フェンダー・ストラトキャスターのトリセツ(取扱説明書)

フェンダー・ストラトキャスターのトリセツ(取扱説明書)

ストラトキャスターの取り扱いについて~購入編

Fenderがリリースするストラトキャスターには、初心者にとっては無限とも思えるほどバリエーションがあるという話は前回のブログでご紹介しました。

購入して初めて判るフェンダー・ストラトキャスターの魅力→コチラ

基本設計は共通であるものの、多彩なバリエーションから1本を選び抜くのは、多彩なゆえに混乱をきたすハメになりかねません。

「じゃあ何のモデルから選んだらイイんだ?」とパニックを起こさないよう、そして購入後に後悔しないための基礎知識を学んでおきましょう。選択がグッとラクになります。

ネックシェイプに迷ったら、Cシェイプがオススメ

Fenderのホームページに掲載されているネックシェイプは6種類のバリエーションがあります。コレだけ豊かなネックシェイプをリリースするブランドはFenderのみ。

ギブソン系の丸太を2つに割ったような太いネックが好みで、手が大きくしっかり握れるネックが良ければ、DシェイプかUシェイプがオススメです。

Cシェイプが一般的なネックシェイプであり、それより楕円形に近い厚みがあるのがDシェイプ、さらに厚みがあるのがUシェイプです。

一方、これら半円ではなく、二等辺三角形のような形状をしているのがⅤシェイプです。

かつて所有していたオベーションがⅤシェイプでしたが、親指に違和感があるものの使い慣れればフシギに弾き易く感じる独特なネックシェイプです。

しかしながら他のエレキギターと使い分ける場合や、1回のステージで複数のエレキギターを使う場合は違和感に馴染むまでタイムラグが生じます。

特段のこだわりがなく、また標準的な弾き心地を期待するのであれば標準的な仕様のCシェイプを選びましょう。なお、ネック裏の塗装はサテン仕上げが弾きやすいです。

速弾きギタリストは240R(9.5インチ)仕様がオススメ

まずは指板Rについて。コレは演奏ジャンルやギタリストの方向性で考える必要があります。

184Rは、ギターヴォーカルでない限りは選択肢から外した方が無難です。カッティングやコード弾きには向いていますが、弦高低めの設定やチョーキングには不向きだからです。

僕は、ノイズが出ないギリギリの範囲内で低弦高セッティングを施していますが、速弾き重視なら240R(9.5インチ)仕様のストラトキャスターを選んでいます。

アーミングを多用するなら2点支持がオススメ

トラディショナルなストラトキャスターは6本ネジ止めでトレモロブリッジを固定していますが、現代的モデルはブリッジ両端を2本のネジで固定する2点支持が採用されています。

僕も使ってみるまで判っていませんでしたが、2点支持は本当に使いやすい。小指だけで動くほど繊細かつスムースな可動。激しいアーミングから繊細なヴィブラートまで自由自在。

いちど2点支持の使い心地の良さを知ったら6点支持を使う気にはなれません。アーミングを演奏に取り入れるギタリストには強くオススメします。

使い勝手が良い22フレット仕様モデルがオススメ

これまでギブソン系ギターや22フレット仕様のストラトモデルを使ってきたのですが、今回初となるトラディショナルな21フレット仕様を購入しました。

結果、コレだけは失敗だったなと後悔しています。ハイフレットが弾きづらく、音域が狭いので、コピーする楽曲によっては制限されてしまうからです。

プロやハイアマチュアのストラト使いの皆さんは22フレットの音域を21フレットのチョーキングで対処するそうですが、とても僕にはマネできそうにありません。

カラーリング・ネックシェイプ・指板Rを好みに選んだ上で22フレット仕様という欲張りな選択、できないコトはありませんが、いずれかを妥協する必要はありそうです。

テクニカル系ギタリストはモダンスタイルがオススメ

速弾きにせよトリッキーなプレイにせよ、バンド内で多彩な演奏テクニックを駆使するテクニカル系ギタリストはモダンスタイルがオススメです。

USA製であればアメリカン・エリート、日本製であればエアロダインかメイド・イン・ジャパン・モダンから選べば以上のニーズは満たされるコトでしょう。

しかしながらルックス的な好みや予算の都合から選べない状況もあるでしょう。その場合、日本製であれば、21フレット仕様ですがメイド・イン・ジャパン・ハイブリッドがオススメです。

速弾きに特化しないとかトラディショナルなFenderが欲しいというギタリストについてはヴィンテージモデルから、好きなアーティストの1本が欲しいならシグネチャーモデルになります。

ストラトキャスターの取り扱いについて~操作編

シングルコイルの正しい使い分け方

ストラトキャスターはシングルコイル3基が搭載されており、軽快で切れ味が鋭く高音域に特色があるのが身上であります。

しかしながら、そうした特性が裏目に出るコトも。クランチ以上の歪み系セッティングになると、リアピックアップがキンキンした耳障りなサウンドになりがちなのです。

ストラトキャスターにはヴォリューム×1、トーン×2のコントロールノブが搭載されていますが、配線を換えない限り、リアトーンを調整するノブはありません。

僕が自作ストラトに施したように、シングルハム(シングルコイルサイズのハムバッカー)に交換する方法もありますが、ストラトキャスター本来の良さが失われます。

そこで改造やパーツ交換をせずにリアピックアップのピーキーな特性を解決するためには、多くのストラト使いがそうしているようにピックアップを使い分ける必要があります。

結論を申しますと、歪み系セッティングでハードロックを演奏する場合は徹底して「リフはリア、ソロはフロント」の原則を厳守するのです。

コレは僕が愛してやまないプロのストラト使い、イングヴェイ・マルムスティーンや、L’Arc-en-Cielのkenさんから学んだ使いこなし方です。

リフをリアピックアップで弾きながら、ソロの直前、瞬時に中指でセレクタースイッチをバチっと切り換える。一朝一夕にはできません。スイッチの切り換えも練習あるのみ。

一方、ハーフトーンの鈴鳴りの美しい響きもストラトキャスターの魅力の1つ。コレもセレクタースイッチの微妙な操作が必要になりますが、クリーンあるいはクランチで威力を発揮します。

具体的には、フロント+センターかリア+センターの組み合わせでカッティングを鳴らします。フロントのこもった響きがあまり好きでないので、僕は後者のハーフトーンを使っています。

余談ですが、ピックアップを交換する場合、フロント・リアともに同じパーツに統一しましょう。切り換え時に音圧に違いが出て、いずれか一方の貧弱さが際立ってしまうからです。

「突然、音が鳴らなくなった!?」ヴォリュームノブの注意点

ストラトキャスターはヴォリュームスイッチがリアピックアップに隣接した配置となっています。そのため、ピッキングしながらヴォリュームを開閉させる奏法に向いています。

ピッキングのアタックの瞬間はゼロ設定にしておき、ピッキングしてからヴォリュームを開ける。その繰り返しによって、まるでバイオリンを演奏しているようなフシギな浮遊感を演出。

俗にいう「ヴォリューム奏法」で、イングヴェイの得意技の1つでもあります。

ところが、リアピックアップに隣接しているがゆえに起こりがちなのが、「知らず知らずのうちに少しずつヴォリュームを絞ってしまう」現象であります。

ストラトキャスター以外のエレキギターのほとんどはブリッジよりも下部にヴォリュームノブが設置されているので、このような現象は起こり得ません。

アップピッキングで振り上げた中指か薬指の先端がヴォリュームノブに接触し、少しずつヴォリュームがゼロに向かって絞られていくのです。

この「少しずつ」がクセモノでして、アップピッキングするたびに、まるで時限爆弾のように音を小さくしていく。歪み系セッティングの場合は特に気付きにくいのです。

そして、ついにヴォリュームがゼロにまで絞られてしまう。しかも少しずつ音が小さくなっていくため、バンドメンバーの誰ひとりとして気付かないうちに怪現象が勃発する。

冷静さを失ってアンプやシールドのトラブルを疑い、原因が判明した次の瞬間、バンドメンバーの冷たい視線の痛いコトといったら…。

こうした事態を回避するためには、中指や薬指がヴォリュームノブに触れさせないストラト独自のピッキングを習得するしかありません。

ピックガードに薬指か小指を接触させて固定させるか、意図的に中指や薬指を浮かせてストロークするか、それぞれのやりやすいピッキングを駆使してほしいと思います。