基本報酬の大幅ダウン~この死活問題をいかに打破するか?

基本報酬の大幅ダウン~この死活問題をいかに打破するか?

障害者総合支援法の改正後、制度が施行されてから不変だった基本報酬が大幅な減額になりました。先月分までは旧体系で請求できていた計画相談支援給付費がついに新体系に完全移行するコトになり、その第一弾の試算で想像を絶する数字が弾き出されたのでした。

新体系では基本報酬が大幅な減額となるが、原則として6ヶ月に1回だったモニタリングを3ヶ月に1回の頻度で認める件や(ただし、原則として指定サービスに限る)、加算が可能な項目を新設した件を挙げ、総額では改正前よりも収益が上がると国は力説します。

ところが実際には「加算できるようで加算できない?」と皮肉のひとつでも言いたくなるような、絵に描いた餅としか思えない加算が少なくないというコトに請求寸前で思い知らされ、暗澹とする障害者ケアマネは僕だけでなかったと思います。

 

どう考えても、やはり痛すぎる基本報酬の大幅な減額

当ブログで以前、僕の事例をもとに詳しく計画相談支援給付費について取り上げたコトがありますが、つい先月までサービス等利用計画の新規作成あるいは更新であれば16,460円、モニタリングであれば13,450円が請求できました。

なお、僕の場合は基本報酬+行動障害支援体制加算が基本額となりますので、1件につき350円の加算が認められています。これらの積算根拠など詳細につきましては、下記リンクをご参考にしていただければ幸いであります。

〔参考記事〕 一部の例外を除き、高収入は期待できない社会福祉士の収入→コチラ

ところが、新体系に移行しますと、それぞれ14,930円、12,420円まで減額されてしまいます。

ちなみに直近の実施件数は、新規作成8件、モニタリング16件でした。これが旧体系であれば、合計で346,880円が請求できるところですが、新体系では318,160円。28,720円も差し引きされてしまうコトになるのです。

期待していた初回加算はほとんど対象外に

旧体系で請求が認められていなかった各種加算の中に「初回加算」というものがあります。単位は300、すなわち1件につき3,000円の上乗せになるのです。

ところが、請求前に初回加算についての解説を熟読したところ、想定外の現実が発覚。初回加算の請求が認められるのは、障害福祉サービス及び地域相談支援の利用が6ヶ月未満の者に限られるというのです。つまり、半年以上にわたってサービスを利用している相談者は対象外。

幸い、僕が計画相談支援を導入するコトになったのがサービスを利用して2ヶ月目という相談者が1名のみ該当していたので、今回は3,000円を加算させていただくコトができました。それでも、大幅な基本報酬の減額分を考えれば焼け石に水といったところであります。

新しく事業所を立ち上げて以来、これまで担当ケアマネがついておらず、セルフプランでサービス等利用計画を作成していた新規相談者に対する計画相談支援を導入してきた僕にとっては本当に想定外の痛手でした。

「なら、初回加算が認められる新規相談者を担当すれば良いではないか」という話になりますが、それはそれで非常にリスキーな賭けに出るという側面があります。

つまり、担当相談者が障害福祉サービスを利用するコトが確定してはじめて給付費が請求できるのであって、「やっぱ利用すんのやめた」となっては収益が得られません。それまでの時間と労力を考えれば、むしろ大幅なマイナスであります。実際にこれまで2件ほどありました。

巨大法人の資本力あるいは行政からの委託費といった財源を確保していれば上記の事情も止むを得ないと損失補填してもらえるでしょうが、今の財源は僕自身が稼ぎ出す給付費のみ。確実に収益が得られる仕事しか手掛けるコトができないのです。

その意味では、長年にわたって安定してサービスを利用している新規相談者との利用契約が比重を占めるコトにならざるを得ません。つまり、現在のビジネススタイルを貫く限り、初回加算を請求できる可能性は限りなく低いのです。

安定した財源になり得るのは、サービス提供時モニタリング加算くらい

相談者のライフステージに寄り添うように新設された各種加算ですが、残念ながらコンスタントに請求できる類のものではありません。

例えば入院時情報連携加算や退院・退所加算。これらはそういった状況でなければ請求できません。居宅介護支援事業所等連携加算は相談者が65歳になって要介護認定で介護度がつかなければ請求できないし、モニタリングのために加算対象となるサービス担当者会議などやってられない。

他にもいくつかの加算が新設されていますが、僕の仕事のやり方では請求が認められない加算の方がはるかに多く、要医療児者支援体制加算や精神障害者支援体制加算にいたっては、僕がそれらの資格をもっていないのでハナから非該当となります。

このように、基本報酬が大幅に減額された上、頼みの各種加算がほとんどアテにできないとなれば、あとは数をこなしてオーヴァーワークに徹するか、確実に請求可能な加算を地道にゲットするしかありません。

前者については月30件前後で推移するのが精いっぱいですが、後者については「サービス提供時モニタリング加算」を1件でも多く請求するコトが現実的であります。

サービス提供時モニタリング加算とは、「サービス等利用計画等に位置づけた福祉サービス事業所等を訪問し、サー ビス提供場面を直接確認し、結果の記録を作成した場合に加算」できるものであります。

具体的には、例えば僕が担当する相談者の自宅を訪問し、ホームヘルパーが部屋の掃除をしている様子や調理をしている様子を視察したり、相談者が通所している時間帯に福祉就労所を訪問して、相談者が作業に取り組んでいる様子を視察したりして記録を作成すれば請求可能となります。

計画相談支援における様式3-1号、モニタリング報告書とは別途、国指定による所定様式があり、その様式に必要事項を記載して行政へ提出するコトが請求要件です。月の上限が設定されており、障害者ケアマネ1名あたり39名を超過しないコトも要件です。

この加算のメリットは、とにかく実際に障害福祉サービスを利用している様子をじかに視察すれば毎月モニタリングであっても請求が認められるコト、モニタリング実施月でなくとも(すなわち、基本報酬請求月でなくても)請求が認められるコトであります。

実際、先々月は予定よりも新規利用者が少なかったコトもあり、時間に余裕があったのでその分を現地視察に充ててサービス提供時モニタリング加算に該当する業務を数多くこなしました。なお、制度上は1件につき1,000円、確か8,000~9,000円くらい加算できたと思います。

 

国が定めた制度を逆手に取り、いかに合法的に収益を上げるか

今月の請求は25件もこなしたのに、先々月の20件とほぼ同額しか収益が上げられないコトが判明しており、試算を弾き出して以来、ガッカリうなだれてしまっているところであります。

「モニタリング加算を取るために地道にコツコツと」といえば聞こえは良いですが、こまめに視察して加算を稼ぐというのは我ながら何ともセコい手だなと思わなくはありません。

しかしながら合法的な手段である以上、恥じる必要はまったくありません。視察先からは「いや、ゼロさんって、ホントに丁寧に仕事してくれますよね」と想定外の感心をしてもらえます。

僕以外の障害者ケアマネも全く同じ条件下で生き残りをかけて日々の業務に邁進しているワケですから、泣き言などいっていられません。

障害者ケアマネに限った話ではありませんが、収益を上げるためには2つの選択肢しかありません。より多くの仕事を手掛けるコトによって正当な手段で収益を上げるか。それとも、非合法な手段によって不正に収益を上げるか。この2択です。

あえて断言するまでもありませんが、僕が狙うのは当然ですが前者です。薄利多売といえば聞こえが良くないですが、合法的に請求が認められた手段を講じ、あとはプロのケアマネとしての実力で収益を上げ続ける。後ろ指をさされるような人生なんかまっぴらゴメンだと思う次第です。

障害福祉における専門知識、経験に裏打ちされた個別支援の技法、スピーディかつ正確な事務処理能力など、障害者ケアマネが備えるべき基本スペックは非常に高いものがもとめられます。一方で、決して報酬に恵まれているワケではない。

こうした事情から収益を上げるコトが難しいといわれる計画相談支援ですが、まったく望みがないワケではありません。実際、僕は開業3ヶ月で黒字に転換してやるという目標を掲げ、その目標を達成するコトができました。それ以来、赤字を出した月は1回もありません。

この業界を知るヒトたちからは一笑に付されるかも知れませんが、僕はそう遠くない未来、前職を超える年収を叩き出してやると、独り静かに闘志をみなぎらせているところであります。

正当な手段を行使し、合法的に仕事をこなしてキッチリ結果を出す。収益と称賛、どちらも得る。なんとエキサイティングなコトではありませんか。

〔訂正とお詫び〕

初回加算の算定要件について担当課に確認したところ、①新規でサービス等利用計画を作成する場合、②前6ヶ月において障害福祉サービス及び地域相談支援を利用していない場合、①②のいずれかに該当していれば算定可能との回答をいただきました。

事実誤認がありましたことにつきまして、ここに訂正とお詫びを申し上げます。