コツさえつかめば必ず弾ける! カッティング講座

コツさえつかめば必ず弾ける! カッティング講座

すでに出尽くした感がある多種多様なエレキギターの演奏テクニック。その代名詞といえるのが、今回のテーマ「カッティング」であります。

ライトハンドをしないギタリストは多数いても、カッティングをしないギタリストなど皆無。

つまり、それほど圧倒的に頻度が高い必須テクニックといえます。

ところが厄介なコトに、ソレを弾かせれば、たとえシロウトでも一発で腕前の程度が判ってしまう(バレてしまう)のがカッティングであります。

そもそもディストーションをかけて速弾きを繰り出されても、巧いんだかヘタなんだか判らない。そして、すぐに飽きられてしまう。

一方で、誰に聴かせても、巧いギタリストのカッティングはいつまでも聴いていられるし、ヘタなカッティングはヘタにしか聴こえない。

かたや「巧い!」「凄い!」と思われ、かたや「アレ?」と、なんか微妙に思われてしまう。

存在意義と矛盾するように思われますが、カッティングの神髄は「いかにキレイに音を鳴らすか」ではありません。

肝要なのは「いかにキレイに音を切るか」、すなわち空ピッキングの是非にかかっています。

カッティングの基礎について

カッティングは、いってみればエレキギター基礎中の基礎「弦を弾いて鳴らす」の集大成であり、たとえ簡素でもカッティングができるようになれば脱初心者を自称してOKです。

基礎中の基礎というくらいですから、「弦を弾く」と「弦を押さえる」の基礎ができているコトがカッティングを極める第一歩といえます。

それらの動作がマスターできているコトを前提として、カッティングを演奏する両手の動かし方の基本について綴っていきたいと思います。

以下、右利きギタリストを基準に解説していきます。いうまでもありませんが、左利きギタリストにつきましては左右逆となります。

右手の使い方~ピッキング編

弦を弾く瞬間、適度に力を逃がす

ストロークの支点は肘ではなく手首

まず「適度に力を逃がす」ですが、アップストロークはピック先端を下向きに、ダウンストロークは上向きになります。

その際、人差指と親指でガチガチに強く握っているとピック先端が固定されてしまう。音にキレがなくなりますし、ピックが弦に引っかかって速いアプローチができなくなります。

僕も初心者の頃はガチガチにピックを握り、力任せなピッキングで1弦を切ってしまうコトがよくありました。

そこで、慣れるまで、ピックが指先からすり抜けるギリギリの力加減を意識してみましょう。適度な力加減が判れば、同時に手首の動きもリラックスします。

キレの良い軽快なカッティングの第一歩はピッキング瞬間の力の逃し方にかかっており、ピックの握り方、その力加減を覚えるコトが基本中の基本となります。

次に、カッティングにおけるストローク(ピッキングに伴う上下運動)について解説します。

弾き語りでコード弾きを行う場合は、肘を支点にして、肘から下を大きく振り子のように動かしてピッキングします。

一方、カッティングにつきましてはストロークの支点が手首となります。肘はそれに付随して多少上下に動く程度、むしろ「手首から上は動かさない」くらいの意識でOKです。

肘ではなく手首を支点にピッキングするのは、実音と空ピッキングを交えて素早く弦を弾くために最小限の軌道で弧を描く上下運動する必要があるからです。

なぜなら、基本的にカッティングはスローで行うものではなく、むしろ高速でストロークするのが通常だからです。エイトビートであっても16分音符がスタンダード。

ムダな大振りではなく、コンパクトな小振りでストローク。それを実現しようとすれば否応なしに手首が支点となります。

もう1つ、ピックの軌道は弦に垂直ではなく、小指方向へ斜めに軌道を描くように意識すると力を逃がしやすいです。

左手の使い方~フィンガリング編

鳴らしてはならない音を「止める」

空ピッキングを鳴らすために「切る」

カッティングのキモは手首を支点に素早く弧を描くように上下する右手にあるように思われがち。ところが、実は左手こそがカッティングの成否のカギを握っているのです。

その名のとおり、「カッティング」とは「音を切る」テクニックそのものであります。

鳴らしてはならない音を「止める」ためのミュート。

実音でない音、空ピッキングを鳴らすための「切る」ミュート。

音を切るためには、これら2つのミュートを同時に使い分けなければならない。そして、これらのミュートを行うのが左手なのです。

メタルやハードロックのバッキングでリフを刻む際には右手のブリッジミュートで音を切ります。

カッティングで右手を使う場合がありますが、ブリッジミュートで低音弦の実音をハーフミュートさせる場合などに限定されます(例:東京事変「群青日和」のイントロ)。

元BOOWYの布袋寅泰さんが高速フレーズをブリッジミュートするシーンを見かけるコトがありますが、カッティングというよりブラッシングという別なテクニックになります。

布袋さんも、カッティングでアプローチする際は弦に軽く手刀をあてがう程度です。

このように、左手を駆使して実音を鳴らして聴かせるフィンガリングと2つのミュートを交互に、あるいは同時に行わなければならない。これらの難しさが脱初心者と呼ぶ所以です。

鳴らしてはならない音を止めるためのミュートとは「空ピッキングをする弦にも軽く触れておく」「実音を鳴らさない弦に軽く触れる」であります。

コードポジションを押さえている指を寝かせたり、使わない指を鳴らさない弦に触れたりすれば「止める」ミュートが成立します。

難しいのは「切る」ミュートでしょう。コレはもう「練習するしかない」というしかありません。

いちはやくコツをつかむためには、空ピッキングの瞬間に「弦に触れたまま指を浮かせる」、実音を鳴らす瞬間に「しっかり押弦する」のメリハリをつけるコトです。

音符で×表記されているのが空ピッキングです。あとは16部音符の♪表記で押さえる、×表記で浮かせるという繰り返しをひたすら行い、音源に合わせてみる。

そこで、空ピッキングのフィーリングとタイミングをつかみ、左手の動きを習得するまでの間は、右手の「ピッキングの簡略化」をオススメします。

つまり、先にフィンガリングを習得し、次にピッキングを覚えるという段階方式です。とはいえ、何も難しい話ではありません。

例えば、1~5弦のポジションを押さえるカッティングを行うとします。その際、しっかり5つの弦を鳴らすのではなく、鳴らせる範囲内でピッキングするのです。

つまり、5つの弦を全部キレイに鳴らせないと悩んでいるなら、高音弦のみ鳴らせばイイのです。1~3弦または1~4弦が鳴っていれば、カッティングとして充分に成立します。

空ピッキングも同様でして、まずはキッチリ鳴らせる弦だけをしっかり「切る」。経験値を上げていけば、いずれ6弦すべて「切る」コトができるようになります。

まずは「鳴らす」「切る」「止める」、これら3つを使い分ける。そして交互に、あるいは同時にこれら3つを組み合わせていく。

以上がカッティングの基本であります。

なお、蛇足ですが、カッティングのセッティングはクリーン系またはクランチ系で。

これらをもとに規則的な動きをスムーズにカッティング。シロウトを唸らせるレベルに達したら、次は複雑なコードチェンジや変則リズムの難曲に挑戦していく。

そしていつか、日本屈指の超絶技巧集団「東京事変」のコピーをサラリと演奏してみせる。

この域に達すれば、晴れてカッティング上級者の仲間入りとなります。

もっとも、アマチュアバンドで東京事変の曲をコピーするとなれば、全パートが腕利きの上級者でなければ成立しないのですが。