L’Arc~en~Cielのエレキギターをコピーするには

L’Arc~en~Cielのエレキギターをコピーするには

僕が愛してやまないロックバンドL’Arc~en~Ciel(以下「ラルク」と略)、そのエレキギターの魅力といえば、Kenさんのアレンジセンスに尽きるでしょう。

ヴォーカルHydeさんの美しい歌声と旋律ばかりがフィーチャーされがちなラルクですが、確かな演奏技術に裏打ちされたテクニカルバンドでもあります。

妖しくも美しいHydeさんだけの世界観にエレキギターで応えるには、演奏力はもちろんですが、その卓越したアレンジこそがキモといえましょう。

そして、そのアレンジをコピーバンドとしてライヴで最後まで弾き切るためには、全パートともに相応の演奏力が求められるのであります。

当ブログはエレキギターについて綴る場ですので、今回はラルクのエレキギターを「ソレっぽく」弾くためのコツやヒントをご紹介したいと思います。

 

機材編:いかにストラトキャスターを使いこなせるか

初期の頃はフェルナンデス製のシグネチャーモデルを使用していたKenさんですが、現在はフェンダーのストラトキャスターがトレードマークとなっています。

ヘッド・フィンガーボード・ボディのすべてを深紅で染め抜いたストラトモデルや、ラメが入ったシャンパンゴールドのフライングⅤモデルからストラトキャスターへ。

ピックアップがハムバッカーからシングルコイルへ変更されたコトをふまえたサウンドメイクが、ラルクの「ソレっぽい」ギターサウンドを再現するカギになります。

使用すべきエレキギターは、当然ストラトキャスター

以上から、ラルクを再現するのであれば、フェンダーのストラトキャスターあるいは他メーカーのストラトモデルというコトになります。

ファンには先刻承知でしょうが、Kenさんはフェンダーのシグネチャーモデルを使用しています。ですが、コピーバンドで演奏する分にはストラトモデルを選べば問題ありません。

シングルコイルを3基搭載されてハーフトーンが使えて、シンクロナイズドブリッジが搭載され、ピックアップセレクターが斜めに配置されているエレキギターが必要です。

以上の条件を満たすとなれば、必然的にストラトキャスターかそのコピーモデルとなります。

「ここぞ!」という場面でフロントピックアップを効果的に使う

音源やライヴ映像を確認する限り、「花葬」や「Driver’s high」のイントロや、ギターソロがある曲のソロはフロントピックアップを使っています。

一方で、リフやカッティングなど、ギターパートの切れ味やメリハリを明確に表現すべき場面ではリアピックアップを使っています。

フェンダーのストラトキャスターはリアピックアップのトーンコントロールがありません。タダでさえピーキーな特性な上に、歪ませればさらにその特性が強まります。

ギターソロは単音での高音域を多用するのが常です。ストラトのピーキーな特性を配慮し、甘くてまろやかな特性のフロントピックアップをセレクトしているのでしょう。

リフやカッティングはリア、ギターソロなどの見せ場ではフロントを使うのがラルクの基本です。

ハーフトーンを使っているシーンは映像から確認できないのですが、バラードでヴォーカル優先とすべき場面で効果的に使うと良いでしょう。

僕はセンターピックアップを低めに設定し、リア+センターのハーフトーンを使います。リアだけセレクトした場合よりも音量が抑えられ、音質がまろやかになるからです。

 

演奏編:再現のキモとなるのは「スライドのタメ」と「独特なヴィヴラ―ト」

ラルクのエレキギターをコピーする場合、タッピングやライトハンドといった奇抜なプレーは一切必要ありません。あくまでも基礎的な演奏技術に終始します。

Kenさんは多彩なエフェクトを使いこなす技巧派でありますが、フロントマンとしての派手さや、ステージでの奇抜さを求めるタイプのギタリストではありません。

布袋寅泰さんのように縦横無尽にステージを動き回るコトもしませんし、そういう意味では地味なタイプのギタリストといえましょう。

しかしながら、卓越した演奏技術に裏打ちされたテクニカルタイプのギタリストであるコトなのは間違いありません。そして、ライヴでこそ真価を発揮するギタリストでもあります。

アルバムではアッサリ聴かせる速弾きが、ステージではその1.5倍以上の高速プレイに昇華されていたりします。それもサラッと弾いてしまうのです。

恐らく、ステージでのパフォーマンスはヴォーカルHydeさんやベースTetsuyaに一任し、自分は演奏に徹するというスタンスでいるものと思われます。

前置きが長くなりましたが、Kenさんのギターアレンジは、奇抜さはない分、エレキギター弾きが習得しておくべき基礎テクニックが満遍なく使われています。

そのため、「ラルクが弾けるギタリストであれば中級者以上」という基準を設けても、誰も異論をはさむ余地はないと思われます。

チョーキング、ヴィヴラ―ト、スライド、プリングといった基礎中の基礎、凝ったコードワークによるアルペジオやカッティング、そして速弾き満載のギターソロ。

いずれもエレキギターの基礎が身についていないと習得できない曲ばかりなのですが、Kenさんのギターソロの妙と呼べるのが「タメのあるスライド」と「独特すぎるヴィヴラ―ト」でしょう。

「タメのあるスライド」を表現するには

イントロのカッティングで始まるのが「花葬」、その後に展開する抒情的なギターソロ、「Winter fall」で展開する、思わず踊りたくなりそうな旋律のギターソロ。

いずれにも共通して使われているのが、低音域から高音域に一気に上がるスライドです。

ラルクのコピーで重要なのが、バンドスコアにある採譜だけでなく、CD音源やライヴ音源を何度も聴きながらコピーするコトです。

楽譜で再現できないのがKenさんの「スライドのタメ」です。楽譜どおりにスライドさせるのではなく、一瞬だけタメをつくってスライドさせるのです。

そのタイミングをグラフで表現するなら、直線状に斜め上を行くのではなく、二次関数の二次曲線のような弓なりに上がっていくイメージです。

Kenさんの演奏を何度も視聴し、そのフンイキを再現するコトができれば、情感たっぷにラルクの世界観を堪能するコトができるでしょう。

「独特なヴィヴラ―ト」を再現するには

「Driver’s high」におけるイントロ、中盤、エンディングのソロパートで、フレーズの最後に繰り出されるのが、あの印象的なヴィヴラ―トです。

実は、ラルクのエレキギターで最も再現が困難なテクニックなのはヴィヴラ―トです。

活字で表現するのが実に難しいのですが、最後の一音をピッキングしてから音が途切れるまでの間、音の最後に向けて音階が上下に揺れる感覚です。

チョーキングとヴィヴラ―トはカッティングと同じく、ギタリストの個性を最も際立たせる技巧の1つですが、Kenさんのヴィヴラ―トは本当に独特な響きがあります。

ラルクのエレキギターを「ソレっぽく」聴かせられるかどうかは、ある意味で速弾きのテクニック以上にヴィヴラ―トの再現の如何にかかっているといっても過言ではありません。

そのヴィヴラ―トの再現のコツは「規則的な上下の揺れ」と「うねるようなメリハリ」を意識したアプローチです。

「Driver’s high」に限っていえば、ソロパートのヴィヴラ―トはいずれも2弦19フレットをいかに「ソレっぽく」揺らせるかにかかっています。

音階の上下につきましては、音のピッチを外さない範囲内で、正確な上下の揺れを再現するコトが求められます。

また、揺れるピッチのタイミングについても、速くなったり遅くなったりと不安定にならないよう、正確に揺らせる必要があります。

そして、音の最後に向けて、上下に揺れるタイミングを速めていく。それも二次曲線的に。

「ソレっぽい」ヴィヴラ―トのコツは、心持ち弦を持ち上げたまま素早く上下させるコトです。

1/2音⇔1音の繰り返しによって音を揺らせる、すなわち1フレット上げの音階を保ったまま、1フレットと2フレットの音域を上下させるのです。

ヒトの聴覚に心地よく響くヴィヴラ―トこそがKenさんの偉大な個性の1つです。

その演奏を再現するためのヴィヴラ―トを体得できれば「ソレっぽさ」が「玄人っぽさ」となり、いずれ「巧さ」に昇華されるコトでしょう。