非レース派ロードバイク乗りにオススメ、日帰りロングライドの魅力
- 2019.07.06
- ロードバイク

待ちに待った短い夏、最も楽しみなロードバイクの季節
ようやく遅い夏の足音が間近に迫ってきたといった塩梅で、日中の気温が25℃を超える日が続くようになりました。ロードバイクで日帰りロングライドへ出かける週末が始まります。
先月から週末サイクリングロードを流してはいたのですが、ロードバイクがローラー台に固定したまま。
仕方なく重苦しいクロスバイクにまたがり(それでもママチャリをはるかに凌駕した軽快さなのですが)せいぜい60キロ程度しか走っていませんでした。
そして今日、ようやく来週から週間天気予報の最高気温が平均25℃以上の見込みを確認し、愛車をローラー台から外し、ロードバイクでサイクリングロードを初乗りした次第です。
今日はバンド練習があったので短時間で終了、ロングライドの本番は明日に。
陸上部で短距離をやっていたヒトなら判るような喩え話ですが、ママチャリを革靴とすればクロスバイクはスニーカー、ロードバイクはスパイクシューズ。
同じスポーツシューズでも、全くモノが違うのはご理解いただけるかと思います。いちどロードバイクの軽快さと爽快さを知ったら、もう二度と元には戻れません。
100キロでも200キロでも、ロングライドの基本は同じ
僕がロードバイクを始めたのは9年前、最初の転職を機にわがマチに来てからのコトでした。
以来、平日の早朝サイクリングから週末の日帰りロングライドを楽しみ、最高で1シーズン6,000キロを走破した年もありました。
本格的にロングライドを楽しむヒトたちは「ブルベ」と呼ばれる時間制限アリの300~500キロという超人的なイベントを難なくこなしてしまいます。
もちろん日帰りではなく、一昼夜を通してのイベントですが。
僕は、レースはおろか誰かと一緒にロードバイクを乗ったコトはありません。
購入時にショップの店長に乗り方を教わって以来、最初から最後まで単独走行を楽しんでいます。パンク修理くらいのコトはできますが、1シーズン2回もパンクした不運な年も。
以前はバイクでツーリングに行くのが趣味だったコトもあり、最高速度やタイムを競うのではなく、のんびり景色を楽しみながら、自分のペースで気ままに走るのが無上の楽しみであります。
そんな僕と同じ非レース派ロードバイク乗りにオススメしたいのが、日帰りロングライドです。
居住エリアの交通量や捻出できる時間数によって走行距離は異なりますが、少なくとも100キロ程度であれば半日で走破できます。
僕の場合ですが、だいたい平均時速が23㎞/hほどなので100キロ走れば5時間、200キロなら12時間かからずといったペースで走るコトができます。
最高気温が30℃ともなれば体力の消耗や水分摂取によるタイムロスが加算されますので、丸1日かかる計算になりますが、それでも日帰りで220キロくらいは走破するコトができます。
その翌日、筋肉痛もなくフツウに出勤しています。多少の疲労感は残りますが。
別に、体力自慢をしたいのではありません。僕の程度のローディーなどザラにいます。
翌日の仕事に支障をきたさないで200キロ超の日帰りロングライドができる事実と、カラダを痛めずにロングライドを楽しむ方法があるコトを知ってほしいのです。
ケガや故障をせずに日帰りロングライドを楽しむために
「ロードワーク」という言葉に馴染みがない方もいると思うので解説しますと、アスリートがアスファルトや山野などを走り、基礎体力、特に脚力を養成する練習を意味します。
サイクリングロードを往復する場合は、それほどキツい傾斜も長い登坂もない、比較的なだらかな平坦コースを走っておしまいになります。
たとえ高低差があっても、せいぜい河川敷から陸橋の下を潜る場合くらいのものでしょう。
ところが、ロードバイクで100キロを超えるロングライドに出かけるとなれば多少のアップダウンどころではなく、峠の1つや2つは往復しなければならなくなります。
陸上部でのロードワークはせいぜい2~3キロでしたが(その後、短距離と長距離で練習メニューが分かれる)、ロードバイクに乗ればマラソンの2~5倍の距離を走れてしまうのです。
半径50キロ以上の行動範囲となれば、高確率で地形の変化に遭遇するというコトでもあります。
ヒルクライムやロードレースで勝負を仕掛けるローディーは限界までガシガシとペダルを踏んで誰よりも早くゴールを目指すためだけに走ります。
当然、限界まで自分を追い込むワケですから、ケガや事故に見舞われるリスクも高まります。
本職のロードレーサーでもない僕がそこまで自分を追い込む必要はありませんし、もともと左膝を痛めて走るのを止めた経緯があります。
以来、いかにカラダを壊さずロードバイクを楽しめるかを追及しているのです。
次は、書籍で得た知識を参考にしながら自己流で編み出したロングライドの方法をご紹介します。
ペダルを強く踏むのではなく、滑らかに回すイメージで
スピードを競うものではないという点は前述のとおりですが、シーズン間もない頃はまだカラダが仕上がっていない状況にあります。
その時期に注意してほしいのは、嬉しくてついペダルを強く踏み続けていると、後半あるいは終盤あたりで利き足の外側側副靭帯を痛めてしまうというコトであります。
この痛みはシーズン初期の頃に起こりがちなものですが、ある程度走り込めばすぐに解消します。
ところが、いったん靭帯の痛みが起こってしまうと、ペダルを踏むたび激痛が走るので、思うように踏めなくなるのです。
「帰宅まで、あと1つ峠を越えなければならないのに…」といった段階で痛みが走ると、それこそ地獄のヒルクライムとなります。
そうならないよう、「ペダルを滑らかに回す」というイメージで意図的に踏むと予防できます。ぜひ試してみてください。
最初の峠まではスローペースを維持し、ギアも軽めを選ぶ
体力が充分にある前半はつい軽快に平均速度を上げがちになりますが、逸る思いをグッとこらえ、その先に待っている峠のために温存しておきましょう。
最初の10~20キロ程度は軽いウォーミングアップです。
当たり前の話ですが、100キロあるいは200キロを走るのです。後述するように風速や風向きによっては行きと帰りで大幅に平均速度が変わります。
そして、峠を登るごとに、確実に体力が削り取られていくのです。
ところで、ロングライドのコンディションで最悪なのは、帰りの行程が向かい風になる場合です。なぜなら、向かい風は初心者の想像以上に体力を奪っていくからです。
峠はギアチェンジでどうにでもなりますが、風だけはどうにもなりません。ただ、逆らうのみです。
ロングライドの際は、突然の雨や風向きも計算に入れて、体力に余裕を持っておきましょう。
昼食は少量に抑え、水分補給を存分に、そしてマメに行う
消化機能はヒトそれぞれなので例外もあるかも知れませんが、僕の場合は普段の昼食と同じ食事量を摂取してしまうと胃もたれしてしまいます。
消化で血液の循環が妨げられるからなのでしょうか、とにかくパフォーマンスが落ちます。そのため、コンビニで、おやつ程度のサンドイッチで済ませるコトが多いです。
充分な食事は夕食として、昼食を少なく済ませた分だけ水分補給を存分に行います。前半はロードバイクに取りつけたボトル水を、後半はコンビニで飲みたいドリンクを捕球します。
ひとつ注意しておいた方がイイのは、つい飲みたいからと甘いソフトドリンクを飲む場合です。
甘すぎると喉がベタつき、余計に喉が渇くという悪循環になります。塩分を含んだスポーツドリンクか、お茶がイイと思います。僕は麦茶があまり好きでないので、緑茶かほうじ茶ですが。
風速と風向きを事前にチェックし、つねに意識して走る
ローディーにとっての最大の敵は「風」であります。多少のキツい登坂であっても、軽めのギアでゆっくりペダルを踏み続けていけばどうにか乗り切れます。
ところが、風だけは軽減させるための術がない。風よけになるチームメイトがいない単独ライドの場合は。
そこで、ロングライドに出かける際は天気予報だけでなく、風予報までチェックしておきましょう。特に注意しておかなければならないのは風向きです。
例えば、僕のロングライドコースはわがマチからひたすら北上し、途中でUターンして、南下して帰宅するコースです。このようなコースを辿る場合、注意しなければならないのは南風の有無と強さです。
なぜなら、南風が吹く日は、行きが北上だと追い風になりますが、帰りは向かい風になるからです。
わがマチから目的地のエリアまで、ナゼか6月頃まで強めの南風が吹く日が多いので、たとえ最高気温が高めの晴天であっても、南風が強い予報が出ている日は覚悟して行きます。
そして、覚悟に相応しい向かい風に逆らいながら、息も絶え絶え帰途に着くハメになるのです。
このような場合、向かい風を避けて横風を受けるコースに変更するのも1つです。北上するのではなく、西か東方面のコースを選ぶのです。
横風も辛いといえば辛いのですが、向かい風に比べれば相当ラクに走るコトができます。
最後のひと呼吸まで~温存した体力を少しずつ、少しずつ使っていく
非レース派ローディーにとって最も大切な考え方がコレであります。コレさえ覚えてもらえたら、このブログを綴った甲斐があったというものです。それほど重要な考え方だと自負しています。
最後のひと呼吸を、最後のひと漕ぎに取っておくといった心境でしょうか。スタート時点では存分に温存しておいた体力を少しずつ、また少しずつ、吐き出すように使っていく。
その目的はロングライドです。平坦地で最高スプリントを叩き出すコトでも、最高ヒルクライムを達成するコトでもありません。一瞬だけ速く走るのはロードレースでの役割分担においてのみ。
青い空と緑の大地、四季の景色を楽しみ、心の奥底に溜め込んだストレスを吹き飛ばし、気分爽快で無事に帰途に着く。入浴後、体重と体脂肪が大幅に削られているコトに喜び、旨い夕食を楽しむ。
そして、疲れたカラダを休めて上質な眠りにつき、明日への活力を養うのであります。
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