クライアントとの契約解除が不可避なケースについて

クライアントとの契約解除が不可避なケースについて

半独立型社会福祉士としてリスタートして早くも半年が経過し、契約件数は現時点において50件を超えました。障害福祉サービス受給者証の更新月に随時契約していくコトが確定している相談者を合わせたら60件に迫る勢いであります。

僕が障害福祉業界に戻ってきたコトを知った関係者からの打診が少しずつ増えていき、当初の契約件数の目標値70件は、事業所を開設して1年かからず達成できると思われます。

上司も部下もいない最高の環境下で、自由を存分に満喫しながら計画相談支援をやらせてもらっているコトから僕自身の精神衛生面においてもストレスフリーな毎日が続いておりました。

ところが、そうした中で障害者ケアマネの難しさに打ちのめされる事態がありました。すでに解決している案件ですが、僕のどこに問題があったのか、未だナゾのまま現在に至っております。

その相談者は「私は身体(障害)だから」と主張する統合失調症の50代女性でした。その相談者が通院している精神科病院の精神科ソーシャルワーカーから計画相談支援の導入について依頼を受け、そのワーカーと自宅訪問して利用契約に至りました。

ところが、サービス等利用計画案について本人の同意を得てサインをもらい、障害福祉課に提出したあたりから双方の信頼関係を著しく損なう事態が起こったのです。

 

間接的に寄せられた、障害者ケアマネへのクレームの数々

お得意さまでない依頼を受けた結果、思わぬ痛手を負うハメに

僕が作成したサービス等利用計画案に疑義があると、ナゼか僕ではなくサービス提供事業所が呼び出されてクレームを受けたと責任者から連絡がありました。すぐ本人に電話したのですが、すでに要件は伝えているからと取りつく島もない返答。

本人に連絡する前にサービス提供事業所がメモをしてくれた内容をファックスで受信していたので、そこに記載された内容で不明な個所を再確認させていただき、本人の指摘どおり修正を加えました。

実はその前日にも本人から「ここは違う」と基本情報への訂正を求める連絡がありました。非常に細かな指摘で、受診歴や生活歴に誤りがあるとの話でした。僕のミスで未記載だった箇所もあれば、サービス提供事業所からの情報提供書の誤りによる箇所もありました。

サービス提供事業所の責任者から、僕が受診歴や疾患名を誤ったのは当事業所の前任者が作成したフェイスシートの記載にミスがあったコトだと謝罪したと説明がありました。僕を庇ってくれたと判りましたが、本人の怒りの矛先は僕に向けられたカタチでした。

統合失調症を発病して職務中に持ち場を離れて翌朝に別室にこもっているところを発見された等、本人に都合がよろしくないエピソードには触れず(精神科病院の情報提供書で把握)、理路整然と受診歴を説明していたのですが、発言をもれなく記載しないと気が済まないヒトなのか。

しかしながら、サービス提供事業所の責任者が本人から聞かされたというクレームの内容や、翌日、精神科病院にも僕に対するクレームが寄せられたとの詳細を確認した結果、「残念ですが当事業所は貴殿との利用契約を解除させていただきます」と伝えざるを得ない顛末に。

結局、骨折り損のくたびれ儲けで終わってしまった今回の騒動。腑に落ちない心境ですが、あいにく今回の依頼者は僕が前職時代に一切かかわりがなかった精神科ソーシャルワーカーからのものでした。

決して僕自身の能力を過信していたワケではありませんし、せっかく僕の事業所に打診してくれた依頼を断るのも心苦しいからと、相手のクレーム気質を未確認のまま安請け合いしてしまったのが今回の反省でありました。

あれほど困難を伴わないケースのみ厳選して契約しようと誓ったハズなのに。うぬぼれていたとは思いませんが、ある種の油断があったコトだけは間違いありません。

以来、これまで以上に相談者やその家族の個人情報を入念に調査し、「これは後に同じような状況になるかも知れないな」と判断したケースは丁重にお断りするようになりました。

常軌を逸したクレームの応酬、原因不明な信頼関係の崩壊へ

本人から寄せられたクレームの内容はちょっと信じられないものでした。ひとつ釈明させてもらいますと、担当の精神科ソーシャルワーカーの説明では、精神状態が不調になるとそのような訴えが多発するとの話でした。

サービス提供事業所の責任者から「本人はゼロさんのコトを〔障害者ケアマネとしての仕事が全然できていない〕と言っていました」と報告がありました。その理由は、僕が様式に記載した単語を調べた上でのクレームとのコトでした。

基本情報という様式に「インテーク面談のため自宅訪問し、アセスメントに係るヒアリングを実施」といった記載があったのですが、「インテーク」「アセスメント」の単語を本人が自分で調べた。ところが、その意味を調べた結果、僕の仕事は全然なっちゃいないという訴えでした。

その相談者は一言多いヒトで、僕のキャリアについて訊ねられた際に返答した「過去300人の相談支援の仕事をしてきた」に、「300人の相談に乗ったと言っていたけど、ゼロさんは上っ面でしか仕事してない」などと皮肉っていたそうです。

その相談者の皮肉はまだまだ続くのですが、読まされる側が不愉快になる内容なので割愛します。

決定的だったのは、その相談者が訪問日の早朝、業務用の携帯宛てに一通の電子メールを送信してきた内容。「しばらく訪問をキャンセルしてほしい。心穏やかな日々を過ごしたいので!」と。

都合や体調によってキャンセルされるのは訪問日を変更すればイイだけの話なので別にかまわないのですが、最後の一言が決定的でした。ゼロが家に来られると心穏やかな日々を過ごせないと。

その相談者が僕を敵視しているのはもはや明白で、僕に対する皮肉と当てつけに他ならないものでした。そしてもうひとつ、信頼関係の完全崩壊を決定づけたのが、その前日にサービス提供事業所の責任者へ話していたという信じられない一言でした。

「ゼロさんと話していると、ゼロさんから〔闇〕を感じる」と聞かされたと。

契約の継続が困難と判断し、無念の契約解除へ

結論としては精神疾患の悪化によって僕に対する被害妄想が起こってしまったのか、それとも虫が好かないというか、僕に対する生理的嫌悪感を抱いて僕を支援者チームから排除したかったのか、そのいずれかによるものだったのでしょう。

さすがに「闇を感じる」とまで言われては、僕としてもその相談者との信頼関係の構築は不可能と判断せざるを得ません。法人スタッフに相談した結果、速攻で契約解除を薦めてきました。

「変に粘着されてトラブルに巻き込まれると困るから、ゼロさんのタイミングで契約を解除して。ゼロさんがしっかり仕事しているのは僕らも判っているから」

無念の途中放棄でしたが、法人スタッフからの承諾が得られたので、その相談者にはメールで返信しました。契約解除については上述したとおりの内容でした。結果、送信して1分もしないうちに速攻で返信がありました。「お世話になりました!」と。

自分から解任するとは言い出しづらかったのでしょうか。清々しいほどの即レスでした。

 

合わないクライアントとは絶対に合わない

このブログでは、僕のいいたいコトを一方的に綴っています。丁寧な言葉遣いで綴っているものの、内心で腸が煮え繰り返るほど感情的になるコトもありますし、僕自身の誤解や思い違いをしている場合もあるでしょう。

しかしながら、今回のケースを振り返ってみても、前職でも同様のケースがあったコトを考えても、障害者ケアマネが粉骨砕身の思いで相談者(クライアント)に向き合ったとしても、残念ながら、それが通用しないどころか逆恨みや謂れなきクレームを受けるコトがあります。

自分自身の至らなさがどのあたりにあったのか、トラブルの原因について徹底的に真相解明に尽力するコトは必要ですが、障害者ケアマネの過失がなくても発生してしまう不運なトラブルがまれにあります。

生理的嫌悪感を抱かせたまま契約を継続したところで、双方に過度のストレスが積み重なっていくだけの話であります。誰のためにもなりません。そのような場合は早々に見切りをつけ、お互いに次へ向かって進むべきであります。

この仕事を続けていく限り、まれに「合わないクライアントとは絶対に合わない」というケースもあるという現実を受け入れ、割り切れない思いをなるべく早い段階で割り切る姿勢もまた欠かせないものとなります。

担当させていただくコトになった相談者50人中、1人にダメ出しをされたとしても、残り49人が僕のコトを認めてくれるのであれば、それで良しとしなければゼイタクというものです。

最後に、今回のブログで登場した相談者が理想のケアマネと出会えるのを願うばかりであります。