サンバースト仕様から選ぶエレキギター

サンバースト仕様から選ぶエレキギター

サンバースト、定番だからこそ「これぞ!」という1本を選びたい

フェンダーのストラトキャスターやギブソンのレスポールの定番には「サンバースト」と呼ばれるというカラーリングがあります。

ピックアップが搭載されているボディ中心部は木目がクッキリ透けて見えるシースルーで、ボディサイドは濃く塗りつぶされ、中央のシースルー部分とソリッドカラーの境界線がグラデーションで処理されたカラーリングがサンバーストです。

10代だった頃、当時の流行りだったソリッドカラーの先鋭的ヘッド(現在でいえばアイバニーズのRGシリーズ)が好きだったせいか、オヤジっぽいと選択肢から完全に除外していたカラーリングでした。

ところが、一見どれも同じだと思っていたサンバーストですがモデルやシリーズによってさまざまな違いがあるコトを知り、レスポールモデルの自作にハマっていた頃は、専用の塗装具を使わずにサンバーストの色合いを再現するために苦心したものでした。

ストラトキャスターは膨大なサンバーストを含めて多数のカラーリングがリリースされていますが、レスポール・スタンダードの代名詞といえばサンバーストです。定番ではありますが、だからこそ汎用モデルの中から個性的な1本を探し出す楽しみもあります。

また、単に色合いだけではなく、あえてサンバースト仕様のモデルを選ぶ意義もあります。

 

あえてサンバースト仕様のエレキギターを選ぶ意義

誤魔化しが効かないので、より厳選されたボディ材を採用

ボディ材を完全に塗りつぶしてしまうソリッドカラーモデルは、その塗装の下でどのような素材が使われているか判りません。塗装を剥がしてみて、「仮面の下」が露わになってはじめて判るコトがあります。

例えば、サンバースト仕様モデルはボディトップの木目がハッキリ視認できますので視覚的に素材を判断するコトが可能となります。1枚板から削り出したボディか、2~3枚の木材を均等の幅で貼りつけて切り出したボディか、すべて白日の下に晒されます。

ところが、ソリッドカラーモデルは、種類が違うと思われる材木が幅もバラバラの5ピースで構成されていてビックリしたというコトが起こり得ます。塗装で完全に目隠しされているワケですから、プロフィール上は「ボディはアルダー」であっても、アルダー1枚板とは限らないのです。

木材を貼り合わせたボディが1枚板よりも劣るとは言い切れませんが、同じモデルで複数のカラーリングがリリースされている場合、誤魔化しが効かないサンバーストカラーが最も上質なボディ材をしているといえます。

このように、カラーリングが違ってもモデルが同じであれば価格は同じとなるため、サンバースト仕様はソリッドカラーよりコストパフォーマンスが高いといえます。つまり、お買い得なのです。

塗装が薄いので、ボディ材の弦振動を殺さず鳴りがイイ

ボディ材をポリウレタンで完全に塗りつぶすソリッドカラーモデルは、サンバースト仕様に比べて塗装が厚く、また塗膜も硬いため、外部からの衝撃に強いというメリットがあります。丈夫というメリットは耐久性の高さに直結し、それだけ信頼性が高いといえます。

一方、ボディトップの木目を活かすシースルー塗装が施されたサンバーストモデルはソリッドより被膜が薄く仕上がっています。そのため、弦振動にボディ材がよく共鳴し、結果として鳴りが豊かになるというメリットにつながります。

かなり昔、安物の市販のエレキギターの塗装を剥がしたコトがあったのですが、想像以上の被膜の厚みに思わず閉口したものでした。ボディ塗装をリフィニッシュする場合、アイロンなどで塗装を温めて柔らかくしなければ剥がしきれないほど分厚いのです。

自作ギターは木目の凸凹をなだらかに仕上げるためサンディングシーラーを塗装しては乾燥させ、最後に耐水ペーパーで研磨してスプレー塗装するか、水性ウレタンニスを重ね塗りで仕上げ、市販モデルよりも被膜を薄く仕上げたところ、確かにボディの鳴りは良いと実感できました。

塗装が分厚い仕様のソリッドカラーモデルは弦振動が分厚い塗装で押し殺されてしまい、ボディが弦振動を充分に共鳴させきれない現象が起きているものと思われます。

だからこそ、取り扱いには非常にナーバスにならざるを得ないラッカー塗装がヴィンテージだけでなく一部の高級モデルに採用されているのです。

少々話が逸れてしまいましたが、塗装の被膜が薄く仕上げられているサンバーストモデルの方が、ソリッドカラーモデルよりもボディの鳴りがイイという可能性を期待できます。

 

似たり寄ったりのようで個性豊かなサンバースト仕様

サンバースト仕様のモデルは人気があるためか、実に多く市場に流通しています。ところが、同じ塗装であっても木目は1本ごとに違います。サンバーストは本数だけ個性の違いがあるのです。

最後に、エレキギターの2大メーカー、フェンダーとギブソンのサンバースト仕様の定番をご紹介します。この記事をキッカケに「自分だけのオリジナル」とのめぐり逢いにつながれば幸いです。

フェンダー系のサンバーストモデル

ストラトキャスターが定番ですが、他にもテレキャスターやマスタング、ジャスマスター、ジャズマスターなど、ほとんどのモデルでサンバースト仕様がリリースされています。

サンバーストの種類としては後述するギブソン系ほど多岐にわたるワケではなく、ボディ中心部がブラウン系でボディサイドがダークブラウン系の定番サンバーストがほとんどです。またはタバコサンバーストのようにボディ中心部がイエロー系、ボディサイドがブラック系もあります。

ボディトップは後述するギブソン系のように虎目メイプルの2ピース仕様はほとんどなく、1枚板あるいは2~3ピース仕様が大半を占めています。どちらかといえば木目を楽しむタイプではなく、サンバースト塗装そのものがウリであるといえます。

ギブソン系のサンバーストモデル

なんといってもレスポール・スタンダードが定番ですが、他にも高級モデルのES-335や廉価版のレスポール・ジュニアでもサンバースト仕様がリリースされています。

ギブソン系サンバーストの基本は、ボディ中心部がイエロー系ですが、ボディサイドは多種多様なカラーリングが施されています。主なサンバースト仕様は、チェリー・ハニー・レモン・ダーク・タバコがあります。

ギブソン系サンバーストは、メイプル2ピースをマホガニーバックに貼り合わせたボディトップの木目を楽しめるよう製造されています。特に、鮮やかな虎目が魅力のフレイムメイプルが貼られたサンバースト仕様は色合いと木目のコントラストを楽しむコトができます。