ギタリスト目線で語るBARBEE BOYS(バービーボーイズ)の魅力

ギタリスト目線で語るBARBEE BOYS(バービーボーイズ)の魅力

BARBEE BOYSという稀有なロックバンド

バンドブーム華やかなりし80年代、人気・実力ともに兼ね備えたバンドは星の数ほどありました。その中で突出して時代を駆け抜けた5人組のバンドといえばBARBEE BOYSでした。

90年代にかけて打ち込みを多用したデジタルサウンドがJ-POPの潮流となり、ギタリストもまた幾重にも積み上げたデジタルエフェクターを駆使する時代でもありました。

そのような中、旧態依然のアナログサウンドを貫き、最後までエレキギターの生々しいサウンドを追い求めたBARBEE BOYSというバンドでした。

人気絶頂の92年に解散するものの、ミレニアムの時代に再びオリジナルメンバーが終結。渋さとステキな年の取り方をした5人が織り成すサウンドは昔と同じ極上のアナログであります。

84年にシングル「暗闇でDANCE」でメジャーデビュー。最大のヒット曲となったのは89年にリリースされた「目を閉じておいでよ」でした。

当時の公式PVは白一色のセットの中、黒で統一された衣装をまとった5人が演奏するというものでしたが、単調な景色の中で遠近法を効果的に用いたカットがとてもクールでした。

KONTAさんと杏子さん、ツインヴォーカルの2人が交代で前面に出てカメラに近づく。時々、ギタリストのいまみちさんが踏み出してヴォーカルに絡んでいく。

オトナのきわどい会話のやり取りをうまく歌詞に取り込み、男女のヴォーカルがかけあっていく。2人とも声質はハスキーでしたが、高音域を男性が、中低音を女性が担うという異色さ。

演奏面においては、エレキギター・ベース・ドラムというオーソドックスなアンサンブル。

キーボードはほぼ使われず、KONTAさんのソプラノサックスが強烈なアクセントに。「負けるもんか」「ごめんなさい」といった名曲の数々はサックスなしに成立しません。

そして、作曲のほとんどを担当し、長身痩躯の尖った容姿に確かな演奏力でバンドサウンドの中核をなしていたのが、屈指のギタリストいまみちともたか(イマサ)さんです。

 

シングルコイルのおいしいところを使い切る「日本一ストラトが似合うオトコ」

BARBEE BOYS解散前、いまみちさん愛用のエレキギターといえばフェンダーのストラトキャスターでした。フィンガーボードは一貫してローズウッド派だったようです。

再結成後の復活ライヴでは深紅のサドウスキーに持ち換えていましたが、いずれにしても変わらずストラトモデルだけを愛用されています。

恐らく、シングルコイルの軽快さ、小気味よさ、キレ味のよさに心底ホレ込んでいるのでしょう。

ストラトキャスターを愛用するのは、あらゆるプレイスタイルを実現できる万能選手としての汎用性を買ってのコトでしょう。テレキャスターではアーミングができませんので。

いまみちさんのプレイスタイルを一言で集約すれば「オーソドックス」そのものでして、速弾きやライトハンドといった奇をてらうプレイは一切しません。

しかしながら、リードギタリストとして何をなすべきかを充分に理解されており、フロントマンとしてのパフォーマンスを大事にしながら男女ツインヴォーカルの引き立て役に。

サウンドメイクについては、リードをとる際はストラトキャスターの枯れたクランチ主体。コレも飽きがこないストラト王道のオーソドックス。再結成ライヴでは歪みが強めに。

ツインヴォーカルが歌っている間はバックバンドの一員に徹しながら、リフやカッティングを刻む際はクリーンサウンドに空間系とモジュレーション系エフェクターを駆使。

どちらも耳に心地よく響き、時代を超越していつまでも聴いていられる。そんなロックサウンドがいまみちさんのサウンドメイクの真骨頂であります。

テクニック面については先述のとおり、超絶技巧を駆使したり奇抜さを狙ったりするようなコトは一切ありません。強いていえば、アーミングを効果的に多用するくらいでしょうか。

ロックギタリストにしては地味な印象ですが、地味に聴かせないのがいまみちさんの凄いところ。BOOWY時代の布袋さんのようにステージを縦横無尽に駆け回るコトはしないでも華がある。

誤解がないように注釈しておきますが、いまみちさんは速弾きや超絶技巧ができないのではなく、あえてしないというスタイルを確立したのです。

それが証拠に、BARBEE BOYSのライヴ映像を視聴していて演奏ミスが一切ありません。ハデなルックスだけではない、確かな演奏力に裏打ちされているコトに気付きます。

リードギタリストとして面目躍如なのがギターソロの秀逸さに尽きます。まるで歌っているようなチョーキングの伸びやかさとしなやかさ。泣きの情感たっぷりのヴィブラート。

ストラトキャスターのおいしいところをキッチリ使い切る稀有なギタリストの1人です。

 

ロックギタリストにオススメしたいベストセレクション

BARBEE BOYSのマイベストを3曲挙げるなら、

1位:「目を閉じておいでよ」

2位:「負けるもんか」

3位:「ごめんなさい」

であります。

しかしながら、他にもBARBEE BOYSには名曲揃いです。

最後に、ギタリスト目線でオススメしたい名曲をご紹介して終わりとします。以下、簡潔に。

前のめり気味な疾走感にあふれるリフとギターソロが展開:「さぁどうしよう」

コーラスのリフとオーヴァードライヴのギターソロとの対比が魅力:「負けるもんか」

まるで情念を押し殺すかのような荒涼としたカッティングが印象的:「勇み足サミー」

ポップなメロディラインのアップダウンがどこかコミカル:「三日月の憂鬱」

泣きまくりのギターソロを存分に弾きまくる:「あいまいtension」