ギター指弾きの名バラード「ひまわりの約束」に挑戦

ギター指弾きの名バラード「ひまわりの約束」に挑戦

ジャンルを問わず、何でもござれのコピーバンドに籍を置く限り、いつか訪れるのがバラードなど弾き語り主体による演奏であります。

単にコードを押さえて単純なストロークを繰り返すだけの弾き語りなら苦労はありません。

ところが、指弾き主体となれば一気に難易度が上がります。エレアコ使いのギターヴォーカルが、「こんなん絶対ムリ」と歌に専念するコトになり、代わりに弾かなければならないハメに。

弾き語りであろうが速弾きだろうが、ピックありきで弾き倒してきたエレキギター使いにとって、まるで初心者に立ち戻ったかの如く苦戦するのが指弾きの難しさです。

エレキギターからエレクトリック・アコースティックギター(以下「エレアコ」)に持ち換える、あるいはエレキギターのまま指弾きをこなす。

どちらのアプローチにもそれぞれの良さがありますが、ギタリストの果たすべき仕事は一緒。

そこで今回は泣ける映画「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌でも有名な秦基博さんの名バラード「ひまわりの約束」を教材に、指弾き初心者に向けた内容で綴ります。

 

苦戦必至、カンタンなようで難解きわまる指弾き

たとえ中級ギタリストであっても、ピック弾きしか経験してこなかったヒトが基本を知らず指弾きをマスターするのは至難のワザです。

「指弾き」というくらいですから弦を弾く側の手(右利きギタリストの右手)の動きがほぼ異次元、相当な衝撃とイラ立ちを覚えるコトになります。

しかしながら、指板を押さえる側の手(右利きギタリストの左手)もまたピック弾きでは行わない動きがあり、それをマスターするのも戸惑いとイラ立ちを覚えるでしょう。

「イラ立ち」というのは、なまじエレキギターに慣れているだけに、ぎこちない手の動きに思わず指弾きを放棄したくなる感情を示しています。

しかしながら、それぞれの手の動きの基本を覚え、それを実践に落とし込みながら練習を繰り返すうちに指弾きのコツがつかめてきます。そうなれたシメたもの。

いったんコツがつかめたら上達は速いです。そしてイラ立ちしか感じなかった指弾きが面白くなり、気づけば病みつきに。僕もピックを使わず3日が過ぎました。

それでは、前置きが長くなりましたが、右利きギタリストを仮定して解説していきます。

 

指弾きの基本その1:右手の使い方について

クラシックギター経験者なら先刻承知の基本となりますが、弦ごとに使う指は決まっています。

ギターの弦は、細い弦から順に「1弦、2弦」と数えていきます。最も太い弦は6弦になります。原則は「6弦を親指で弾く」です。

以下、5弦を人差指、4弦を中指、3弦を薬指、2弦を小指で弾きますが、ギターは弦が6本あるので、「1弦はどの指で弾く?」という話になります。

指弾きにおいて、一気に6本の弦を鳴らすアプローチはまずありませんので、残り5~1弦を上記の原則をもとに適宜弾いていきます。これが使う指の基本です。

次に、それぞれの指の動きですが、親指は下向きに、残り4本の指は上向きに動かします。右手を開き、親指から順に1本ずつ指を握っていく動作をイメージすると判りやすいです。

弦ごとに使う指と、それぞれの指の動きを覚えたところで、実際に弦を弾いて指弾きに慣れていく練習を繰り返していきます。

なお、指弾きには「指弾き」と「爪弾き」の2つがあります。指弾きは指先を弦に引っかけて弾き、爪弾きは爪で弦を弾きます。

クラシックギターは弦がナイロン製なので問題ないですが、金属弦を使うギターの場合はネイルで爪を固めないと、弦の硬度で爪が割れてしまいます。ご注意を。

 

指弾きの基本その2:左手の使い方について

続いて弦を押さえる側の動きですが、基本的にはエレキギターのコード弾きと同じフィンガリング(運指)を行います。ストロークでのコード弾きやアルペジオを奏でる動きは同じです。

一方、ピック弾きにない動きというのもありまして、コード(和音)を分解して鳴らしていくための運指と、離れた弦を同時に鳴らすための運指の2つがあります。

コードを分解して鳴らす運指の例として判りやすいのが「ひまわりの約束」のイントロです。

1つ1つのフレーズが展開しますが、実はコードで押さえる箇所を分散させながら押さえていくというイメージができていないと習得に苦労します。

指弾きにおける左手の動きは、すべてコード弾きで押さえるポジションが基本であります。

次に離れた弦を同時に鳴らす運指ですが、コレが僕と同じ手が小さいギタリストには鬼門に。

というのも、このアプローチをする場合というのが低音弦と高音弦を同時に鳴らす運指になるため、6弦を親指で握り込むように押さえなければならないのです。

通常、エレキギターのピック弾きをする場合、親指を使って弦を押さえるコトはありません。

そのため、手が小さいギタリストにとっては絶妙な親指の使い方が求められます。親指の先端だけを使って6弦を押さえ、しかも音が詰まらないポイントを掴むしかありません。

僕の場合、もともとネックが細いシェイプのエレキギターを使っているので、親指を使うコツさえ習得できれば弾けるようになりましたが、ネックが太いギターはムリかも知れません。

手の大きさに自信がないヒトは、ネックを鷲づかみにして親指で6弦を押さえて、そのまま薬指が5弦に届くかどうか確かめてみて下さい。

その運指のまま5弦と6弦を弾き、ストレスなくキレイに鳴らない(音が詰まる)ようであれば、そのギターはネックが太すぎて手の大きさに合っていないというコトになります。

 

「ひまわりの約束」を指弾きで演奏するためのヒント

今回、教材として選んだ「ひまわりの約束」は、知名度が高くてライヴで大盛況の拍手をもらえるオススメの曲です(もちろん、一定の水準で演奏できればの話ですが)。

「ひまわりの約束」は指弾き初心者にはうってつけの練習曲です。これまで解説した右手と左手の動きのいずれも必要となるからです。

ヒトによって難しさを感じるポイントは違ってくるかも知れませんが、「ひまわりの約束」の中で最も難しいアレンジはイントロのフレーズです。

イントロの指弾きさえマスターすれば、あとは同じパターンでのアレンジが続きますので、コード進行と押さえるポジションを暗記しながら練習すれば弾けるようになります。

手が小さいギタリストの悩みどころが最初の1~2小節。Fコードを分解しながら弾くフレーズは6弦を親指で押さえるため、ネックを握り込まなければならないからです。

この曲の1小節の運指についてザックリ解説すると、以下のとおりになります。

①まずは2・3・6弦を押さえて弾く(3弦は開放弦を鳴らし2フレットを押弦)

②次に3・4・5弦を弾く(3弦は開放弦なので4・5弦3フレットを押弦)

③最後に2・3・6弦を弾く(3・6弦は開放弦なので2弦1フレットのみ押弦)

これら一連のポジションチェンジの中で最も難しいのが、①から②へのアプローチです。

ある程度、手が大きいヒトであればFコードを握りっぱなしで鳴らす弾き方ができるでしょうが、手が小さいと薬指が3弦の開放弦に触れたミュート状態で音が詰まるからです。

この場合、最初から3弦の開放弦は弾かないと割り切り4・5弦3フレットだけを弾くか、親指を6弦1フレットから離して3つの弦を鳴らすか、いずれかで対応します。

握り込んで6弦を親指で押さえたまま弾けるコツがつかめるようにならなければ、上記のいずれかで弾けば原曲のフンイキどおりプレイできるでしょう。

ちなみに僕は、親指を握り込んだまま開放弦を鳴らさない弾き方です。それでも充分に「ひまわりの約束」の世界観が再現できています。

弾けないフレーズでイライラするより、ソレっぽい指弾きで弾ける方が重要と割り切りましょう。

後日、指弾きが上達してから原曲の完コピに再挑戦すればイイだけの話ですので。