続・Limited Roastedストラトキャスターのレビュー

続・Limited Roastedストラトキャスターのレビュー

前回、数年ぶりに購入した真正ストラトキャスターを通じて「Made in Japanという和製仕様」のフェンダーについて、僕なりの想いを綴りました。

今回は、和製フェンダーを語る根拠となったLimited Roasted(焙煎加工による限定)ストラトの魅力について、さらに深く掘り下げて綴っていこうと思います。

まずは前回のおさらいですが、購入後間もない頃の製品レビューを振り返ってみます。その詳細については、併せて下記の記事をご参照ねがいます。

フェンダーの正統な血族「Made in Japan」→コチラ

前回の振り返り~Limited Roastedストラトキャスターの魅力

・焙煎加工がもたらす深みのある色合い

・狂いや乱れのない丁寧かつ緻密な造り

・随所に奢られた厳選パーツの数々

・手触りも握り心地も最高のネック

・まるで指先が吸いつくかのような指板

・畏怖すら感じる直接的かつ強烈な弦振動

以上、Limited Roastedストラトキャスターを購入して気づいた点や魅力について。

あれから1週間が経過し、焙煎加工の限定版ストラトキャスターを毎日弾き込んでいく中で新たに気づいた点があります。以下、その詳細について。

 

外観・品質

焙煎加工による独特な色合いのボディ、同系色に着色されたネック、ブラックの1Pピックガード。ナチュラルなダークブラウンに統一され、精悍でありながらも異彩を放つ外観。

そして、強烈なコントラストを演出するホワイトのピックアップとコントロールノブ。

当初の予算を上回ったのも、ひとえにこの外観に惚れ込んだからであります。超人気でありふれた同じストラトキャスターの中でも、外観でカブるというコトはまずありません。

なお、品質という点においては、ちょっと辛口ですが、ミドルエンドのエレキギターとしては可もなく不可もなしといったところでしょうか。

コスパ(費用対効果)だけで語るなら、当ブログでご紹介したフジゲンに軍配が上がります。

Limited Roastedシリーズはストラト・テレキャス・ジャズマスターがありますが、いずれも実売価格は148,500円といったところです(ブログ執筆現在)。

一方、フジゲン製のストラトモデルから選べば、同程度の品質を10万円前後で購入できます。

余談ですが、逆に20万円で予算が組めるのなら、超一流の和製ストラトモデル、ヴァンザントの中古やモモセのローコスト版を狙うコトができます。

今回はあくまで、Fenderのストラトキャスターを入手したいという目的ありきの選択でした。

前回、ミドルエンドというコトで構成パーツも相応のグレードが奢られている件を綴りましたが、今回はトレモロブリッジで気づいたコトがあるので追記を。

わずかな力で非常にスムーズに稼働するアーミング、その根源となる2点支持のブリッジ上に6つ、Fenderの刻印がなされたブリッジサドルがあります。

「ああ、こういうところも真正フェンダーだな」と感心しながら凝視していると、「あれ?」と、新たな発見がありました。ブリッジサドルを固定するイモネジの長さです。

ブリッジサドルはオクターブチューニングのために前後に動かせるほかに、弦高調整のために上下にも動かすコトができます。

その調整を担うのが、ブリッジの中央を走る弦を挟むように装着されているイモネジです。

このイモネジはブリッジサドル1つにつき2個、合計で12個あります。ところがそのイモネジ、1弦と6弦の長さが短く設定されているのです。

安価なストラトモデルのイモネジは全部同じ長さです。当然それがフツウと思っていました。

では、なぜイモネジの長さが違うのかといいますと、エレキギターの指板は平らでないからです。中央を頂点に緩やかな弧を描いているので、1弦と6弦は必然的に弦高が低くなるのです。

特に、僕のように弦高を低く調整したいギタリストにとって、ジャマになるのがイモネジの先端。

というのも、弦高を低く調整すると、その分だけブリッジサドルからイモネジの先端が飛び出して露出します。それが演奏中に引っかかるので弾きづらくなるのです。

その点、1弦と6弦は低めに設定するコトが判っているのだから、最初から短めのイモネジを採用すれば、弦高低め派のギタリストにとって非常にありがたい話になるのです。

ネットの写真からでは絶対に判らない、あるいは試奏させてもらっても気づかないまま終わるほど些細な話かも知れません。

しかしながら、このLimited Roastedシリーズは決して奇をてらったルックス偏重主義ではなく、あくまでもギタリストファーストに徹した限定モデルであるというコトができます。

 

感触・弾き心地

一般的に、視覚的な錯覚として暗色系は実物よりも凝縮されて見えますし、逆に明色系は膨張して見えるものです。

その錯覚もあるのでしょうが、このLimited Roastedストラトキャスターは実物よりもコンパクト。手持ちのストラトモデルと比較して、視覚的にそう感じる理由はスモールヘッドのデザイン。

6つのペグの間隔が狭く、隣接している関係上、ヘッドも小型化されているようです。

楽器店で見比べると良く判るのですが、同じフェンダーでも、シリーズやグレードの違いによってストラトキャスターのヘッドデザインはずいぶん違います。

また、極端に短く感じるネックの違和感もストラトキャスターならではの感触でしょう。思わず、「ミディアムスケールか?」と錯覚してしまったほどです。

のちに気づいたのでしたが、その違和感の正体は21フレット仕様によるものです。

ギブソンは22フレット、アイバニーズは24フレット。レギュラースケールといっても、正統なストラトキャスターは1フレット少ない分だけ実質的に短いのです。

しかしながら、実際に抱きかかえて弾いてみると、視覚以上に触覚的に小さく感じます。

手持ちのストラトモデルと比較して、弾き比べてみてもやはり小さく感じる。つまり弾きやすい。総重量3.1キロという超軽量というのもコンパクト感に拍車をかけます。

ところが、コレは失敗だったと思うのが結果的にアダとなった軽量さでした。ストラップにかけて肩から下げると、どうもボディの収まりが悪いように感じてしまう。

重量があるエレキギターは、まるで確実に食らうボディブローのごとく演奏中にストラップが肩に食い込んでいきます。バンド演奏のために軽量モデルを選んだ次第でした。

ところが、軽過ぎれば軽過ぎたで、ボディが最も弾きやすいポジションに収まってくれない。すぐ腰のあたりでフワフワ動いてしまうのです。

それぞれの楽器店ホームページを見れば、取り扱っているLimited Roastedストラトキャスターの重量がすぐ判ります(未公表でも、問い合わせれば即答してくれます)。

そこから読み取れる一般的なストラトキャスターの重量は3.6キロ前後ですが、Limited Roastedストラトキャスターは軽めで、3.3~3.6キロで選ぶコトができます。

限定モデルなので早い者勝ちですが、この中から好みの重量を選ぶのが無難かつ妥当であります。

 

結論~唯一無二の個性派ストラトが欲しいなら「買い」

以上、Limited Roastedストラトキャスターのレビューでした。

正直、15万近い予算を組むのであれば、さらにコストパフォーマンスが高い国産ストラトモデルが選べます。中古も含めれば、さらに選択肢が広がる。

しかしながら、まずお目にかかるコトがないであろう独特な仕様やルックス、そして真正ストラトキャスターとしての価値を見い出すのであれば、文句なしに「買い」だと思います。

ライヴ派のギタリストにとっては「あのストラト珍しくない? フェンダー?」とステージで注目されるコト請け合い。ルックスでカブらないストラトが欲しいギタリストにはオススメです。

最後に、ひとつだけ演奏面で気になる点を挙げておきます。

フレットエッジの研磨が滑らかなのは美点ですが、研磨が内側へ干渉しすぎており、そのため1弦でフレット落ちの現象が起こりやすい点です。

ストレッチ奏法でプリングした際にその症状は顕著で、無意識に下方へ弦を引っ張るクセがあると「パツッ」と音切れを起こすので注意が必要です。

不用意に弦をベンドさせない演奏を心がければよい話であり、低音域から中音域へ一気にスライドさせる場合、指がフレットエッジに当たらずスムーズな移動ができます。

1弦がツルっと落ちないよう意識して弾く必要がありますが、個体差があるのかも知れません。

できれば、いちど試奏してフレット落ちがないか試した方が無難です。