ギタリスト目線で語るB’zの魅力

ギタリスト目線で語るB’zの魅力

「永遠の中級ロックギタリスト」を自認しながら、しがないブログを綴る者として、絶対に避けて通るコトができないのが日本ロック界のレジェンド、B’zであります。

今や唯一無二の至宝といっても過言でないほどの存在となったB’zの概要を説明するまでもないでしょう。恐らく、B’zを知らない日本人を探す方が困難なほどに。

それでも一応は最低限のプロフィールだけをご紹介しますが、B’zはヴォーカル稲葉浩志さんとギタリスト松本孝弘さんのロックユニットであります。

思い出話で恐縮ですが、デビュー当時のB’zデビューは大変失礼ながら「TMの二番煎じか?」と思ってしまいました。完全にイロモノ扱いだったワケです。

初めて聴いたのは中学2年、父が運転するクルマのカーラジオでした。女性パーソナリティーがB’zを紹介し、デビュー曲「だからその手を離して」をオンエアしたのです。

その曲調は打ち込み(電子ドラム構成によるリズム隊)と鮮やかなキーボードを従えてのバリバリのロックサウンド。今にして思えば稲葉さんの初々しさを感じる歌唱でした。

しかしながら、そのユニット名もサウンドメイクも当時大人気を博していたTM NETWORK(以下「TM」に略)の影響を色濃く受けるものでした。

それもそのハズ、後年になって知るコトになるのですが、当時TMのサポートメンバーとして洗練された速弾きを披露していたのが松本さんそのヒトだったからです。

オーソドックスなバンドではなくユニットというのは、当時としては異色とされながら、少数派でありながらミュージックシーンを席巻するモンスターユニットへ進化。

なお、同時期に活躍したロックユニットとしては、元BOOWYの布袋寅泰さんが吉川晃司さんと組んだCOMPLEXがあります。

しかしながら当時の僕は逸早くソロデビューを飾り華々しい活躍を見せつける氷室京介さんに夢中でして、その熱が冷めてからはBOOWYにのめり込む毎日を送っていました。

そして光陰矢の如し、BOOWYのコピーに明け暮れていた少年は中年になり、アマチュアバンドで悪戦苦闘する毎日を送るコトに。

あれから32年の月日が流れ、氷室さんは一線を退き、布袋さんや吉川さんはソロで活躍する中、全盛期の怒涛の勢いのままシーンを席巻し続けているのがB’zであります。

 

ギタリスト・コンポーザー・プロデューサー:3つの顔を持つ凄腕ミュージシャン

今はもう手元にないですが、「ヤングギター」でイングヴェイ・マルムスティーンのライヴの演奏解説が特集された号で、松本さんの特集が組まれた記事がありました。

記憶を辿ると、松本さんがかつてスタジオミュージシャンで、当時のロックアルバムは松本さんを含む3人のギタリストで録音していたとの記事がありました。

また、B’zはバンド形態を予定していたのですがメンバー選考が思わしくなく、オーディションで合格した稲葉さんから「2人でもイイんじゃない?」とのコトでユニットになった記事も。

その記事は松本孝弘というヒトがどのような人生観をもって音楽に向き合っているかを朴訥に語るものが大半であり、松本さんもまた一介のギターキッズなんだなとホッコリした記憶が。

演奏解説もキッチリ組まれ、「その気になれば速い」との解説のもと、16連符の応酬や32連府などという見たコトもないフレーズにゲンナリした記憶も。

その中で松本さんのインタヴュー語録で非常に印象に残っているのが「とにかくB’zがどうしたら売れるか、そればかり考えていた。ギターのコトは後回し」というお話です。

このインタヴューには、松本さんを語る上で重要な32つの要素が含まれています。

・ギタリストとして、どんな超絶技巧も「いつでも弾ける」圧倒的な演奏テクニック

・コンポーザー(作曲家)として、いかに売れる曲を書けるかという卓越したセンス

・プロデューサーとして、つねに時世を読みながらB’zを売り出していく先見の明

ときに情熱的、ときに抒情的。その楽曲に応じて超絶技巧を自由自在にエレキギターで弾き切り、それでいて「この音は松本さん!」と万人に知らしめる個性すら両立させている。

速いだけのギタリスト、巧いだけのギタリスト、技術はさておきステージで華があるギタリストは数あれど、速くて旨い、ステージでは静のポジションとして華があるのが松本さんです。

ステージを縦横無尽に駆け巡り、圧倒的な歌唱力でシャウトしまくる稲葉さんを立てる意味であのポジションなのでしょう。たとえ不動で弾いても華があるギタリストはそういません。

どんなに熱く激しくエレキギターをかき鳴らしても正確無比なプレイに揺らぎはない。どんな難解なフレーズも涼しい顔をしながら、いともアッサリ弾き切ってしまう。

そんなロックギタリストのレジェンドたる松本さんですが、単にギタリストとしてのウデが優れているだけでは30年以上もシーンを席巻し続けるコトはできません。

稲葉さんのヴォーカルを活かし切る作曲ができて、さらにB’zというロックユニットを売れ続けさせるための思考論理すらも併せ持っている。

超絶ギタリストでありながら、洗練された作曲家であり、卓越したプロデューサーでもある。

こうした「3つの顔を持つ凄腕ミュージシャン」という称号こそが松本孝弘さんというギタリストに最も相応しいものであり、B’zという稀有なロックユニットそのものなのです。

 

ぜひともロックギタリストに挑戦してほしいB’zの名曲5選

毎年のようにヒット曲をコンスタントに生み出すB’zですが、ギタリスト松本さんの本質を語る上では、デビュー当時~90年代中盤で収録された楽曲が良い練習になるでしょう。

同じヴォーカルを抱えて、同じトーンをウリにしたエレキギターで勝負する以上、ありとあらゆる創意工夫がちりばめられて然るべき。

つまり、ロックギタリストとしての必須科目がもれなく盛り込まれているワケであります。ただし、あまりにも高次元すぎて中級未満のギタリストには挫折前提の高ハードルなのですが。

スコアを見ただけでココロが折れそうになる楽曲がほとんどですが、完コピは難しいにせよ、要所要所で1つでも弾けるようになったフレーズがあれば成長の証として。

BLOWIN’ 難易度☆

ベストアルバム「TREASURE」のオープニングを飾るアップビートナンバーです。松本さんにしてはバリバリの速弾きを一切行っておらず、中級者が完コピできる1曲だと思います。

キレ味の良い定番リフは弾きやすく、ギターソロは松本さん節ともいえる伸びやかなトーンを存分に体感できるでしょう。

ギターソロは手堅い速弾きでまとめていますが、他の楽曲に比べて難易度は高くないので、その分正確なフィンガリングを心がけましょう。

また、松本さんのトーンの代名詞「歌うようなヴィブラート」の再現にもこだわってみましょう。

コツは、速いヴィブラートをしないコト。ゆらぎの波形を大きく、そして緩やかさを意識するコトです。

LADY NAVIGATION 難易度☆☆

「BLOWIN’が弾けるようになったので次は本格的なギターソロにも挑戦」というヒト向けに挑戦していただきたい楽曲としてご紹介します。

充分タメを込めたフレーズやレガートを多用した定番の速弾き、そしてピッキングハーモニクスを要所で決めるギターソロは、他の楽曲に比べて難易度が低めで中級者にうってつけ。

ていねいにバンドスコアでフィンガリングのフレーズを追いながら練習すれば必ず弾ける曲です。ギターソロ後半のレガートも規則正しく下降するパターンなので完コピも夢ではない。

EASY COME,EASY GO! 難易度☆☆☆

ギターソロさえ弾けるようになれば、あとは初心者でも弾ける曲です。逆にいえば、ギターソロに苦戦させられる課題曲でもあります。

ギターソロ前半は難易度がフツウですが、後半の俗にいう「ランフレーズ」の応酬、しかも5音で1フレーズというリズムトリックがあの曲の独特なルーズさを演出します。

3弦14フレットのチョーキング、2弦14フレット→17フレット→14フレットのプリングの複合ワザによる繰り返しを1フレーズ5音でモノにできるかがキモとなります。

この3弦チョーキング+2弦プリングの組み合わせはアドリブの定番でもあります。手グセとして覚えておくと使い勝手が良いフレーズです。

あるいはリズムを落として、2弦14フレット→1弦14フレットをダウンピッキング→2弦17フレット→14フレットのハンマリングというアプローチも使えるでしょう。

BAD COMMUNICATION 難易度☆☆☆☆+☆1/2

人気曲だけあってさまざまなヴァージョンが存在しますが、力強いリフに流麗な速弾きが展開するギターソロというB’zの王道をいく名曲の1つです。

ディストーションのゲイン(歪み)強めの攻撃的なプレイだけではなく、この曲の根幹を構成するもう1つのプレイが、クランチあるいはコーラス系エフェクターを駆使したカッティング。

ライヴではギターソロ直前のカッティングをクランチ系で刻んでいますが、アルバムではコーラスによる鈴なりサウンドで小気味よく刻んでいます。

ギターソロの完コピは難しいにせよ、カッティングは同一パターンなので、このフレーズだけでもモノにしましょう。カッティングのウデが一気に上がります。

ギリギリCHOP 難易度☆☆☆☆☆

怒涛の高速リフから始まり、稲葉さんのシャウトと激しいギターフレーズが交錯し、超絶ベースのバリバリに歪んだ速弾きまで炸裂するという屈指のハードナンバー。

かつてヤングギターで掲載されていた際、難易度はワニさんマーク(タメ息級のプロのワザ!)。さすがの松本さんも、この曲のギターソロを弾く際は完全停止で演奏に集中しています。

ギターソロですが、現在のところ僕も弾けません。いずれ挑戦したいと思っていますが、さすがにフルピッキングで弾き切るコトは不可能でしょう。

強めのディストーションをかけて歪み重視のサウンドメイクとなりますので、厳しいところはムリをせずにプリング&ハンマリングで滑らかなレガート奏法でつなぐしかありません。

完コピをしようなどと枝葉末節にこだわるのではなく、アノ雰囲気と勢いさえ再現できれば御の字といったところでしょう。