エレキギターを楽しみながら上達できる唯一の方法

エレキギターを楽しみながら上達できる唯一の方法

義務教育プラスアルファの勉学。そして、社会人になってから定年まで延々と続く勤労。世の中には、たとえどんなに辛く苦しくても、イヤでも絶対にしなければならない義務があります。

一方、僕を含めたアマチュアギタリストにとって、エレキギターを弾くのは義務ではなく趣味。

ところで、趣味というのは人生に彩りを与える崇高なものでもあります。辛く苦しい勉学や勤労が続けられるのも、趣味で得られる喜びと楽しみがあってこそといえましょう。

しかしながら、趣味にも10年単位で続けるヒトから、初めて数日あるいは数ヶ月も経たずやめてしまうヒトまで十人十色であります。

せっかく始めたエレキギターやめてしまうヒトがどのくらいの割合か、その統計があるのかどうか判りませんが、長続きしない理由ならハッキリ判ります。

その理由は他でもない「エレキギターを弾くのが難しい」からであります。また、挫折してしまう理由に「思うように弾けない」「弾きたいフレーズが弾けない」が挙げられます。

かくいう僕も、エレキギターを始めて30年以上、弾きたいフレーズは相変わらず弾けません。

ライフワークのごとく続けているイングヴェイ・マルムスティーンの楽曲コピーも、フルコピーを敢行するのは人生をかけての一大事業となるでしょう。

しかしながら、「去年よりは巧く弾けるようになった」とか「去年までは弾けなかったフレーズが1つ弾けるようになった」の自覚はあります。歩みは遅いけど、確実に上達はしている。

そこで今回は、エレキギターを楽しみながら上達する考え方についてご紹介します。

 

「毎日、短時間でも弾き続けるコトが上達の早道」のウソ

弾きたくない時にまで、ムリをして弾くコトはない

エレキギターを楽しみながら上達したいのなら、気分が乗らない時や勉強や仕事で疲れ切っている時にまでムリヤリ練習するのは推奨しません。

むしろ、弾きたくない時は完全に練習するのをやめて、他に好きな気晴らしをしてエレキギターのコトなど考えない方がよほどマシです。

そして、数時間後あるいは数日後「ちょっとそろそろ弾いてみるかな」くらいのマインドで練習を再開するのがベストです。

10年単位でエレキギターを弾いていれば、数時間単位で弾きたい時期も定期的に訪れます。練習時間が確保できる状況で、気力体力ともに集中できる瞬間に弾きまくるのです。

弾きたくない日はムリをしない。その分、弾きたいと思った日に弾きまくる。その方が結果的に、「気づいたら予定時間を大幅に超過して練習に集中できた」となります。

「エレキギター 上達」でグーグル検索してみると、分単位の短時間でイイから毎日休まずに練習を続けるべきというアドバイスを少なからず見かけます。

僕の長年の体験からいわせていただきますと、このアドバイスを額面どおりで受け取って良いのは「将来はエレキギターでメシ喰ってやる!」というプロ志向のギタリストのみ。

僕が同様のアドバイスを挙げるなら「毎日休まず」ではなく「毎日弾かなくてイイ、ただし10年単位で」エレキギターを弾き続けましょうというコトです。

公衆の面前なので謙遜した文章を綴っていますが、完成度はともかく、弾けるかどうかでいえば、前述のイングヴェイ・マルムスティーンのギターソロは数曲モノにしました。

気力・体力・時間ともにあり余っていた中高生の頃はまったくダメでしたが(それこそ毎日休まず練習しても)、それから30余年、週に数回というペースで現在もなお上達を続けています。

毎日、弾き続けなくても確実に上達はする

弾きたくない時は存分に休み、それこそ気が向いた時に数分、例えばテレビやネットを観ながら、ちょっと思い立って弾きたいフレーズを1つ2つ練習する。

もちろん、コレだけで上達はしませんし、最低でも週に1回くらいは1~2時間単位で本気の練習もしなければ、難解フレーズやバンドで演奏する数曲を弾けるようにはなれません。

問題なのは「長期間にわたって弾き続ける」コトであり、短期間のわずかなスパンで「毎日5分、最低でもコレだけは欠かさず練習」では自分を追い詰めるだけです。

詳しくは後述しますが、たとえ「全く同じ練習方法や練習時間を積み重ねた」としても、天賦の才は酷なもの。上達するまでの時間はヒトそれぞれです。

マジメなヒトほどコンを詰めすぎて「こんなに努力してるのに…」とか「あのヒトはもうあんなに弾けてるのに」と落ち込み、ヤル気を失ってエレキギターをやめたくなります。

長く弾き続けてさえいれば、プロにはなれなくとも、かつて弾きたいと思っていたフレーズを必ず弾けるようになると思ってエレキギターを楽しむ方がよほど建設的であります。

事実、僕もイングヴェイの「トリロジー」の2弦スウィープや「デーモン・ドライヴァー」の3弦スウィープを気が向いた時に少しずつ練習し続け、5年かけて弾けるようになりました。

 

毎日、弾き続けるコトによって起こる弊害の数々

プロにはプロの、アマチュアにはアマチュアの事情がある

どこまで額面どおりに受け取って良いのか判りませんが(おそらく事実でしょうが)、プロの海外ロックギタリストは毎日8~10時間練習しても平気だといいます。

プロである以上、契約に応じて最高のアルバムを作成し、持てる才能・知識・技術の粋を凝縮して生み出した楽曲にエレキギターで命を吹き込むワケです。

ギタリストに限った話ではありませんが、職業演奏者として必要な「仕事の一環」として長時間にわたる練習を日々、続けているといえましょう。

その意味では、われわれサラリーマンも毎日8~10時間(ヒトによってはそれ以上)仕事に精を出しています。弾くのが趣味か仕事かで、その意味合いがまったく異なるのです。

われわれアマチュアギタリストが毎日8~10時間、エレキギターを弾くのは実質的に不可能です。そして、プロでない趣味の延長上で、毎日5分単位で弾く義務もない。

毎日、絶対エレキギターを弾きたいと思うならそうするべきです。逆に、たとえ5分でも「今日は弾く気分じゃない」という時は休むべきです。

義務でない以上、「●●しなければならない」という強迫観念では長続きしません。

10年単位で続けていれば、いつかアマチュアバンドで練習を積み重ねたフレーズを弾きこなし、オーディエンスを存分に盛り上げ、充実感や達成感を味わうコトも可能なのです。

10年後の超絶技巧の実現に比べたら、近視眼的視点に基づく「(イヤでも)毎日休まず5分!」など些末な問題にすぎません。むしろ自ら趣味を諦めてしまう弊害になりかねない。

もっと肩の力を抜いて、「早く弾けるようになりたいけど、いつかそのうち弾けるようになるさ」くらいの気持ちで、トータル的な「継続は力なり」を見越していきましょう。

くどいようですが、諦めたり腐ったりせずに長期間弾き続けていれば、どんな難解なフレーズでも「必ず」弾けるようになります。

練習していない時間も確実に上達する~その理由とは

毎日練習の推奨派の皆さんは「1日、練習しないだけでウデが落ちる」といった主張をします。

しかしながら、僕にいわせれば、たとえ1週間単位で練習をしなくとも、10年単位で積み重ねたスキルがそうそう簡単に失われるコトはありません。むしろ上達するくらいです。

皆さんにも、体育や音楽の授業で似たような体験が1つ2つあると思います。

何度練習してもできなかった逆上がりがある日突然できるようになった経験。絶対できないと諦めていた課題曲が、練習を休んだ次の日にスラっと弾けるようになった経験。

ヒトは頭脳も肉体もそうですが、訓練と休息の組み合わせが必要です。強くなる(巧くなる)ためには休むコトも絶対に必要なのです。

また、リスクヘッジのためにも休息は必要です。酷使によって身体を壊すリスクがあるからです。

事実、20代の頃、エレキギターの弾き過ぎで左手(指板を押さえる側)が腱鞘炎に。手首を折り曲げると激痛が走り、しばらく整形外科のお世話になった時期がありました。

話を上達への方法論に戻しますが、上達するまでの期間はヒトそれぞれであっても、上達ペースはある程度の共通性が見受けられます。

上達ペースをグラフ化すると、右肩上がりとフラットの繰り返し。初心者から中級者に向かっては右肩上がりの急上昇が著しい。練習すればするほど巧くなるのを自覚できます。

ところが、いつか必ず右肩上がりがストップし、グラフがフラットラインを描く期間が訪れます。

そして中級者から上級者に向かって、右肩上がりが少なくなっていく一方、「練習しても巧くならない」と嘆くフラットライン期間が徐々に長くなっていくのです。

しかしながら、逆にいえばフラットライン化が長期化したとするならば、その水準の技術と知識が完全に習得できたというコトでもあります。

つまり、少なくともフラットラインを描くそのレベルのスキルやテクニックだけは「いつでも引き出せる状態で完璧に身についた」という証拠でもあるのです。

僕が上述で「1週間単位で練習しなくともウデが落ちるコトはない」といったお話をした理由が、ここにあります。

たかが1週間の休息で失ったカンなど、ものの5分もあれば瞬時に取り戻せるのであります。

10年間、自転車に乗っているヒトが1週間ぶりに自転車にまたがった時、「アレ、ペダル踏むのヘタになった?」と思うかという話です。

コレがプロの競輪選手やロードレーサーであれば話は別でしょうが、通勤や通学、ロングライドを趣味でまたがる限り、何の問題もありません。

むしろ、「毎日またがらなければ脚力が落ちる」などと毎日練習を敢行し、ケガや故障を起こして趣味のロングライドが愉しめなくなる方が僕には重大な問題であります。

エレキギターを楽しみながら上達する、その方法は、

「休みたいときは存分に休みながら、10年単位でエレキギターを弾き続ける」

コレにつきます。

1日、1週間、1年間という休息期間があっても最終的に10年後も飽きずにエレキギターを弾き続ける。コレこそがアマチュアギタリストにとって最良の上達法であります。

エレキギターが好きでやめられない。けれど、弾きたくない時は弾かない。思い切って手放すのもやぶさかではない。そして、また弾きたくなったら弾く。

エレキギターが心底好きなら、その時はイヤになって手放しても、あとで必ず弾きたくなります。その時にまた買い直せばイイ。

最初から意図したワケではありませんが、振り返ってみると最良な思考論理でした。

アラフィフの入り口にさしかかった現在、スローライフならぬスローギターを愉しんでいます。