米津玄師さんの「lemon」をバンドで再現するには

米津玄師さんの「lemon」をバンドで再現するには

米津玄師さんといえば、今やネット先行配信による気鋭の若手アーティストの第一人者と断言してイイでしょう。

その米津さんの才能を強烈に知ったのは石原さとみさん主演の医療ミステリ(とカテゴライズして良いでしょうか)の傑作、「アンナチュラル」のエンディングテーマ曲で「lemon」を聴いた時でした。

この曲の素晴らしさを今さら当ブログで語るつもりはありません。その必要がないからです。

今回のテーマはピアノやアコースティックギターによる弾き語り風ではなく、原曲に忠実なバンド演奏として、「lemon」をコピーする際におけるギタリストの役割とその再現方法についてのヒントであります。

原曲を知っているヒトであれば話は早いのですが(知らないヒトはほとんどいないと思いますが)、この曲のメロディラインはキーボード主体で、リズムは打ち込み中心で構成されています。

なお、この曲をリアルに再現できるか否かは打ち込みにかかっています。メロディラインをギターが代行するのはアリですが、リズムマシンまたはスマートフォンのアプリで作った打ち込みをしなければ「lemon」の世界観は絶対に再現できません。

ギターはリフのみで、ソロパートは一切ありません。しかしながら、アルペジオを絡めた見せ場がキッチリ用意されており、原曲を忠実に再現するなら当然ギターも欠かせません。

以下、キーボード担当とリズムマシンあるいはアプリ&タブレットによるリズム担当がいるコトを前提に、バンドでギタリストが果たすべき役割について僕の実践をもとに綴りたいと思います。

 

「lemon」を再現するためにギタリストが果たす役割

使用するのはエレアコではなくエレキギター

原曲を聴いた上での所見ですが、雰囲気を忠実に再現するならエレキギターです。エレクトリック・アコースティックギターことエレアコでも不可能ではないですが、リアルさを追求するならエレキギターを使用すべきです。

ディレイなどの空間系エフェクターを効果的に使いつつ、エレアコのクリーンサウンドではなく、明らかにエレキギターのクランチサウンドが採用されているからです。

では、どのタイプのエレキギターが原曲の雰囲気を出せるかといえば、無骨な分厚さを前面に打ち出すレスポール系ではなく、繊細さがウリのストラト系のエレキギターです。

米津さんの繊細な声質と言い得ぬ哀しみを暗喩したこの曲の世界観を再現するのに相応しいのは、シングルコイルのザラつく乾いたサウンドです。恐らく、原曲もシングルコイルが使われているハズだと推測できます。

レスポール系しか持っていないというギタリストが「lemon」をコピーする場合、音が分厚くならないよう配慮してセッティングしましょう。

具体的にはギター本体のトーン設定を高めにしたり、ギターアンプのトーン設定(バス・ミドル・テリブル)のうち、高音域を高めに、中低音域を低めに設定したりするとイイでしょう。

必須エフェクターは空間系+歪み系、あとは好みでモジュレーション系も追加

サウンドメイクの考え方としては空間系エフェクター+歪み系エフェクターが基本でして、歪みのレベルを抑えるか、クランチサウンド主体のエフェクターを使いましょう。ディレイも軽めに。

なお、僕の場合はバンドメンバーからの注文により、モジュレーション系のエフェクターも使っています。ちなみに、BOSSの「コーラス・アンサンブル(CE-5)」を使用。

コレもメンバーからのリクエストですが、音の揺れ(RATE)と揺れの深み(DEPTH)のレベルを強めにセッティングしています。目盛りでいえば、どちらも8~9あたりでしょうか。

マーシャル系の真空管アンプなど、エフェクターを使わずクランチサウンドが出せる場合であれば、歪み系エフェクターは省略してもイイかも知れません。ピッキングのニュアンスが忠実に鳴らせるナチュラルな歪みこそが重要です。

コード弾きのポジションを押さえてアルペジオで奏でるのが基本

Aメロ、Bメロともに、2小節目からエレキギターのアルペジオが展開していきます。また、歌の1番と2番の間奏にもアルペジオがアレンジされています。なお、原曲ではギター2本でアレンジされているようです。

忠実にこの曲を再現するのであれば、アルペジオで押さえるポジションをバンドスコアか耳コピでメロディラインを探らなければなりませんが、僕の場合、コード進行どおりポジションを押さえて適当にアルペジオで刻んでいます。

なお、弾き語り風にローコードでポジションを押さえて弾く場合、4フレットにカポタストを装着するのがラクな弾き方となります。なお、4カポの場合、最初のコードはEmとなります。

よく聴き比べると鳴っている音が違うのですが、和音の響きさえ外していないのであれば問題なく、曲の世界観を壊すコトはないので、かなりテキトウにお茶を濁しています。

もちろん、原曲を聴きながら1つ1つ耳コピで押さえるポジションを探ろうと思えばできないコトはないですし、より原曲に忠実な演奏ができます。

しかしながら、「耳コピ? とてもそんなコトやってらんない」というヒトは迷わずバンドスコアで練習しましょう。ネットで調べたところ「ぷりんと楽譜」でダウンロードできるようです。

エレキギターのパートはアルペジオでアレンジされている以外ではほとんど出番がないのですが、僕はサビの箇所もコード進行でポジションを押さえて鳴らしています。キーボードのバッキングとして、アンサンブルの厚みを出そうと思ってのコトです。

そして、エンディングのリフレインもエレキギターで演奏されています。ここはカンタンに耳コピできますので、原曲を忠実に再現してみましょう。

参考までに、ラストで押さえるポジションは1弦9フレットと2弦12フレットであります。このポジションで押さえて2弦→1弦の順でリフレインすると原曲どおり再現できます。

最後に、この曲の成否を決めるのは、ひとえにヴォーカルの歌唱力ひとつにかかっています。無謀なコピーに敢えて挑戦できるのも、バンド内に最高のヴォーカルがいるからであります。