スウィープピッキングの弾き方②~3弦スウィープ編

スウィープピッキングの弾き方②~3弦スウィープ編

エレキギターにおける難解なテクニックは数ありますが、一見地味でありながらライヴで披露するには相当以上の練習量を必要とするのがスウィープピッキングであります。

スウィープピッキングの何たるかについては過去ブログを参考いただくコトで割愛し、今回は最も難しいスウィープピッキング、3弦スウィープについて綴りたいと思います。

スウィープピッキングの弾き方~「コレができれば上級者」の高難易度テクニック→コチラ

前回のブログでご紹介した2弦スウィープもなかなかクセモノなのですが、それ以上に難しいのが3弦スウィープであります。正直、僕も未だに弾きこなすコトができません。

僕が敬愛してやまない速弾きギタリストのレジェンド、イングヴェイ・マルムスティーンの名曲、「DEMON DRIVER」の3弦スウィープを完コピするのが長年の目標であります。

しかしながら、3弦スウィープのコツについては説明できます。ご参考いただければ幸いです。

 

タイミングの取り方が非常に難しい3弦スウィープ

2弦スウィープと3弦スウィープ、どこの何が違うのかという話ですが、似て非なるものとは言い得て妙でして、同じスウィープピッキングでも弾き方がまるで違います。

「まるで」というのは誇張が過ぎると思われるかも知れませんが、その難易度はフィンガリングやピッキングの難しさにあるのではなく、タイミングの取り方の難しさにあります。

なお、「DEMON DRIVER」を例とし、基本的な3弦スウィープのやり方を説明しますと次のとおりとなります(最初の1小節から)。

(1)1弦10フレットを押さえてアップピッキング

(2)1弦10フレットをプリングして7フレットを鳴らす

(3)2弦7フレットをアップピッキング

(4)3弦7フレットをアップピッキング

(5)2弦7フレットをダウンピッキング

(6)1弦7フレットをダウンピッキング

「プリング」とは、ピッキングで音を鳴らすのではなく、押さえている弦を指先で引っかけたまま離すコトによって鳴らすテクニックです。

鳴らす音階を押さえるのは親指に近い指、プリングで弦を弾くのは反対側の指になります。なお、この曲の3弦スウィープでは小指でプリングして人差指で押さえた音を鳴らします。

曲の展開で押さえるフレットは切り換わっていきますが、ダウンピッキングとアップピッキングや1弦プリングの順序やタイミングはすべて同じであります。

というワケで、同じパターンの繰り返しによる怒涛の3連符の応酬が3弦スウィープの醍醐味なのですが、2弦スウィープとの決定的な違いが1つあります。

それはスウィープピッキングの弦の数や人差指のセーハ(複数弦をまとめて押さえる)ではなく、ピッキングとは別にプリングをする動作が1つ加わるコトであります。

通常のスウィープピッキングは複数弦をアップダウンで一律のタイミングでピッキングするコトで成立しますが、3弦スウィープはプリングで1音だけ鳴らす動作が鬼門なのです。

つまり、プリングする間はダウンピッキングを止めなければならないのが最大の難関なのです。

3連符で規則正しいタイミングで弾きこなすには、このプリングさせる間の「一瞬のタメ」を正確なタイミングで待てるかどうかが成否のカギとなるのです。

上記のパターンでは(1)~(3)で3連府、(4)~(6)で3連府となりますが、最難関は(3)に至る(2)のピッキングを止める「正確なタメ」であります。

全ての音をアップ&ダウンで鳴らすのであれば、ピッキングのタイミングさえ揃えればイイ話です。もっとも、それを体現するだけでも相当な練習量が必要ですが。

ところが、3弦スウィープでは1音だけをピッキング以外で音を鳴らさねばならない。この正確なタイミングがどうしても取れないのであります。

 

成否は「プリング直後のピッキングのタメ」にかかっている

3連府は、1拍に3つの音が同じテンポで組み込まれています。

擬音化すれば1小節に「①タタタ・②タタタ・③タタタ・④タタタ」と鳴りますが、この「タタタ」は同じテンポでなければなりません。

ところが、プリングで音を鳴らす①につきましては、「タタタ」のうち1番目と2番目の「タ」の間隔が短くなりがちになります。

つまり、プリングの間は待たねばならない次のアップピッキングの起動に入ってしまうコトにより起こる悪例であります。

そのためには1弦プリングの間に一瞬のタメをつくり、すぐに2弦へのアップピッキングに入ってしまいそうになるところを一瞬待てるかどうか?

そして、そのタメを入れる刹那、ピッキングを止める動作が正確にできるかどうかがカギです。

実際のプレイは高速フレーズの応酬なので、「一瞬のタメ」などまったく感じられないところですが、目を凝らして本人のプレイを見ていると、確かにタメが入っています。

以下、右利きギタリスト向けの解説になりますが(左利きのヒトは真逆で読んで下さい)…。

左手のアプローチは人差指だけを使ってセーハする音階と、そのポジションに中指を加えて2弦のポジションを押さえる音階の2パターンで展開していきます。

一方、右手はアップピッキングとダウンピッキングの繰り返しになります。

プリングの間に一瞬ピッキングを止める「正確なタメ」を同じタイミングで取り続けられるまで、音源に合わせながら反復練習するしかありません。

 

ピッキングにおけるピック先端の角度はダウンに合わせる

もう1つ、右手の動きで気をつけるべき点があります。3連符独特のピックの向きです。

スウィープピッキングでは、ダウンピッキングでもアップピッキングでも、ピック先端を上下には向けません。弦に向かってピック先端を立てるイメージで垂直の起動、上下に弾きます。

2弦スウィープにおいては垂直に向けるのが基本的なピッキングなのですが、3弦ピッキングではピック先端を上向きに合わせます。

つまり、ダウンピッキング主体となるフォームでピッキングを展開するのです。

というのも、2弦スウィープはピッキングをダウン・アップともに同じテンポで行いますが、3弦スウィープはプリングによる一瞬のタメが入ります。

そのため、アップピッキングのスピードが一瞬、遅くなるので垂直に立てる必要がないのです。

むしろ、3連符の後半のダウンピッキングをスムーズに行えるよう、ピック先端を上向きにしても前半で弾き遅れるコトがないのであります。

実際、イングヴェイ本人もピック先端を上向きにしたまま3弦スウィープを行っています。

慣れないうちはアップピッキングが弦に引っかかる感じがしてプレイしづらい印象がありますが、むしろ、アップピッキングが遅れるコトによって「一瞬のタメ」が入れやすくなります。

 

3連符のタイミングをつかむ練習は「3文字の単語を口ずさむ」

このように、1拍に奇数符が入る場合、非常にタイミングが掴みづらくなります。

X JAPANによくある4連符や6連府は、速さはさておき同じタイミングで弾きやすいです(カンタンという意味ではありません)。

ところが、3連符や5連符といった変則符は確固たるリズム取りができないと成立しません。

推奨されているのが、1拍に連符の数と同じ単語を当てはめてリズムを取る練習です。手拍子で、1つ鳴らすごとにその単語を声に出してタイミングを計るのです。

3連符の場合、例えば「バナナ、バナナ、バナナ…」と声に出して手拍子に合わせるのです。

コツがつかめたら、次はエレキギターを弾きながら声に出して3連符を練習します。

声に出す3文字は好きに選べばイイのですが、早口言葉にしやすい単語にしましょう。ちなみに、地名や人名でいろいろ試してみた結果、「バナナ」という単語が最も言いやすかったです。