エレキギター、ピッチ系エフェクターを使ったユニゾン風アレンジ

エレキギター、ピッチ系エフェクターを使ったユニゾン風アレンジ

前回のブログで、バンドにおけるツインギターならではのバリエーションの広さや、ギタリストが2人いるコトによってもたらされる相乗効果の数々について綴りました。

〔参考記事〕 「ツインギターはバンドの二枚看板~その魅力に迫る」→コチラ

では、ギタリストが1人のみというロックバンドではどうなのかという話ですが、アルバムならば複数のエレキギターを重ねて録音するコトができますが、ステージでの再現は不可能です。何せ、ギタリストは1人しかいないのですから。

自分以外のサポートギタリストに弾いてもらえば再現できますが、オリジナルメンバーでの演奏にこだわるロックバンドであれば、アルバム収録されたいずれかのパートをアレンジして演奏しています。ラルクのkenさんはその1人です。

ところがユニゾンによるギターソロやリフなどに限定するのであれば、疑似的にユニゾンの効果を再現できるピッチ系と呼ばれる特殊なエフェクターを使用すれば、ツインギターでなくてもライヴで演奏するコトが可能になります。

 

ピッチ系エフェクターでユニゾン風アレンジを再現するには

ピッチ系の2大エフェクター、オクターバーとピッチシフター

特殊とはいってもプロ限定の高価な機材というワケではなく、通常のコンパクトエフェクターから購入することができます。ピッチ系エフェクターで代表的なのはBOSS製の「オクターバー」と「ピッチシフター」が有名です。

オクターバーとは、原音を1オクターブ上下させる効果をもたらすエフェクターです。音の厚みをつけたり、教会のパイプオルガン的な効果を発揮させたりするコトができます。

一方、ピッチシフターとは音の高さを自由に変換できるエフェクターで、例えば1オクターブまで上げず、適宜の音階で同じメロディラインをハモらせたいという場合に威力を発揮します。

ピッチシフターはその高機能かつ多機能性から通常のコンパクトエフェクターの中でも高価ですが、1オクターブ上下させるコトしかできないオクターバーよりは使い勝手がよいです。

オクターバーは、ギターソロに厚みを持たせたり、独特な響きを持たせたりするなどの目的に限定して使うのが良いでしょう。ピッチシフターのように多機能すぎて使いこなせないといった混乱をしなくても済みます。

話を元に戻し、布袋寅泰さんの曲で紹介しますと、BOOWY時代の切ないバラード「CLOUDY HEART」のギターソロと、COMPLEX時代のアップビートナンバー「恋を止めないで」のメインリフは、アルバムではユニゾンで収録されています。

ライヴでは布袋さんが単独で演奏されていますが、ハモらせる音階を正確にセッティングしておき、ピッチシフターをオンにすれば、1人でもユニゾン演奏ができます。

肝心なのは、どの音階にすればハモるのかという正確な把握です。実際にピッチシフターを使用し、鳴らしてみて音を確かめるか、あるいはバンドスコアから音階を把握すれば問題ありません。

「CLOUDY HEART」ギターソロ後半のユニゾンをピッチシフターで再現してみる

ピッチシフターは1度単位で音を操作するコトができます。例えばオクターバーは「ド」の原音に1オクターブ高いか低い「ド」の疑似音を重複させるだけですが、ピッチシフターは「ソ」や「ラ」などの音階を任意に調整できます。

ところで、この曲のギターソロは、前半が単独によるフレーズですが、後半はチョーキングを織り交ぜながら徐々に音階が上昇していくユニゾンのフレーズになっています。

ユニゾンの解釈についてですが、1オクターブ重ねるアプローチでも音の厚みが増しアクセントがつけられますが、ハモリの王道、主旋律に3度や5度を重ねたアプローチを再現してみましょう。

BOSSのピッチシフター、ハーモニスト(PS-6)のシフトノブを操作し、仮に3度上げなら原音プラス3でセッティングしてみましょう。コレだけでソレっぽいユニゾンを再現できます。

とはいえ、ライヴで最も自然に聴かせられるのはツインギターによるユニゾンです。エフェクターはあくまで電子的に処理した疑似音であり、原音とエフェクト音の比率を調整するバランスノブの調整次第によっては違和感を覚えるかも知れません。

それでも、ドラム・ベース・エレキギターというスリーピースで構成されたロックバンドですと、どうしても音数の少なさから一本調子になりがちです。特にギタリストは、こうした機材を有効に活用するコトによってアクセントをつけるのは有効なアプローチです。

 

特殊系エフェクターの取り扱いの極意は「さりげなく」

ただし、こうした特殊なエフェクターをあまり使いすぎると全体的にクドくなりますので、ソロの一部でオンにするなど、状況に応じて効果的な使い方をするのがコツです。

新しい機材を投入するとつい嬉しくなって多用しがちになりますが、これらピッチ系エフェクターやワウペダルといった特殊系を効果的に使いこなすための鉄則として心得ておくべき考え方は、「さりげなく」であります。

コンパクトエフェクターの中でも出番が多く、ステージでは踏みっぱなしとなる歪み系やコーラスなどのモジュレーション系とは違い、ここ一番の場面で使ってこその特殊系エフェクターです。

さりげなく、使いすぎにならないよう特殊系エフェクターを駆使し、バンドの個性やギタリストの独自性を演出するのも見せる(魅せる)楽しみ方の1つです。