ロードバイク、ロングライドに相応しい装備について
- 2019.07.10
- ロードバイク

ロードバイクのサイクルウェア、特異な構造には理由がある
今では何とも思わなくなりましたが、あの全身ピタピタのコスチューム、ロードバイクに乗る際の服装は慣れるまで非常に恥ずかしいものがあります。
しかしながら、100キロ超のロングライドを楽しむためには、あの恥ずかしいスタイルで繰り出すのが最も効率的かつ快適に走るコトができるのです。ロードバイクに跨っている限り、アレはアレで成立したファッションと開き直るしかありません。
水泳でいえば、ファッション重視のカジュアルなバミューダパンツで競技に出る選手がいないように、ロードバイク専用に開発されたウェアなので、とても街中を歩く自信が持てそうもない独特なデザインには、必然としてそうなった理由があるのです。
極限まで空気抵抗を軽減
あの全身ピタピタのデザインはいうまでもなく、風圧による空気抵抗をできる限り起こさないためのものであります。水泳の競技で着用する水着と同じ目的でそのような形状になっています。
前回のブログで、僕の平均速度は時速23キロ程度とご紹介しましたが、あくまで平均であり、市街を抜ければ平地は30キロペースで走ります。その際、風圧で服がはためくと空気抵抗でスピードが殺され、体力を消耗するのです。
サイクルジャージやサイクルパンツは空気抵抗を軽減するために全身をピッタリ包み込みますが、それだけでなく、前傾姿勢かつペダルを踏む体勢に合わせて作られています。
快適性に長けた構造と素材
ロードバイクでロングライドを楽しむ場合もレースで攻める場合も同様ですが、炎天下で長時間、全身を動かしていれば当然、体温は上がりますし発汗もします。
サイクルウェアは通気性と速乾性に長けた素材で構成されています。そのため、汗をかいても風で蒸発しやすい構造ですので、気化熱の応用で体温を下げる効果を生み出すのです。
また、薄くて硬いサドルに長時間またがっているとお尻が痛くなります。そのため、内部にパッドが取りつけられたサイクルパンツはお尻の痛みの緩和に効果を発揮します。余談ですが、長距離を走る場合、股擦れ予防のためにクリームを塗っておくコトをお忘れなく。
転倒時のケガや紫外線から身を守る
これは僕の場合ですが、ロードレースの公式ジャージのように半袖のサイクルジャージとサイクルパンツではなく、日焼け予防に長袖のサイクルジャージとレッグカバーを着用します。グローブもオープンフィンガーは使いません。
日焼けしやすく、短いシーズンを通して焼きついた紫外線の後遺症が冬期間に至っても回復しない、つまり長期間にわたって日焼けの跡が残るのです。日焼け止めクリームを塗るよりもUVカットの長袖で全身を包んだ方が合理的なので、そのようにしています。
要は、ロングライドに出かける際は首から下は完全防備なワケですが(街乗り時はハーフパンツにオープンフィンガーのカジュアルな服装)、紫外線から皮膚を守るだけでなく、万が一の転倒時に擦過傷を軽減させる目的もあります。
季節や1日の気温の変化に応じたウェアの使い分け
僕が暮らすわがマチでは、ロングライドを存分に楽しめる季節が非常に短く、暑さ対策よりも寒さ対策に苦心させられる気象条件にあります。炎天下でロードバイクを疾走できるのは7~8月しかありません。お盆が過ぎれば夜の空気がヒンヤリしてきます。
そのため、雨天時におけるレインウェアの準備も必要ですが(荷物になるので軽量性にこだわる)、季節の移り変わりはもちろん、その日の風速や気温を天気予報で確認した上でウェアを決める必要があります。
ロングライドの必須アイテム、ウインドブレーカー
わがマチは1年の寒暖差が50℃以上という豪雪地帯で、最高気温が30℃を超える真夏日でも、意外と早朝の空気はヒンヤリしているものです。そのため、往復200キロで10時間以上、外にいるコトが想定されるロングライドに出かける前はウインドブレーカーを着ます。
長時間走るというコトは当然、早朝の出発となりますので、時間が経過して気温が上昇し、汗ばむまでの間だけ着用するのです。風を通さない薄く軽い素材ですので、脱いでリュックに収納しても、一切かさばりませんし、重さも感じません。
ロードバイクのロングライドは、一日中、扇風機の風に当たり続けるようなものですので、意外と体幹が冷えるものです。腕や背中は火照っていても、お腹に触れるとヒンヤリしていたりします。そのため、初夏や晩夏で最高気温が上がらない時期はお腹を下さないよう要注意です。
実際、峠越えの下り坂を快適に流している最中、ウインドブレーカーを着用せずに風をモロに腹部に当て続けたせいでお腹を壊してしまい、危機一髪でトイレに駆け込んだコトがありました。その教訓から、ウインドブレーカーは必須アイテムの1つになっています。
直接サイクルジャージを着るのではなく、インナーウェアを
汗冷え防止や肌触りのよさを追求するなら、メッシュ製の専用インナーを着用するコトをオススメします。ほぼ厚みを感じない素材ですので、サイクルジャージの下に着てもモコモコした着心地にはなりません。
また、晴天でも予想気温がそう高くない日、寒さ予防のためにインナーウェアを着込んでおいた方がイイと思われる場合も想定されます。「ウインドブレーカーだと蒸し暑そう、でもちょっと風が冷たそうだな…」と思われる微妙な予想気温だった場合は重宝します。
真夏であればサイクルジャージを直接、素肌の上に着用するのもアリですが、白系のジャージだと素肌が透けて見えてしまいますので、黒系を選んでおく方が無難でしょう。
紫外線や虫から両眼を守るためのアイウェアも必要
野球やテニスなどの屋外スポーツでは、太陽光の眩しさを抑え、また紫外線から両眼を守るためにサングラスを着用するプレーヤーがいます。炎天下、アスファルトの照り返しや太陽が正面にくるコースは、サングラスの効果を発揮する瞬間でしょう。
UVカットの専用スポーツサングラスがあれば最高ですが、当初の想定より帰宅時間が遅くなった場合は暗くなって見えづらくなり危険ですので、漆黒のサングラスは街乗りや短距離に限定すべきです。明るいカラーのレンズを選びましょう。
もうひとつ、アイウェアを着用すべき理由は、空中を飛翔している昆虫から顔や両眼を守る必要があるというコトであります。自然豊かなわがマチでは、時間帯にもよりますが、小さな羽虫が目に入ったり、カナブンなどの甲虫が顔に激突したりする場合があります。
特に後者につきましては、まるで小石を投げつけられたかのような硬く尖った衝撃が走り、思わず「イテっ!」と口走ってしまうほど、けっこうな痛みを伴います。直接、眼球に当たる危険があるので、アイウェアは必ず身につけるようにしています。
-
前の記事
ロードバイク、登坂を制する者はロングライドを制する 2019.07.08
-
次の記事
バンドの楽しみとは試行錯誤とミスの繰り返し 2019.07.13