ライヴで魅せる! ギタリスト必須のステージアクション

ライヴで魅せる! ギタリスト必須のステージアクション

こじんまりしたライヴハウスで超絶技巧を披露するのもギタリストの醍醐味ですが、可動域が確保できるステージに立つのであれば、派手なステージアクションを取り入れたいものです。

ギターに燃料を垂らして火をつけて燃やしたり、ギターを振り回してアンプを破壊しまくるジミ・ヘンドリックスや、ギターに火薬を仕込み、回転しながら火花をスパークさせるB‘zの松本さんのような過激なプレイもありますが、アマチュアでマネをすれば即出禁となります。

そこで今回は、あくまでも良い子のお手本となる範囲にとどめ、「これぞバンドの花形」と思ってもらえるギタリストのステージアクションについて綴りたいと思います。

 

ヴォーカルを引き立てつつ、バンドの花形としてステージを盛り上げるために

超絶技巧を繰り出すほどステージ映えしない? ギタリストの悲しい矛盾

技巧派のロックバンドで存分に弾きまくりたいギタリストが知っておくべきなのは、自分としてはハデなプレイと思っていても、オーディエンスにはそうでもないとしか思われないアクションと、大したコトはしていないがステージで映えるアクションの違いです。

例えば、親日派の超絶ロックギタリストのひとり、ポール・ギルバートがギターソロで超高速かつ正確無比なタッピングやライトハンド(通常はピックで弾く側の指先で、指板のハイフレット側をピアノのように叩いて音を出すテクニック)を披露したとします。

ギターキッズは羨望と驚愕でその様子に釘付けになりますが、ギターなど触ったコトもないというお客さんには「まるでピアノを弾いてるみたい」くらいの印象でしょう。残念ながら、真の凄さを知るコトができるのはギタリストだけです。

ところが、「 Daddy, Brother, Lover, Little Boy (The Electric Drill Song)」のギターソロはどうでしょうか。度肝を抜かれるハズです。ギターソロの前半は超絶技巧の速弾きですが、後半はなんとマキタのドリルを使って弦を弾くのです。

原理としては、ドリル刃の先端にピックを取りつけて回転させ、その先端でピッキングするのです。ドリルのモーター音もピックアップが拾うので、見た目もサウンドも迫力満点になります。

ところが、演奏の難易度でいえば前半の速弾きの方がはるかに難しい。ドリルの扱いは練習が必要でしょうが、弦を押さえる側の運指は初心者レベル、単純そのものです。

演奏の難易度を下げてでも「弾く」以外の動きを取り入れる

このように、ステージアクションの要諦は「弾く」以外の動きをいかに取り入れるコトができるかにかかっているといえます。その意味でぜひ参考にしてもらいたいギタリストの代表格は布袋寅泰さんでしょう。

布袋さんはBOOWY時代から現在に至るまで、とにかく踊って動けるステージアクションを徹底的に追及されておられます。

伝説のライヴ「CASE OF BOOWY」のライヴビデオでは縦横無尽にステージを前後左右に走り抜ける布袋さんを存分に堪能できます。上下に飛んで跳ね、軽やかなステップで踊り、ステージ屋上への階段を一気に駆け上がる。弾く以外の挙動を封印するベーシスト松井さんとは対照的に。

では、なぜ布袋さんがここまで激しく動き回れるのかといいますと、それはステージアクションの比率を上げるためにソロの難易度をあえて下げているからであります。恐らく、動きながら弾けるアレンジを意識しておられたと見ています。

例えば「WORKING MAN」「BABY ACTION」「Dreamn´」のギターソロは単純フレーズの繰り返しが効果的に使われています。コレなら走りながら指板を抑える側の指先だけでプレイできます。ステージアクションで魅せながらソロを弾ける最高のアレンジです。

さすがの布袋さんも曲によっては演奏に集中して動きを止める場面もありますが、つねに技巧よりも動きながら弾けるアレンジを意識している点を学ばせていただきました。

コピーバンドで選曲する際、バラードや弾き語りであれば別ですが、アップテンポのポップな曲を選ぶ際は、ギターソロの難易度が低めで、ステージで自由に動ける曲から選ぶようにしましょう。絶対にその方が盛り上がりますし、オーディエンスから支持されます。

とはいえ、ライヴ本番でステージの花道を颯爽と駆け抜けたり華麗にスピンしたりするなど、そのようなハデな動きは事前練習もなしにいきなりできるハズもありません。

まずは後述のワイヤレスシステムを導入し、練習場の中を歩きながら弾く練習から始めましょう。それだけでも最初は戸惑うハズです。メンバーや楽器との距離を測りつつ足場を確認する。まずはそこから始めます。

ギターソロで一歩前に出て、それ以外の場面では一歩引く

バンドの方向性やメンバーの考え方によっては、以上の考え方だけを押し通すワケにもいかない。あるいは「やっぱり速弾きをやりたい」というウデに覚えがある技巧派だっている。幸い、ツインギターで他のメンバーもみんな腕利き揃い、X JAPANの「紅」やるかという話もある。

このような場合、ギターソロで布袋さんのようなステージアクションなど望めません。弾くコトに集中せざるを得ず、必ず動きが止まります。実際、ユニゾンでハモるギターソロではHIDEさんもPATAさんも完全に静止しています。

しかしながら、演奏に集中せざるを得ないギターソロであってもステージアクションで魅せるコトは可能です。特に、ツインギターで個別にギターソロを弾き分ける際は有効な手段が。

それは他でもない、「ギターソロ直前で一歩前に出る」というステージアクションであります。

たったコレだけの動きなのですが、やらないよりはやった方が絶対にステージ映えします。大した影響はないだろうと演奏する側は思うかも知れませんが、客から見れば全然違うからです。

ギターソロ直前、一歩前に出る。公会堂クラスの奥行きがあるステージであれば2~3歩前に出る。これも立派なステージアクションです。「おっ、何か始まるな」と、オーディエンスの意識と視線を瞬時に集めるコトができるからです。

自主練習とバンド練習を積み重ね、リハーサルでしっかりサウンドメイクをしたディストーションをかけて、いざギターソロへ突入。ノーミスかどうかは神のみぞ知る。とにかく最後まで弾き切り、ヴォーカルが歌い出す直前で元のポジションに下がる。

ツインギターの場合は2人同時に踏み出す場合と1人ずつ前後する場合の2パターンが使えるので、その分バリエーションが広がります。

その場合、重要になるのは、ギタリスト同士の入念な打ち合わせとステージアクションの事前練習です。というもの、たかがコレだけの動きではありますが緊張と想定外のトラブルに見舞われがちな本番では、練習どおりの動きができないからです。

また、一歩前に出るコトによってオーディエンスの視線が一気に集中するのは、ギタリスト本人が一番よく判っています。たとえ演奏に集中するために指板に視線を落としたとしても肌感覚で痛いほど知覚できる。つまり、とんでもなく緊張するのです。

僕もつい調子に乗ってギターソロで一歩前に出るコトがあるのですが、プレッシャーのあまり自滅するコトが少なくありません。演奏力に対する絶対的自信がない限り、ギターソロで一歩前に出るのは相当な勇気を振り絞るコトになります。

 

ステージアクション必須アイテム・ワイヤレスシステムについて

ステージアクションの要諦は「弾く」以外の動きであると冒頭から繰り返していますが、別な表現をするならば「足を使う」と換言するコトもできます。つまり、とにかくステージ上を前後左右に歩いたり走ったりするのがステージ映えするギタリストの動きです。

そうなれば、普段の練習で使う機会はあまりないでしょうが、ワイヤレスシステムが必要不可欠なツールとなります。ギターシールドは高音質と確実な出力を保証するツールである一方、ステージアクションにとっては邪魔な存在になるからです。

僕もステージではワイヤレスシステムを活用するひとりですが、ギターシールドという足枷がなくなった状態での弾きやすさは、まさに筆舌に尽くしがたいものがあります。

導入前は心配だった音質や出力面についても、実際に使ってみれば杞憂に終わるコトに。とにかくクリアですし、10メートル程度であれば音が途切れるコトなど皆無でした。ギターに取り付ける送信機の電源さえ確保していれば何の心配もありません。

そもそも高価なワイヤレスだが、ケチらず「安心」を買うべき

ちなみに、僕が使用しているのはLINE6の「RELAY G30」というワイヤレスシステムです。

ネットでのレヴューが高評価だったのと安価だったコトから購入したのですが、音質や出力面での使い勝手には全く不満はありません。ただし、レヴューでマイナス評価されていた、送信機の電池ボックスの精度の低さだけはいただけません。

不満な点が2つありまして、まずは電池ボックスの蓋が非常にチープな造りで、少し浮いた状態で留め具が装着され、ピッタリと閉まりません。また、使用中に蓋が外れ、挿入していた単三乾電池2本が飛び出すトラブルも少なくありません。

このトラブルに対処するには、蓋をマジックテープバンドでグルグル巻きにして固定するか、僕のようにセロハンテープを常備して貼り付けるなどの対策を講じるしかありません。

もう1つの不満な点は、電池ボックス底面にある電極の接触トラブルです。プラス・マイナス極と接触する金属パーツがすぐに折れ曲がってしまい、接触不良が何度も起こってスイッチが入らないという困った現象が何度も起こるのです。

このトラブルに対処するには細身のドライバーなどを使って、折れ曲がった電極の接触個所を引き起こして正しく接触するようリセットするしかありません。そのたびにヒヤヒヤさせられますし、そのうち金属疲労でパーツがちぎれてしまうのではないかと心配はつきません。

数あるワイヤレスシステムで12,000円台と安価かつ音質面では充分に使い物になるG30ですが、安物買いの銭失い的な電源部のチープさは困りもの。ワイヤレスシステムの入門機としては充分にオススメですが、こうしたマイナス面を踏まえた上でご検討ください。

一方、僕としては今後、安心してステージで使えるよう、いずれは信頼性が高い高価なシステムに買い換えなければならないかなと考えている次第です。