「目的別に使い分けるエレキギター」という考え方

「目的別に使い分けるエレキギター」という考え方

ルックス別:ストラップを長めに構えたいならレスポール系モデルで

フェンダー系のストラトモデルは普通または短めに、ギブソンのレスポール系モデルは普通よりも長めにストラップを調整して構えるのが基本スタイルです。

なお、当ブログにおける「普通」とはブリッジの中心、その真裏が腸骨に当たる位置とします。

ストラトキャスターは世界で最も使われているエレキギターですので、その使われ方も様々です。また、独自のヘッドシェイプやピックアップにハムバッカーを搭載するなど、ストラトキャスターから派生したモデルは世界中に溢れていますが、基本的な考え方は同じです。

超絶技巧のレジェンド、イングヴェイ・マルムスティーンは長身であってもテクニカルなプレイがしやすいよう、ストラップを短めに構えています。一方で、正確無比な速弾きを披露するポール・ギルバートは長めに構えています。

余談ですがL’Arc 〜en 〜Ciel(ラルクアンシエル)のKenさんはポール・ギルバートの佇まいに酷似しています。2人とも、スラリと伸びやかな肢体に恵まれたしなやかな長身ですので構え方もプレイスタイルも似たのでしょう。

一方、レスポール系モデルはストラップを長めに構えるとルックス的にバランスが取れます。短く構えると非常に不格好に見えてしまいます。体格に恵まれたヒトはいわゆる「腰弾き」ポジションでも良いですが、弾きづらくなるので、ほどほどの長さで調整しましょう。

一般的にレスポール系モデルはネックジョイントがセットネック方式でハイフレットが弾きづらいため、腕が短いヒトや手が小さく指が短いヒトには不向きです(絶対に弾けないとはいいませんが弾きづらいのは確か)。

高音域の速弾きフレーズでギターソロをこなす必要がある曲を演奏する場合、ストラト系モデルを使った方がストレスフリーで演奏に集中できると思います。

ストラップを長めにして構えたいヒトはレスポール系、短めに構えたいヒトはストラト系のモデルを選ぶ

 

ジャンル別:シングルコイルは激歪みが苦手、やるならハムバッカーで

一口に「ロック」といっても、ポップ・ブルース・ハード・メタル・パンクと多岐にわたります。どの分野でも万能に使えるエレキギターといえば、フェンダーのストラトキャスターでしょうか。ただし、過激なディストーションサウンドが主体となるメタルだけは苦手としています。

もっといえば、メタルほどではないにせよ、相応の歪みが求められるハードロックもストラト向きではありません。理由は搭載されているピックアップがシングルコイルだからです。

なお、同じシングルコイル搭載であっても、ハードロックに対応でき得るのはストラトキャスターあるいはテレキャスターのみです。ストラトキャスターはリアピックアップの特性がピーキーで、テレキャスターはストラトよりもパワフルです。

巷の評価ではテレキャスターの方が切れ味の鋭い金属的なサウンドキャラクターといわれますが、僕が実際に使った感想では真逆です。むしろ、テレキャスターの方がオリジナルのピックアップで充分ハードロックでも使えます。メタルは厳しいですが。

シングルコイルは高音域に特徴があり、ジャキジャキと切れ味が鋭いサウンドが身上です。一方、ノイズを拾いやすく、特徴的な高音域が歪みの程度によっては耳障りなキンキン音になってしまうマイナス面があります。

一方、ギブソン系モデルのほとんどに搭載されるハムバッカーは中音域に特徴があり、分厚く太い、あるいは甘くてまろやかなサウンドがウリのピックアップです。

真空管アンプのオーバードライブや、クランチサウンドを得意とするエフェクターを駆使した音はシングルコイルに軍配が上がりますが、バリバリに歪ませたディストーションサウンドとの相性が良いのはハムバッカーです。

そのため、メタル系のロックギタリストはハムバッカー搭載のギブソン系モデルやアイバニーズのエレキギターを好んで使うのです(特にRGモデルあたり)。

なお、前述のイングヴェイ・マルムスティーンもメタル系ギタリストにジャンル分けされるコトがあるのですが、ストラトキャスターとマーシャルという不変の組み合わせをこよなく愛しています。メタルというほど歪んでいるワケではないにせよ、シングルコイルはやはり不向きです。

そこでイングヴェイ氏はストラトキャスターに搭載されたシングルコイル3基のうち、フロントとリアをシングルコイルサイズのハムバッカー(略してシングルハム)に交換しています。

シングルハムは、シングルコイルのウィークポイント、ノイズやハウリングの影響を受けづらく、スタンダードなハムバッカーよりも出力が劣るが故のシングルコイル的な音が出せます。つまり、シングルコイルのマイナス面を解消し、かつ元のフィーリングが維持できるのです。

なお、シングルハムにはディマジオの一部モデルのようにシングルコイルを縦に積み上げた構造と、セイモア・ダンカンのようにハムバッカーと同じ横配列の構造の2パターンがあります。

オリジナルのストラトキャスターのルックスを維持したいのであればイングヴェイ氏と同じようにディマジオから選ぶと良いでしょう。セイモア・ダンカンのモデルはハイパワーに定評があるので、ハムバッカー並みに図太いサウンドが楽しめると思われます。

最後に、フェンダーのジャズマスターやジャガーはこれまで使ったコトがないので判りませんが、ムスタングはクランチ以上に歪ませると音が破綻し、さながらノイズ&ハウリング製造機になってしまいます。

そのため、ムスタングをハードロックで使いたい場合もまた、ピックアップをハイパワーでノイズレスなものに交換する必要があります。

ムスタングの愛用者にはギターヴォーカルが多く、Spitzの草野マサムネさんやL’Arc 〜en 〜Cielのhydeさんもその1人です。なお、hydeさんのモデルはすべてシングルコイルが交換されています。

シングルコイル搭載のエレキギターをハードロックやメタルで使いたい場合には、シングルハムやハイパワーかつ低ノイズなリプレイスパーツに交換