の職場では大変な好待遇で採用していただき、同じ支庁管内で最高額の年収を保証されていたのです。しかも年功序列の原則に従い、毎年確実に昇給していく。

ですが僕は給料よりも優先したいものがあり、特に転職してからは所得をなるべく貯金に回すよう心掛けてきたので、カネに困っているワケでもありません。納得がいくまで転職を繰り返して本当に良かったと思っています。

さて、僕が知る障害福祉業界の転職経験者を見回してみますと、お互いの所得について語り合えるほど親しいヒトに限定されますが、一概に所得が下がったという話は聞きません。ほぼ現状維持か、あるいは上がったというヒトもいます。

転職に伴う所得の変化につきましては雇用先によりけりであり、一概に上がるとも下がるとも断言するコトはできません。所得を最優先に考えるヒトや家庭を養う義務があるヒトは、転職先の給与規程をトコトン調べた上で行動を起こすべきであります。