ギタリスト目線で語るOFF COURSE(オフコース)の魅力

ギタリスト目線で語るOFF COURSE(オフコース)の魅力

解散してもなお愛され続ける、オフコースというバンド

本当に素晴らしい音楽、時代を超えて永遠に

音楽を志す者であれば、誰もが必ず通る道。その集合体がバンドという形態であります。

プロとして華々しくデビューし、人気の絶頂を極め、そして解散してもなお全く色褪せないバンドがあります。当ブログで登場する、氷室京介さんや布袋寅泰さんが所属した伝説のロックバンド、BOOWYもまたその1つであります。

しかしながら、ロックバンドとしては最高峰を極めたBOOWYに対し、解散してから約30年、今もなおジャンルを問わず時代を超えて愛され続けているバンドと聞かれたら、僕は迷わずOFF COURSE(オフコース)を推します。

僕もギター弾きの端くれのひとりとして本業とは別に趣味でバンド活動をしていますが、そもそも僕が楽器を弾くコトになったのは、オフコースというバンドと出会ったからです。

中学1年の夏、初めて聴いたオフコースのアルバムから受けた、あの衝撃を超える音楽と出会ったコトはありません。そして思ったのです。「こんなステキな音楽を、いつかやってみたい」と。

時代を超越した音楽性~現代でもなお通用する音楽センス

唯一無二という言葉があります。そのヒトが唯我独尊を語ったとしても何の異論も出ない。そんなオリジナリティを確立したバンドがオフコースです。

キーボードを奏でながら、いちど聴いたら決して忘れない甘く切なく美しいハイトーンヴォイスを聴かせる小田和正さんは、今もなお現役で素晴らしい音楽を創り続けています。女性ファンが圧倒的に多いのも納得の、まさに神が与えたもう美声であります。

もちろんヴォーカルとしても超一級ですが、その楽曲もまた珠玉の名曲ばかりでして、オフコースといえばこの曲といった定番をオフコース好きなヒトに聴いたとすれば、数多くの曲名が飛び出すコトでしょう。恐らくは収集がつかなくなるほどに。

僕が初めて買ったオフコースのアルバムは「IT’S ALL RIGHT SELECTION III 1984-1987」でした。オープニングを飾るタイトル曲を聴いた瞬間の衝撃は、30年以上が経過した今もなお脳裏に焼きついて離れないほどです。

その後、「as close as possible」を購入し、最後のアルバムとなった「Still a long way to go」は今でも実家のCDラックに収まっています。いずれも今から比較すれば当時の録音技術の限界を感じますが、そこに凝縮された音楽には全く古さを感じさせません。

そのあまりにも洗練された美しい音色が印象的なアルバムしか知らなかったので、かなり大人しく控えめなイメージのエレキギターという印象が強いオフコース。その分、きらびやかなキーボードが前面に打ち出されています。

ところが、日本武道館のライヴ音源を視聴して、その認識を改めざるを得ないコトになりました。「全然違った、オフコースはバリバリのライヴバンドだったんだ!」と。

 

実は「攻めのライヴバンド」だったオフコース

ライヴでは攻めに特化したギタープレイを披露

女性のココロを掴んで離さない、実にソツのない洗練された音楽性と小田さんの甘いヴォーカルがオフコースの魅力ですが、そんなオフコースにも情熱的な「攻めの音楽」があります。具体的には「YES-NO」や「君が、嘘を、ついた」ですが、ライヴでは攻めのエレキギターを披露。

「君が、嘘を、ついた」のギターソロはオフコース屈指にして唯一の速弾きですが、ギタリストの松尾一彦さんはライヴで難なくアルバム収録どおりに再現してみせています。

ライヴヴァージョンの「君が、嘘を、ついた」は攻めというより泣きのギターソロですが、途中で脱退したオリジナルメンバーのひとり、鈴木康博さんとユニゾンをキメる「YES-NO」のソロはオフコースのもうひとつの顔を見せてくれます。

82年の武道館ライヴの音源では、脱退前の鈴木さんと松尾さんが交互にギターソロを弾き、最終はユニゾンで曲を盛り上げています。オフコースがスタジオバンドではなく、ライヴバンドであるコトを如実に物語る名演で、現代でも充分に通用するアレンジで速弾きを披露しています。

なお、82年の武道館ライヴで最も印象に残る攻めのギターは「愛を止めないで」のエンディングのギターソロです。「これでもか」というほど速弾き、ラストに向かって弾きまくっています。

ロックギタリストを唸らせるサウンドメイク

素晴らしいのはテクニックだけではありません。エレキギターのサウンドメイクも秀逸で、当時の歌謡曲にありがちな野暮ったいオヤジサウンドではなく、ロックバンドと称しても遜色ない極上のオーヴァードライヴです。現代でも充分に通用する説得力。

オフコースの音楽性に古さを感じさせないのは、時代の先をいく音楽性だけではなく、歌謡曲とは一線を画する洗練されたサウンドメイクにあるといっても過言ではありません。「ザ・昭和」オヤジサウンドではなく、平成でも、令和でも、そしてその先でも通用するギターサウンドを。

余談ですが、松尾さんの使用エレキギターは、82年の武道館ライヴではB.C.リッチ「イーグル」でした。フェンダーのストラトキャスターしか見たコトがなく、てっきり「松尾さんといえばストラト」と思っていましたが、ストラト一辺倒ではなかったようです。