シングルコイル、その魅力をマニアックかつ徹底的に語り尽くす

シングルコイル、その魅力をマニアックかつ徹底的に語り尽くす

布袋さんが奏でる至福の高音域は、シングルコイルがあってこそ

中学から高校にかけて貪るように聴き込んでいたロックギタリストは当ブログでもたびたび登場する布袋寅泰さんですが、今にしてナゼあれほど布袋さんのギターサウンドがとりたて好きだったのか分析すると、ひとつの結論に到達します。

それは、今も昔も変わらない流麗で洗練された布袋さんのハイセンスなメロディラインとは別に、布袋さんが繰り出すギターサウンドそのものが好きだったというコトであります。

そして、そのギターサウンドの決め手になるのがシングルコイルにあるという事実に。

布袋さんのギターといえば、鋭く尖ったヘッドシェイプと幾何学模様のペインティングが施されたテレキャスターモデルがトレードマークですが、ソロで活躍するようになってからはフェンダー・テレキャスターも使っています。

BOOWY時代はご自身のアーティストモデルのみでしたが、「これぞロックンロール!」という軽快なソロが疾走する名曲「バンビーナ」、オフィシャルPVではフェンダーを使っています。

唯一の例外は吉川晃司さんとユニットを組んでいたCOMPLEX時代で、代表曲「BE MY BABY」のPVのようにハムバッカー搭載のモデルを使う機会が多く、シングルコイルとは一味違う、武骨かつファットなギターサウンドを繰り出していました。

「布袋さんといえばカッティング」というほど数々の名曲でカッティングを多用していますので、中音域が分厚く響くハムバッカーではなく、高音域のキレの良さが持ち味のシングルコイルを搭載したギターを使う機会が多くなるのは当然の話であります。

しかしながらティーン時代の僕は、布袋さんの代名詞ともいえるカッティングではなく、高音域を存分に活かしたメロディアスなギターソロのサウンドに強く惹きつけられ、聞き惚れていました。「なんてキレイな音なんだろう」と。

当時、布袋さんのフレーズで特にお気に入りだったのが、BOOWY時代のライヴ「GIGS」に収録されている複数の「わがままジュリエット」のギターソロでした。

布袋さんは「同じプレイは二度としない」という信念でもあるのかと思うくらい、ステージごとにアレンジを変えるギタリストでした。そのため、GIGSの数だけ「わがままジュリエット」の別ヴァージョンのギターソロが楽しむコトができたのです。

最も僕が好きな「わがままジュリエット」のギターソロは「“GIGS” JUST A HERO TOUR 1986」に収録されているエンディングのです。非常にマニアックな話で恐縮なのですが、アルバム8曲目、4:19~4:23は至高のフレーズでした。

おそらく運指は、1弦19フレット→1弦18フレット→2弦19フレット→3弦18フレットを2周繰り返し、3週目で3弦16フレット→3弦15フレット(チョーキング)へと降りてゆく。その旋律もさるコトながら、特筆すべきは高音域の響きであります。

 

ギターソロで高音域を駆使するシングルコイル使いのギタリスト

そう考えて振り返ってみると、僕が好きなロックギタリストにはシングルコイル使いが実に多いという事実に気付いた次第であります。

そこで以下、僕が敬愛するシングルコイル使いのロックギタリストを紹介します。

イングヴェイ・マルムスティーン

デビュー当時から現在に至るまで、終始一貫、ブレるコトなくフェンダー・ストラトキャスターを使い続けているロックギタリストのレジェンドです。Aハーモニックマイナースケールで繰り出す超絶技巧の速弾き、イングヴェイのスウィープピッキングは永遠のテーマです。

ken(L’Arc〜en〜Ciel

ラルクのkenさんはかつて、深紅のストラトモデルやフライングⅤモデルなどハムバッカー搭載モデルを使っていましたが、現在はフェンダーのストラトキャスターをメインで使っています。

kenさんも「winter fall」「Driver’s High」で高音域が印象的なギターソロを弾いています。

フロントピックアップを使ったまろやかなトーンで高音域を鳴らす「winter fall」や、イントロ・中盤・エンディングとも高音域を中心にアレンジされた「Driver’s High」の2曲は、弾いていてとても心地よいサウンドが楽しめるギターソロです。

SUGIZO(LUNA SEA)

もう1人、忘れてはいけないシングルコイル使いのロックギタリストとして僕が敬愛しているのが、LUNA SEAのSUGIZOさんです。布袋さんが「音を切る」コトを至上とするギタリストだとすれば、SUGIZOさんは「音を延ばす」ギタリストです。

僕が初めてLUNA SEAを知った曲は「ROSIER」でしたが、空間系のエフェクトを駆使し、何小節にもわたり1つの音を延ばし続けるギターソロはまさに衝撃でした。速弾き全盛の当時、SUGIZOさんのアプローチは強く印象に残りました。

1つの音を延ばし続ける印象的なSUGIZOさんのギターソロが堪能できるのは上記で挙げた「ROSIER」の他に、「STORM」や「gravity」があります。

僕が最も好きなSUGIZOさんのギターソロは、「I for You」で奏でられる泣きのソロです。SUGIZOさんの音を延ばすギターソロ、情感豊かに切なく響きわたる高音域。シングルコイルのギターサウンドであります。

またしてもマニアックな話題となりますが、SUGIZOさんが使用するシングルコイルは一般的なフェンダー系のそれではなく、ギブソン系のP-90で統一されているようです。

P-90はフェンダー系よりもコイルの巻き数が多く、高出力かつ中音域に特色あるサウンドです。そういったギターサウンドを取り入れるのがSUGIZOさんのスタイルなのでしょう。

 

シングルコイルの音が好きだからストラトキャスターに行き着く

歪み系サウンドをノイズレスで鳴らすのであれば、ギブソン系のハムバッカー搭載モデルが無難な選択であり、自作ギターのレスポールモデルやフライングⅤモデルばかり使ってきましたが、今は歪みのレベルを多少下げてでもシングルコイルを使いたいと思います。

なぜなら、どうせ好きな音楽をやるのなら、好きな音を鳴らせる1本を使った方が絶対に満足度が高いに決まっているからであります。

そして、本当に自分が好きなギターサウンドが判った以上、最終的にストラトキャスターの自作に行き着いたのは、ある意味で当然の帰結だったのかも知れません。

自分がシングルコイルのサウンドに心底ホレ込んでいるコトに気付いた以上は。