ライヴ成功の秘訣、それはオーディエンスを味方につけるコト

ライヴ成功の秘訣、それはオーディエンスを味方につけるコト

ライヴの成否を決めるのは、ひとえに客の盛り上がり次第

僕が初めてバンドを組んだのは16歳の頃でしたが、その当時は空前のバンドブームでありました。それこそ僕のように楽器を鳴らすのが好きなだけのフツウな高校生から、ちょっとヤンチャな諸君まで、数多くの同年代がバンドを組んでいたものでした。

そのような中、バンド内の息苦しい人間関係に嫌気が差して速攻で脱退。現在のバンドに所属するまでは独りギタリストを細々と続けてきたのですが、単独でマイナー路線を突っ走る今の生き方は当時から確立されていたようです。

当時、僕を誘ってくれた同級生はバンド界隈でちょっと名の知れた技巧派ギタリストで、ドラムも達者に叩けるマルチプレイヤーでした。ところが当時の最先端メタルバンドのコピーという技巧にこだわりすぎ、バンド仲間からは高評価でしたが客ウケはあまりよろしくありませんでした。

当時はまだ「イケメン」という言葉はありませんでしたが、やはり端正な風貌を誇るヤンキー君が組んでいるバンドは女子たちの黄色い歓声を浴びる大人気。「テクニックの前に外見かよ」と非常に落ち込んだものでした。

当時、僕と同期で構成されたX専門のコピーバンドがあり、彼らは人気実力ともに群を抜いておりました。しばらくご無沙汰していますが、未だにどこかで超絶技巧を披露しているのでしょうか。

 

客を味方につけられなければ、その日のライヴは失敗と心得えよ

僕が所属するバンドは結成5年目を迎えた中堅といった立ち位置ですが、公共施設の小ホールや福祉事業所の敷地内といった小規模から、わがマチの500人収容の文化会館といった大規模まで、大小さまざまな会場で演奏経験があります。ライヴハウスにも1回だけ出演しました。

現在では知名度も上がり、手前味噌で恐縮ですがそれなりにお客さん(オーディエンス)に喜んでいただいているところですが、1回だけ「しくじったな」という経験があります。

その経験は結成1年目、文化の日のとあるイベントに参加したときのコトでした。当時のメンバーは僕と同じくロックバンドのコピーが好きだったコトもあり、バリバリの正統派ロックを選曲して披露したのですが、年配者が多く集まる会場では完全に浮いた状況に。

僕が好きな曲が中心だったので充分に楽しめたのですが、「なんかビミョーな空気?」とは感じていました。案の定、よく足を運んで下さっていた方から「ちょっとアレはないよ」と苦言が。

僕らの盛り上がりにすっかり追いて行かれた感じで、ポカンとした表情を浮かべていたお客さんの顔が今でも忘れられません。完全に選曲ミスでした。

もちろん僕らの演奏を聴くだけのために足を運んでいたワケではありませんし(1日のうちに様々なイベントが開催された中での30分でした)、「アマチュアバンドが好きな曲をコピーして何が悪いんですか?」といえなくはありません。

しかしながら、やはりライヴでステージに立つ以上、オーディエンスが僕らの演奏に興奮し、盛り上がり、自然に手拍子や拳を振り上げ、一緒に歌い、喜んで下さる様子を目の当たりにしながら、音楽の楽しさを共有できてこそのバンド活動です。

やはりオーディエンスがいる以上は絶対に楽しんでもらいたい。この失敗を経て、僕らメンバーの心にその思いが強く刻み付けられる好機となったのであります。

 

コピーバンド向け・ライヴで客を味方につけるための心得

客が盛り上がるかどうかは選曲次第

オリジナルの曲で勝負する実力派バンドは決してこの限りではありませんが、僕らのようなコピーバンドの場合、ハッキリ言って、客が盛り上がるかどうかはコピー曲として何を選ぶかで決まってしまいます。

すなわち、個々のお客さんの多くが「この曲イイね、好き!」と思っているコピー曲を選ぶコトが最も重要であります。演奏力など二の次でして、多少ヘタだろうが本番でミスしようが、オーディエンスが盛り上がってしまえば些末な問題になります。

そこで今回は、コピーする曲を選ぶ際の心得や注意点について下記に綴りたいと思います。

イベントの趣旨や客層などを考慮した上で選曲する

ある意味、練習以上にメンバーの頭を悩ませるのが「次、何やる?」という選曲の問題であります。民主的に、それぞれのメンバーがやりたい曲を出し合い、バンドスコアが入手できるか否かを確認した上で選曲していきますが、いくつかの約束ごとがあります。

例えば、難易度的にムリはないかとか、きちんとライヴで演奏できる曲かといったバンドの実力に見合ったコピー曲かを判断しますが、僕以外は腕利きなので、僕さえ演奏可能であればたいていのコピーが可能なのは心強い点です。

そのため、難易度はそれほど考慮せずに済むのですが、どの曲を選べば客ウケがイイかについてはトコトン悩みます。

判断基準の1つ目となるのは、そのイベントの趣旨や、そのイベントに集まるのが想定される客層です。例えば、障害福祉サービス提供事業所の夏祭りで呼ばれる場合、そこに集まるのは利用者とその家族となります。

障害児を対象としている事業所であれば未就学児や学童生徒、そして僕らと同年代と思われる両親が中心となりますので、メタルや演歌というワケにはいきません。アニメの主題歌やちびっ子向けの人気番組で流れている曲、両親向けに90年代以降の人気曲から選びます。

逆に、かつて選曲で手痛い失敗をしたイベントでは往年の演歌、ほんのちょっとパンチを利かせたロック調にアレンジした「天城越え」や、弾き語りバージョンの「川の流れのように」などを演奏していれば、おそらく大成功を収めていたハズです。

以上、イベントの趣旨や客層を充分に考慮し、その上でコピー曲を選ぶのがオーディエンスを味方につける第一歩であります。

1曲だろうが数曲だろうが、誰もが知っている定番の人気曲から選ぶ

地元の楽器店などが主催するコンテストなどでは1バンドにつき1曲というのが定番ですが、通常、1バンドにつき15~30分という持ち時間が与えられるイベントがほとんどだと思います。

そうなると1回のステージで最低4~5曲、突然のアンコール対策で予備にもう1曲という準備を行うコトになります。イベントの趣旨や客層を考慮して数曲選ぶというのも実は悩みどころ。

何度も場数を踏んでいくうちに、「うちのバンドでコレやってもしっくりこないな」とか「たぶん、コレはウケるよ絶対に」といった算段がつくようになってきます。

また、僕らのバンドのようにヴォーカルが複数いて「当日に集まれるメンバーは誰と誰」といった限定下で選曲しなければならない場合、さらに選択肢が増えるコトになって悩ましいもの。

同じ女性ヴォーカルでも複数集まれば声質によって選曲は異なってきますし、「これだけ集まったんだからハモりやろう!」というヴォーカルの幅も広がります。

そこそこウデが立ち、ヴォーカルも各自ともメインを張れるほどの歌唱力があれば選曲の選択肢がまたさらに広がってしまうのですが、僕らのバンドでは、曲をヴォーカルに合わせるのではなく、ヴォーカルに曲を合わせてもらうコトにしています。

場合によってはキーの変更でアレンジが変わるため、僕にも相応の負担がかかるのですが。

少々話がそれてしまいましたが、選曲に悩んだ場合はとりあえず定番の超人気曲から選ぶのが正解です。

僕らの場合を例にしますと、まず1曲目は「夢をかなえてドラえもん」を演奏します。

正直なところ、少々飽きがくるほど何度も繰り返していますが、この曲だけは絶対にハズレなし。特に、ちびっ子の前で演奏した場合、100%の確率でウケます。そのあとの空気の温かいコトといったら。僕らも1曲目の緊張を乗り切るコトができて一石二鳥です。

また、女性ヴォーカルにとっては少々キーが低くて歌いづらさがあるとのコトでキー変更してまで演奏するバンドの1つにSpitz(スピッツ)があります。

これまでに、「ロビンソン」「楓」「チェリー」「空も飛べるはず」など、数々の名曲のコピーをしてきましたが、どの曲も必ずオーディエンスのココロを掴むコトができています。

なお、Superflyさんが秦基博さんと「楓」、aikoさんが「チェリー」をカヴァーするなど、Spitzの名曲を歌うプロの女性アーティストも多いですが、いずれもキーを上げてアレンジしています。

人気曲からコピー曲を選ぶ、もうひとつのメリット

もうひとつ、人気曲をコピーする上で大きなアドバンテージとなるメリットはバンドスコアを入手しやすいというコトです。

最近、リンドバーグの「今すぐkiss me」をコピーして客ウケが良かったのですが、次にやりたいと思った「Little Wing」は残念ながらスコアを入手するコトができそうになく、耳コピできる自信もないので諦めました。

冒頭でご紹介したX専門のコピーバンドであれば、高額かつ分厚いバンドスコアを買う価値がありますが、僕らのようにジャンルを問わずにコピーしているバンドでは費用対効果が悪すぎます。

そこでオススメなのが、例えば年代ごとに人気曲を集めたバンドスコアです。誰もが知る人気曲が収録されているので1冊あたり少なくとも3~4曲は選べると思います。