社会福祉士が障害者ケアマネの仕事を選んで良かったコトは

社会福祉士が障害者ケアマネの仕事を選んで良かったコトは

その過酷な仕事の内容に見合うだけの報酬かどうかを論じたとしましょう。

当事者かどうかで意見が分かれるところですが、「余人をもって代えがたし」という専門職として相応の仕事ができているなら、やはり年収600万は保障してもらいたいところであります。

給付費のみではとても追いつかない現実で、少なくともそれだけの報酬をもらっても遜色ない仕事をキッチリこなしている。

そんな気概だけは失わずに障害者ケアマネとして日々邁進しているところであります。

僕は今のところ、健康優良で医療費がほとんどかからず、養う家族もおらず、負債も抱えていないという低コストで人生をやり繰りしている人間なので、上記の1/2あれば充分であります。

生まれてこの方、ゼイタクとは一切無縁な人生を送ってきたので(唯一のゼイタクは私立大学に行かせてもらったコト)、計画相談支援でいかに結果を出せるかの興味があるだけです。

過去ブログで、福祉系の最高峰の国家資格であるハズの社会福祉士を取得しても高収入と無縁な状況下にあるというグチ話は、下記の過去ブログで綴りました。

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年収400万のカベを超えるために~障害者ケアマネの最高月収はいくらまで狙えるか→コチラ

僕が半独立型社会福祉士として独りケアマネをするに至るまでの20数年、転職はしたものの福祉業界からは一切離れず初志貫徹でソーシャルワーカーを続けてきました。

ここで素朴な疑問ですが、なぜここまで続けられたのでしょうか?

当時から高収入とは全く無縁な仕事だと判っていましたが、母方の祖父に溺愛され、僕にとって最愛の祖父がいなければ、福祉の仕事をしようとは思わなかったでしょう。

始めたキッカケはどうであれ、20年以上にわたってこの仕事を続けるコトができているのは、もちろんレッキとした理由があります。

たとえどれだけ低賃金であろうが、たとえどれほど苦労と苦悩があろうが、福祉の仕事にはそれらをいとも容易く吹き飛ばすだけの喜びがあるからです。

では、ソーシャルワーカーとしての仕事には、どのような喜びが待っているのでしょうか。今回は障害者ケアマネの仕事をもとに、僕にとっての喜びの数々を綴っていきたいと思います。

 

誰かの笑顔と引き換えに、それ以外の誰かを泣かせるような仕事ではないから

世の中には実にさまざまな仕事があります。中には巨万の富を稼ぐコトができる仕事もあります。

しかしながら、その仕事が誰にとっても笑顔でいられるような仕事かというと、必ずしもそうとは限らないものであります。

結果を残すために、あるいは生き馬の目を抜く競争を勝ち抜くために、不本意であろうとも誰かを蹴落とさなければならない。誰かを犠牲にしなければならない。

あまり言いたくはありませんが、誰かの恨み辛みを一身に背負う因果な成功者もいます。

ヒトの人生はヒトそれぞれですし、その価値観も千差万別であります。

だからこそ僕は誰の恨みも買わず、誰かを犠牲にしたり泣かせたりしたりせずに続けられる仕事に就きたいのです。

しょせん偽善者のキレイゴトかも知れません。四十路が語るにしては甘い考えかも知れませんが、僕の価値観を具現化してくれる仕事が今の障害者ケアマネだと思っています。

 

本人・家族・支援者・関係者を問わず、困っているヒトたちの力になれるから

需要と供給のバランスシート上、わがマチでは全く足りていない障害者ケアマネ。

その1人して、事業所を立ち上げて独りケアマネとして尽力すると名乗りを上げた際、「くれぐれもヨロシク」と行政から多大な期待(?)が寄せられたものでした。

僕が期待に応えられる仕事ができているかどうかの評価はさておき、セルフプランで対応していた利用者に後追いで計画相談支援を導入したコトで、下記に挙げるメリットがあります。

本人あるいは支援者が代行で行っていた障害福祉サービス利用に係る申請手続きの負担がなくなった

セルフプランであれば利用者本人が担当窓口まで出向き、所定様式をもとに申請手続きをしなければなりません。

なお、わがマチでは、そのほとんどを障害福祉サービス提供事業所が代行しています。

わがマチでは、計画相談支援ではない申請の場合は、支給期限月よりも早めに更新申請しなければならないという独自ルールが設けられています。

なお、障害福祉サービス提供事業所にとっては、これらの事務手続きが過度な負担とのコト。

僕ら障害者ケアマネは計画相談支援ですので独自ルールとは無縁。障害者総合支援法に規定されたとおり、支給期限月のうちにサービス等利用計画案を作成して提出し、支給決定をもらえばOK。

コレだけでも、本人あるいは代行側から非常に喜ばれます。

特に、セルフプランで対応していた当事者の場合、行政窓口まで往復する交通費の負担が大きかったり、身体障害があって移動に困難さを抱えていたりします。

健常者にとって、何の変哲もないことがらの1つ1つが障壁となるのです。

これまで、支援者あるいは家族等がインフォーマル支援で代行せざるを得なかった困りごとの具体的な解決につながった

僕は前職で、困難ケースが地域で安心して暮らせるための個別支援として数えきれないほどの経験をさせてもらいました。

中には既存の障害福祉サービスではない公的支援の存在を知り、それぞれの専門家の力を借りて解決に向けた取り組みをしてきました。

当ブログで何度かご紹介してきたガー子さんの件をはじめ、数々の労苦と引き換えに知識・経験・人脈を得るコトができました。

そして現在、独りケアマネでも何ひとつ不自由なく解決に向けて行動できるだけのバックボーンを構築するに至ったのであります。

以前、当ブログでご紹介したコロンさんが抱える生活課題を解決に導くコトができました。

コロンさんは単身生活を送る知的障害者。以前、障害年金の現況調査(所定の様式で、日本年金機構宛てに主治医の意見書を提出しなければならない)を放置していました。

生活保護を受給していたのですが年金支給分は差し引かれるため、実に2年近くにわたり月6万円程度の収入と作業工賃だけで暮らしてきたのです。

家賃も公共料金も滞納が続き、ようやく事態に気づいた支援者が対処したとのコトでした。

そして僕が担当するまでの長年にわたり、コロンさんが通所している福祉就労所の担当スタッフが金銭管理や収支家計の確認をしていたのです。それでもなお、すべてが解決したワケではなく。

以上の課題が明らかになったところで僕の出番です。速攻で成年後見制度の利用に向けた支援へ。申請手続きを保佐人予定の弁護士に依頼し、保佐相当の診断書を書いてもらう精神科病院も手配。

すべての手続きが終了し、家庭裁判所からの審判待ちの状況であります。

関連ブログ:障害者が安心して「つつがない日々」を送れるために→コチラ

妥当な障害支援区分や支給量が認められ、現状に即したサービス提供につながった

最近、僕が新たに担当させていただくことになったケースで、こういった相談がありました。

本人が望んでいる在宅系の障害福祉サービスが提供される日時と支援者が提供している日時の乖離(ズレ)があり、どうにかならないかというものであります。

本人が通所している障害福祉サービス提供事業所のスタッフから事前に打診がありました。

「本人が担当のサービス提供責任者に話をしても『そんなワガママは聞けない。ゼロさんが計画相談に入ったら、今の提供時間で確定するんだからね』といわれた」とのコト。

実際に自宅訪問して本人の話をヒアリングしたところ、決して本人のワガママではなく、実生活とサービス利用の両立を図るために最善策を講じてほしいとの話でした。

決して非現実的な要望ではなく、くだんの事業所で再検討すべき要望だったのです。

そこで、担当ケアマネとして本人の希望を叶えつつ、障害福祉サービス提供事業所がおかれている現状を勘案した上で妥協策を提示。

本人からは承諾を得られ、支援者は「いったん持ち帰って検討させていただきます」とのコトで解散。

翌日、くだんの担当者から連絡が入り「ゼロさんが提案した変更案で対応できそうです」との返答を受理。翌月から本人が希望するサービス提供が実現するコトになりました。

詳細については自主規制で省かせてもらいますが、以上の他にも障害福祉サービス提供事業所側に改善してもらうべき点があるコトが発覚し、適宜対応してもらうコトになりました。

余談ですが後日、本人にキツい物言いをした(らしい)担当者も交代となりました。

以上の他、明らかに本人の障害特性や問題行動にそぐわない障害支援区分しか認められなかったという支援者からの相談にも対応。

あらかじめ、かかりつけ医に打診して承諾をもらった上で、再判定に向けた支援も行いました。

その際、再判定の根拠となる担当ケアマネとしての所見を独自のアセスメントシートにまとめ、再判定の認定調査の際に提出。審査会の結果、区分2だったのが区分4として再判定されました。

 

障害者ケアマネという仕事は「誰かに感謝される仕事」

以上、手前味噌の手柄話ばかりで恐縮ですが、つまるところ僕ら障害者ケアマネの役割の本質とは「ヒトの話を聞いてお願いするコトしかできない」という点にあります。

ホームヘルパーや介護員のように直接介護を行うワケでもありませんし、支援員のようにいちどに複数の利用者を支援するワケでもありません。

あくまでも我々ソーシャルワーカーは現場から一歩離れた福祉職の専門家なのであります。

だからこそ、ソーシャルワーカーとしてのキャリアやスキルをバックボーンに、僕の場合は障害者ケアマネとしてどのような結果を残せるかが今後の課題となるのです。

何だか堅苦しい話が続いてしまいましたが、こんな僕でも誰かに感謝され、喜びの声や笑顔でお礼を言われる機会があるコトが少なからずあります。

自分の得意なコト(というよりコレしかできないという唯一の強み)を存分に発揮し、自分が活躍できるフィールドで日々の仕事ができる。

今こうして、半独立型社会福祉士として独りケアマネをしているコトそのものが喜びであります。

しかしながら、それ以上に障害者ケアマネをやっていて良かったと思えるコトがあります。それは、障害者ケアマネという仕事が誰かに感謝される仕事だからです。

自分の価値や存在意義を認められ、感謝される。僕にとって、それ以上の喜びはありません。