ロックバンドにこそコピーしてもらいたい「昭和の歌謡曲」

ロックバンドにこそコピーしてもらいたい「昭和の歌謡曲」

古くても決してダサくはない名曲の数々~最高にクールなバンド演奏が愉しめる

僕が所属しているバンドは障害福祉に携わるメンバーを中心に結成されたアマチュアバンドですが、メンバーは男女混成かつ年齢層も30代から50代と幅広いコトもあり、あらゆるジャンルのコピーをしてきた経緯は当ブログで何度かご紹介してきました。

その中で特にバンドメンバーで人気があるのは年齢層を逆算して多感なティーンエイジに流行った90年代の名曲の数々なのですが(僕でいえば大学を卒業して社会人になって数年あたり)、演奏を披露する年齢層を逆算し、昭和の名曲をコピーする機会が多くなりました。

平成の世が到来する前、僕が十代を過ごした頃の歌謡曲といえば、生中継によるバンド演奏こそが常識でした。収録でない一発本番の歌番組はごく少数、今や生演奏は紅白歌合戦やレコード大賞といった年末の風物詩も同然であります。

正直なところ、昭和の歌謡曲といえば「古い」「ダサい」という残念なレッテルを貼られるコトが決して少なくありません。かくいう僕もそう思っていました。

ところが、そうした昭和の名曲を歌いたいという女性ヴォーカル担当がいくつか「コレやりたいんだけど」と提案された曲を実際にやってみると「イヤイヤ、コレって超クールじゃん!?」などと年甲斐もなく驚いてしまう次第。

それもそのハズ、生バンドが演奏するコトを想定して作曲ならびに編曲された曲なのだから、それぞれのパートがキッチリ、演奏できれば本当に気持ちよく楽器を鳴らせるワケであります。

 

意外や意外、若者やチビッ子にもウケてもらえる昭和の名曲たち

昭和の歌謡曲を取り上げれば、当然ですが、僕の年代あるいはそれよりも年配の皆さんには非常にウケます。僕らのようなコピーバンドにとって、知名度が高い人気曲を演奏するのは、お客さんを盛り上げる最高のスパイスになります。

以下、実際に練習で試して「コレはイケる!」と手応えを感じた昭和の歌謡曲をご紹介します。

ゴダイゴ「ガンダーラ」

実際にライヴで披露した後日、年配者への充分な手応えを感じた以上に「チビッ子にウケてた」と教えられて驚いたのが、ゴダイゴの「ガンダーラ」でした。

この曲は堺正章さんが主演の孫悟空を務めた「西遊記」の主題曲です。後にSMAPの香取さんがフジテレビのドラマで孫悟空を演じ、のちに映画化されるほどの大ヒットを飛ばしたのは皆さんもご存じかと思います。僕もすべて視聴しました。

不可思議な歌詞と国籍不明なオリエンタルテイスト満点のイントロ、現代的なサウンドメイクでは絶対に成立しない、そして古き良き時代の生バンドでしか成立しない名曲であります。

いちど聴いたらいつまでも耳に残る独特な名曲ですが、その何ともいえない妙味がチビッ子たちに響いたのでしょうか。まさかチビッ子にウケるとは思ってもみませんでした。

ザ・タイマーズ「デイ・ドリーム・ビリーバー」

オリジナルは1960年代に人気を博したアメリカのポップ・ロックバンド「モンキーズ」の曲ですが、「セブンイレブンのコマーシャルで日本語版のテーマ曲として使われている曲」といわれればすぐにピンとくるコトでしょう。

RCサクセションの忌野清志郎さんと「よく似ている」人物ZERRYさんが率いる4人組の覆面バンド「ザ・タイマーズ」が日本語でアレンジした曲ですが、その詳細は不明としても歌のサビ、「ずっと夢を見て 幸せだったな 僕は」の歌詞はあまりにも有名です。

知名度が高いというコトがいかに客に盛り上がってもらえるかが判る曲ですし、ドラム・ベース・ギターという最低限のスリーピースバンドでも成立します。スリーピースで演奏する場合、あえてエレキギターではなくエレアコを使い、弾き語りっぽく演奏するのもクールです。

なお、以前にRCサクセションの「雨上がりの夜空に」もコピーしたコトがありまして、客ウケが良かったです。ただし、その際はサックスにゲスト出演してもらってのライヴでして、サックスのソロが絡んでこその「雨上がりの夜空に」だなと思った次第です。

久保田早紀「異邦人」

「ガンダーラ」のソレとは別なオリエンタルテイスト満点のメロディラインに乗せられたキレイなソプラノが印象的な名曲の1つです。

僕らのバンドではTAK MATSUMOTO featuring ZARDこと、松本孝弘さんがカヴァーし坂井泉水さんが歌ったバージョンでコピーしましたが、とても再現できません。12連符や14連符といった信じられない採譜の連続でして、まさに技巧派の松本さんならではの高難易度。

久保田さんや坂井さんのような伸びやかな高音域が出る女性ヴォーカルにオススメの曲です。

石川さゆり「天城越え」

恐らく、日本人で知らないヒトはいないであろうと思われる演歌の定番です。まだ未公開ですが、「絶対に高齢者にはウケるハズ」と想定し、いずれ高齢者施設の慰問で存分に披露しようと密かに練習中です。

和楽器を主体とし、動と静を織り交ぜたオンナの情念を歌う演歌ですが、実はディストーションをバリバリに効かせたエレキギターと非常に相性が良い曲でもあります。

アンプで喩えるなら、マーシャルのようにチリチリ焦げつくワイルドな歪みではなく、ヒュース&ケトナーのようなシルキーな歪みが向いています。

ゲイン(歪み)を高めにセッティングしても違和感なく演奏できますが、チョーキングを駆使し、存分に「泣きのギター」を弾けるかどうかがポイントになります。

なお、難易度は低めで、エレキギターはスコアがなくとも耳コピで充分に再現できる曲なのですが、バンドで音を合わせるのが非常に難しい曲ですので、充分に数をこなす必要があります。

特にタイミングが取りづらいのは「あなたと越えたい 天城越え」のところです。

ヴォーカルが「天城越え」とタメをつくるあの瞬間、行間が完全に無音になるため、ドラムなどで一定のリズムが取れないのです。ヴォーカルのタイミングにバックバンドがピッタリ合わせられるかどうかが成否のポイントになります。