ライヴで手持ちのギターアンプを使い回す基礎知識

ライヴで手持ちのギターアンプを使い回す基礎知識

機材が完備されたライヴハウスで演奏する場合やリースのギターアンプを使用する場合は借り物の機材をいかに使いこなすかが勝負となります(使い慣れた手持ちのエフェクターをいかに効果的に活用できるかがカギ)。

一方、僕らのように、手持ちの機材を持ち込む機会の方が圧倒的多数を占めるアマチュアバンドにとって、ギターアンプの調達はギタリストの悩みのタネであります。

単に音が良ければイイという話ではなく(状況が違う会場に合ったサウンドをすぐ作るコトですら難しいのですが)、これまた僕らのバンドのようにマイカーで運搬する場合は大型スタックアンプというワケにもいきません。

そこで今回は、手持ちのギターアンプをステージで使い回す場合、ぜひとも知っておいた方がイイことがらについて、実体験をもとに以下のとおり綴っていきたいと思います。

 

チューブでもソリッドステートでもOKだが、使い勝手がイイのはコンボアンプ

手持ちのギターアンプを使う際、絶対に考慮しなければならない運搬性

ギターアンプを自宅あるいは練習場から会場まで運搬するコトを考えるなら、できるだけ軽量かつコンパクトなギターアンプを選ぶに越したコトはありません。

筋トレが趣味で腕力に自信があるヒトにとっては絶好のトレーニングの機会になるのでしょうが、ギターアンプという機材は、見た目のイメージ以上に重量があります。また、真空管(チューブ)の方がトランジスタ(ソリッドステート)よりも重くなりがちです。

ヘッドとキャビネットが別のスタックアンプはステージ上での圧倒的存在感と音圧に有利ですが、ひたすら重いですし場所を取りますので、大型ワゴン車でなければ積載させられません。

通常のハッチバック車でラクラク積載させるコトができ、アンプとキャビネット(スピーカー本体)が一体化している構造上、その気になれば女性でも運搬可能なコンボアンプを選びましょう。

手持ちの機材を使い回しできる規模で目安となるギターアンプのW数

なお、目安となるギターアンプのW数ですが、チューブはソリッドステートの約3倍の音圧がありますので、チューブで20W以上、ソリッドステートで60W以上あれば充分でしょう。

収容人数100名程度の小規模ステージであれば、ヴォリュームを目盛り4割ほど(アナログ時計でいえば9~10時あたり)上げれば、充分にギターサウンドが会場に響き渡ります。

ちなみに、このクラスのW数のコンボアンプであっても、その重量は軽く10キロ以上あります。僕のアンプは75Wのソリッドステートですが14キロあります。これがチューブアンプとなれば、一気に20キロ台まで重くなります。

 

手持ちのアンプをステージで使用する場合に欠かせないアンプスタンド

音響機材の中でも特異な存在、非常に指向性が強いギターアンプ

以上の記事をもとに、ここからはコンボアンプを使用する前提で話を薦めます。

スピーカーの真正面で音を聴くのが正しいオーディオの楽しみ方であると以前、当ブログで綴ったコトがありますが、それでも音波はスピーカーユニットを起点に扇状に空気中を広がっていくものであります。

そのため、スピーカーの真正面から外れても聴覚上、多少音量が下がったり不明瞭になったりする点を除けば、きちんと音を聴き取るコトができます。つまり、指向性が弱いのです。

ところがギターアンプという音響機材は指向性が非常に強く、スピーカーユニットから遠くまで、強い音圧を発揮するコトができます。一方、扇状に音が広がる角度が非常に狭いというデメリットもあります。この特性が、演奏する側に非常にマイナスに働く。

どういうコトが起こるかといいますと、ステージで自分の立ち位置のそばに置いたコンボアンプの音がハッキリ聴こえない現象が起こるのです。当然、必要以上にヴォリュームを開けないと自分の音が聴こえない。

ところが、ステージを真正面に演奏を聴く側には「ギターの音がデカ過ぎる」とか「ヴォーカルやキーボードの音が聴こえない」といった困った現象が起こるのです。

つい最近も障害児者を対象としたサービス提供事業所の夏祭りで演奏したのですが、あいにくの雨で急遽、室内で演奏するコトになったのですが、サウンドチェックのため観客側に立ったメンバーには「ギター、もうちょっとヴォリューム絞って」と指摘。

ところが、指示どおりヴォリュームを絞ると、今度は自分の音が聴こえない。僕の前方でマイクを取るヴォーカルから「ゼロさん、ギターの音をもっと下さい」と逆の指示が。

この現象は、音の広がりが狭いギターアンプとステージメンバーの位置が近ければ近いほど起こります。これがスピーカーユニットの位置が高いところにあるスタックアンプの利点であり、コンボアンプの泣き所であります。

では、スペース上の問題からステージメンバーに隣接した位置にコンボアンプを置かなければならない場合にどのように対処したらイイのでしょうか。

その答えは単純明快。何らかの方法を用いて、コンボアンプのスピーカーユニットが発する音圧の波紋にバンドメンバーの顔が入るようにすればイイのです。

その方法は2つあり、椅子などにコンボアンプを載せて高さを確保し、スピーカーユニットを耳の高さに近づけるか、コンボアンプ本体を斜めに立ててスピーカーユニットを上に向けるかです。

利便性や安定性を考慮すれば、アンプスタンドを使うのがベスト

コンボアンプ本体を高い位置に置く方法を採る場合、椅子ではそれほど高さを確保できないので、音圧の波紋が顔の位置に合わせるためには、ある程度の距離を確保しなければなりません。

また、上述したとおりコンボアンプはゆうに10キロ以上、重いもので20キロを超えます。

椅子程度であればまだしも、隣接した位置に置かざるを得ない場合、1メートル程度は必要となります。足場が安定していれば別ですが、不安定な置き方をすれば落下の危険があります。

そのため、床に低い位置で安定して設置するコトができ、しかも任意の角度でスピーカーユニットの向きを顔に合わせるコトができるアンプスタンドを使用するのが正しい扱い方となります。

ギタリストの身長及びコンボアンプとギタリストとの距離を勘案し、その角度をジャストフィットさせるコトによって、必要最低限のヴォリュームでステージメンバーはギターサウンドを聴くコトができます。

また、必要以上にヴォリュームを上げるコトによって、他の楽器やヴォーカルの音がかき消されるコトもなくなります。

本来であればPAがステージで各自のサウンドをミキシングして音量バランスを整えるものですが、必ずしもPAが配置されているワケではありません。

バンドメンバー自らセッティングをしなければならない場合、コンボアンプ専用のアンプスタンドは必須アイテムとなります。

なお、注意しなければならないのは、手持ちのコンボアンプに適合したアンプスタンドかどうかを事前に確認しておく必要があるというコトです。

例えば、僕のアンプスタンドが適合するのはアンプ後方が密閉された構造に限るタイプです。「開放型」と呼ばれる、スピーカーユニット後方が剥き出しになっているアンプは使用するコトができません。

また、僕が購入したアンプスタンドは角度を細かく設定するコトができるタイプですが、ある程度の高さが確保され、任意の角度が最初から設定されて調整できないタイプもあるようです。

さらには乗用車への積載性を考慮し、折りたたみできるタイプを選ぶと省スペース化が図れます。しかしながら、可動域が多ければ多いほど耐久性がスポイルされるというデメリットも。

このように、ネットで調べただけでも様々なタイプがリリースされているコトが確認できます。「買ったはイイけど使えない」という悲劇が起こらないよう、よく調べてから購入しましょう。