見た目も機能も文句なし~G7TH(ジーセブンス)カポタスト

見た目も機能も文句なし~G7TH(ジーセブンス)カポタスト

そもそも「カポタスト」とは何か?

レギュラーチューニングでは弾きづらい(あるいは押さえづらい)ポジションとなるコード進行の曲を演奏する場合、オリジナルのキーを変換するコトによって一気に弾き易くなる場合があります。

また、男性アーティストの曲を女性ヴォーカルが歌う場合、キーが低すぎて歌いづらいという理由から、キーを1~2音ほど(エレキギターで2~4フレット分)高く変換する場合もあります。

エレキギターの場合、半音または1音キーを上げて演奏するのであれば、1または2フレット高く押さえて演奏すれば、それでキー変換となりますので、一見問題ないように思われます。ところが、ローコードで弾き語りをする場合、1つ問題が起こります。開放弦が使えないのです。

ローコードとは低い音域すなわちネック側のフレットを押さえて鳴らすコード(和音)で、例えばGコードは1弦・5弦・6弦を押さえ、2~4弦は一切触れずに鳴らします。つまり、Gコードは2~4弦を開放弦で鳴らすコトで成立する和音であります。

ところが、キーを変換するとレギュラーチューニングの開放弦では音程が低くなるため、コードを変換したらGコードの開放弦のみ音が低くなるため、コードとして成立しなくなります。

上記の例で説明しますと、Gコードをローコードで鳴らす場合、仮に半音キーを上げたとすれば、2~4弦は開放弦ではなく1フレットのポジションを押さえなければなりません。

しかしながら、人間の指の動きで「ローコードでGコードの開放弦を押さえる」コトは不可能です。1弦を薬指、5弦を中指、6弦を人差し指で押さえるので、直角に縦に曲がる第二の人差し指でも存在しない限り、2~4弦を押さえられるハズがないのです。

そのため、このような困った状況を解決するためのギターアクセサリーが開発されました。それをカポタストといいます。

「カポタスト」とはフィンガーボードを1~6弦で挟み込む道具であります。イメージとしては、「細長い洗濯バサミ」を想起してもらえたら判りやすいかと思います。

よくアコースティックギターで弾き語りする際に、ギタリストがローコードを押さえている手元に、ヘッド側のネックに何かが挟まっている場面を視聴したコトがあるヒトもいるかと思います。その何かがカポタストです。

カポタストの役割はキーを変換する際に、ネックに装着してすべての弦を押さえるコトによって、キーを高くしてしまうコトであります。半音上げでキー変換する場合は、1フレットのポジションに装着するコトになります。

上記のGコードを半音上げでキー変換した場合、レギュラーチューニングでは5弦を2フレット、1弦と6弦を3フレットで押さえますが、キーを変換後に押さえる場合は、それぞれ3フレットと4フレットを押さえるコトになります。

カポタストを装着せずに押さえる位置だけズラすと非常に気持ち悪い不協和音が響きわたりますが、装着して鳴らせば、実にキレイな半音上がりのコードを奏でるコトができるのです。

G7TH(ジーセブンス)カポタスト購入後のレビュー

これまで僕が使用してきたのは10年以上前、エレアコで弾き語りにハマっていた頃に購入した定価1,000円ちょっとの廉価版カポタストでした。

カポタストには洗濯バサミのようにスプリングの張力で挟むタイプとネジで圧力を調整するタイプがあるのですが、前者のタイプは大型なので邪魔になるし、圧力の微調整ができないので、支点をネジで調整して締め上げたり緩めたりするタイプを使用してきました。

バンドで女性ヴォーカルがSpitzの曲を歌う際、「ちょっとキーを上げてくれると歌いやすいんだよね」というコトでキー変換しながら演奏するコトはありましたが、1~2音程度のキー変換ならカポタストを使わずに演奏できました。

ところが、ローコードで開放弦を鳴らしながら弾き語りをする曲をコピーする場合はカポタストを使用した方が合理的です。そもそも、開放弦をポジション変換で対応するコトはできませんので。

今シーズンも障害福祉サービス提供事業所から出演依頼があり、事業所の所属法人あげての夏祭りで演奏させていただく予定なのですが、今回は知名度が高い流行曲の依頼を受けました。

その中にあったのが、絶対にカポタストを使用しなければならない米津玄師さんの名曲「lemon」でした。オリジナルキーはBですが、4フレットにカポタストを装着しGに変換して演奏します。

カポタストを使用しなくても弾き語りできますが、シャープやフラットのポジションが多くなり、普段使わないコードポジションを押さえなければならいので弾きづらくなるのです。

このたび、実に久しぶりですが僕が「lemon」のヴォーカルも引き受けるコトになったので、歌と演奏を両立させるためにも押さえやすいポジションで弾く必要に迫られたワケであります。

使用しているメンバーの推薦でG7TH製を購入

そんなワケで久しぶりにカポタストを使うコトになったのですが、アコースティックギター担当のメンバーが使っているカポタストにフト目が留まり、思わず意識を持っていかれました。あまりにクールなデザイン。思わず「どこのメーカー?」と聞いてしまいました。

「ああコレ、ジーセブンスっていうメーカー。イギリスの。ピッチが狂わないんだよね。ホントにイイよ。ゼロさんにもオススメ」との返答。翌日、速攻で楽器店へ行って購入しました。

値段もグレードもさまざまでしたが、そのメンバーが使っているのと似ているデザインのモデルを選びました。製品名は「G7th Newport 6string capo」、税込4,104円。カポタストにしては高価な価格設定でしたが、メンバーの推薦を信じて購入。

さっそく使ってみてのレビューですが、結論から一言申し上げますと期待以上のカポタストでした。理由は以下のとおりですが、高価格に見合う高スペック。自信を持ってオススメできます。

カタチも重要~思わず一目惚れさせられた曲線的な造形美

実物はネットや楽器店で確認してもらいたいのですが、僕が敢えて高いカポタストを買う気になったのかというと、このシンプルかつ流線形にまとめられた有機的デザインに惚れ込んでしまったからです。

かつて僕がハマっていた高級オーディオ、B&Wの傑作シリーズ「Nautilus」を彷彿とさせる秀逸なデザイン。どちらかというとギターの景観を損ないがちなカポタストをこれほどクールな造形にまとめたG7THの卓越した芸術センスは、ぜひとも特筆しておきたいと思います。

接触面には医療用シリコン採用、ギターに優しい仕様

楽器店の説明ポップでは、ネック裏側とフィンガーボード側の接触面には医療用のシリコンを採用しているとのコトでした。僕が実際に指先で触れてみた感想としては、一般的なシリコンに比べるとかなり硬いという印象を受けました。

それでも、柔らかすぎれば圧力に負けてめり込んでしまいますし、必要最低限の柔軟性は持たせているものと思われます。また、どちらの面も緩やかな曲線でカットされていますので、特定の部位に圧がかかる心配もないでしょう。

挟む圧力を自在に調整でき、その圧力のまま使用できる

すべて英語のパンフレットで説明がないも同然ですので、自信がない方は楽器店で使い方を教えてもらうか、使用方法が書かれたポップを一読しておくコトをオススメします。

それでも単純な構造で感覚的に使うコトができますので、すぐに使いこなすコトができるでしょう。脱着の操作ですが、可動部がネック裏側になりますので、ストッパーを親指だけで操作するコトができます。

まずはパッケージから取り出して、お手持ちにギターにG7THをパチンと装着してみましょう。恐らく固めのセッティングになっているハズですので、可動部にあるノブ(腕時計の竜頭を大きくしたようなデザイン)を回して圧力を調整します。

いったん圧力を設定すれば、その設定が固定されます。ネックの厚みが同じギターで使用する限り、以後のセッティング不要であります。かつて僕が使っていたタイプのように、脱着のたびにノブを回して締めつけたり外したりする手間が省けます。

ピッチが狂わないというセールスポイントですが、コレは各自の締めつけ具合で左右されるものと思われます。緩ければ音が濁りますし、キツ過ぎればネックを痛めます。最初に絶妙なバランスを模索しておく必要があります。

G7TH最大のウリ~ライヴで威力を発揮する使い勝手の良さ

その構造から、指板を押さえる側の片手だけで装着が可能ですし、適切なテンションで弦を固定し、装着も取り外しも瞬時にできるG7TH。特に強調したいのはライヴ派にオススメのカポタストというコトです。

シルバーでまとめられた有機的な造形美だけでなく、片手でワンタッチ、瞬時に脱着が可能という使いやすさやピッチが狂いづらいという信頼性の高さから、失敗が赦されない一発本番のステージでこそ威力を発揮するカポタストといえるでしょう。

ちなみにプロのミュージシャンもG7THを使用しており、メーカーのコメントでは、エリック・クラプトンの「Sessions For Robert J」のCD/DVDにおいて、G7TH製のカポタストが使われているというコトでした。

使用頻度はそう多くないものの、いったん使うとなれば、ピッチが狂わない相応のスペックや使い勝手の良さが保障されて然るべきカポダスト。各メーカーから多種多様なモデルがリリースされておりますが、G7THは手放しにオススメします。

サイフに痛い買物となりましたが、「価格以上にイイ買物ができた」と今は満足しています。