ネット通販でエレキギターを購入する前に知っておくべきコト

ネット通販でエレキギターを購入する前に知っておくべきコト

スマートフォン(以下「スマホ」に略)の普及により、現在ではエレキギターのネット通販で購入するようになったヒトも決して少なくないと思います。

かくいう僕も、このたび10万円を超える限定版モデルのストラトキャスターをネット通販で購入しました。実物を見たり触れたりせずにエレキギターを買ったのは初めてのコトです。

なお、限定モデルがいかに素晴らしい逸品なのかについては別な記事で存分に綴っておりますので、併せてご一読ねがえたら幸いと思います。

フェンダーの正統な血族「Made in Japan」→コチラ

続・Limited Roastedストラトキャスターのレビュー→コチラ

話を戻しますが、エレキギター購入は実物を見て、触れて、アンプにつないで鳴らしてみて、その上で購入すべきなのは繰り返すまでもありません。それが最上の購入法です。

しかしながら、誰もがそのように購入候補としているエレキギターを試奏できるとは限りません。辺境の地方都市では何らかの妥協を強いられるのが現状です。

楽器店のメッカは東京御茶ノ水であります。しかしながら僕のように1,000キロも離れた辺境地に住んでおりますと、エレキギターを購入するだけのために出向くワケにもいきません。

そこで、苦肉の策としてネット検索を駆使し、指一本触れずに1本を選ぶという恐ろしいバクチを打たざるを得ない購入法も検討しなければならないワケであります。

ギタリストにとって、楽器店のホームページを検索している分には楽しいものですが、いざ購入となれば、よほど経済的に恵まれたヒトでない限り躊躇するのがフツウだと思います。

そこで今回は、ネット通販でエレキギターを購入する前に知っておくべきコトや情報収集の勘所について綴りたいと思います。

 

エレキギター購入で絶対に失敗しないネット通販の心得

ネット通販で購入しようと思うエレキギターを決める

ずいぶん大仰なタイトルを掲げてしまいましたが、そう難しいコトではありません。当たり前の話ですが、まず考慮しなければならないのは、購入するエレキギターを決めるコトであります。

僕が若い頃は「ヤングギター」や「ギターマガジン」で掲載される広告が情報源でした。しかも、今も昔もルックス重視なので一目惚れから始まるのが常でもありました。

なお、今回は現時点で愛してやまないフェンダーのストラトキャスターを例に解説していきたいと思います。実際にネット通販で購入したので、説得力も一入と自負しています。

購入するのはネット通販を展開するエレキギター専門店から

さて、購入したいモデルが決まったところでネット検索が始まるワケですが、次に重要なのが販売店選びであります。ある意味、エレキギター以上に重要な選択肢となります。

初心者でも絶対に失敗しない購入法は、ネット通販を展開する楽器店から購入するコトです。

その際、プロのリペアマンや専門スタッフによる配送前セッティングを行っているコトを標榜している店を選ぶのが最良の選択肢となります。

僕は速弾き重視のプレイスタイルですので、弦高を限りなく低めにセッティングします。購入前にメールでその旨を伝え、リセッティング済みで配送してもらいました。

たとえ新品であろうが厳しい検品チェックを行い、プロの目でセッティングされたエレキギターを購入できるのであれば、ネット通販でも現地調達と同じ条件で購入したのも同然。

新品でさえセッティングが必要となるデリケートな楽器であるエレキギターを中古で購入するとなれば、さらに厳しい目でセッティングが必要となります。

専門スタッフがセッティングを煮詰めた中古でなければ使い物にならない。僕の失敗経験ですが、ギブソンのフライングⅤをリサイクルショップで購入して痛い目に遭いましたので。

それは1967年モデルを基調としたゴシック(ヘッド・ネック・ボディ・パーツがすべて漆黒で統一)限定版だったのですが、購入して数日後、どうも弾きづらいコトに気付く。

弾きづらさと違和感の正体は、ネックの弦影を注視して発覚。極端なネックの順反りでした。

幸い保証期間中だったので無償修理してもらいましたが、コレが遠隔地からの通販だったと思うと、連絡調整や配送などの手間暇を考えるとゾッとしたものでした。

というワケで、新品・中古を問わず、エレキギター専門の楽器店からの購入を強く推します。

購入を検討している類似モデルを最寄りの楽器店で試奏する

フェンダーのストラトキャスターを例にしますと、世界で最も売れているモデルというコトもあり、その選択肢はあまりにも膨大となります。ギブソンのレスポールも同様ですが。

そこで、例えば「サンバーストのストラトが欲しい!」となっても膨大なモデルがリリースされておりまして、情報収集が不充分ですと購入後に後悔するコトになりかねません。

そこで、ネット検索と同時進行あるいはネット検索の前にやっておくべきデータ収集があります。購入を検討しているモデルに類似するエレキギターを試奏するというコトであります。

ストラトキャスターを例にしますと、サンバーストのストラトといっても、例えば年代だけで分類したとしても、コレだけ違いがあるのです。

1950年代:いわゆる「トラディショナル」と呼ばれる仕様。指板アールがきつく(7.25インチ)、メイプル指板が主流。スモールヘッドのみ

1960年代:最も売れている仕様。指板アールは50年代よりゆるやか(9.5インチ)、メイプル・ローズウッド指板いずれも選べる。スモールヘッド・ラージヘッドいずれも選べる

1970年代:ラージヘッドに3点止めジョイントが特徴。指板アールは50年代と同じ。メイプル・ローズウッド指板いずれも選べる

ラージヘッドかスモールヘッドか、これらは完全に好みの問題ですので、ルックス重視で決めればイイのですが、ネック指板の材質や指板アールは演奏性に直結します。

そこで、最寄りの楽器店へ出向き、以上のデータを念頭に類似モデルを弾き比べてみるのです。

上記スペックを例にすれば、メイプル指板とローズウッド指板のストラトキャスターを弾き比べ、7.25インチと9.5インチの指板アールのストラトキャスターを弾き比べるのです。

余談ですが、ローズウッド指板は無塗装ですがメイプル指板は塗装剤や塗装方法が異なります。

以上の試奏によるデータ集積をもとに、ネット通販で選ぶべきモデルを絞るコトができるのです。

つまり「サンバーストのストラトが欲しい!」から「サンバーストのストラト、9.5インチ指板でメイプル指板、できれば4点止めジョイントのラージヘッドで」というように。

ちなみに上記で選ぶなら、2020年現在、USAのAmerican Performer Stratocaster あるいはJapan Madeのハイブリッド68から選択するコトが可能です。

ネックグリップの違いも重要ですが、選択肢が狭い辺境地ですべて試すのは難しいでしょう。その場合、試奏したモデルから推測するしかありません。

ちなみにストラトキャスターの場合、1950年代と1970年代はUシェイプが圧倒的に多く、1960年代はCシェイプ・Uシェイプ・Vシェイプと選択肢が広まります。

仮に1950年代が弾きづらいと思うなら、少なくともUシェイプ仕様は相性が悪いと推測できます。あるいは指板アールがきつくて(丸っこくて)合わない可能性も。

逆に、コード弾きオンリーで押し倒すギターヴォーカルですと、速弾きなどのテクニカルプレイを考慮しなくて済みますし、指板アールがきついとコードを押さえ易いメリットもあります。

ちょっと話が逸れますが、指板アールが平面に近いアイバニーズは非常にコードが押さえづらく、カッティングでは人差指のセーハに苦労した記憶があります。

なお、フェンダー7.25インチは184Rと置き換えられますが、アイバニーズは430Rです。中間となるギブソンは350R(数字が大きくなるほど扁平率が高くなります)。

なお、ひとつ忠告ですが、購入しないヒトの試奏お断りのお店もあります。

エチケットとして、買物をしているお店以外では試奏しないとか、試奏させてもらったお礼に何か購入して帰るくらいの配慮はしておきましょう。

可能な限り、お取り寄せではなく在庫モデルから選ぶ

完全ハンドメイドによるハイエンドモデルを除き、エレキギターは一定の規格に基づく工業製品であります。そのため、数値上のスペックはいずれも同じハズ…。

ところが実際はそうではありません。木製楽器の宿命なのか、エレキギターという楽器は個体差がどうしても発生してしまうのです。

例えば、今回僕がネット通販で購入したJapan Madeのストラトキャスターですが、重量の個体差がどれも違いました。僕が選んだのは最軽量の3.1キロでしたが、3.6キロの個体も。

全く同じ作業工程で製造されたにもかかわらず、コレだけ重量差が生じるというのは衝撃でした。

たかが0.5キロ差と侮るなかれ。試しに、ペットボトル500mlを余計にショルダーバッグに入れた場合の重量差をイメージしてみて下さい。長時間になればボディブローのように効きます。

ネックの反りや弦高についてはセッティングでどうにでもなりますが、重量差だけはどうしようもありません。全く同じモデルでさえコレだけ違うとなれば、個体ごとに選ぶしかないのです。

そうなると、重量にこだわるギタリストはお取り寄せではなく在庫モデルから選ぶのが賢明な選択方法となります。最初から重量を公表している良心的なサイトは信用できます。

もっとも、お問い合わせメールで確認すれば、ちゃんと在庫モデルの個体重量を教えてくれます。とはいえ、データ偏重主義者には、個体重量を明記しているお店の方が好感を持てます。

個体ごとの重量を公表している場合は個体番号(ナンバリング)も公表されているものです。そうなれば明確な重量を把握でき、「思ってたより重いんじゃ?」といった後悔をせずに済みます。

もう1つ、在庫モデルの利点は個体モデルの現物写真が公開されているコトです。特に光の加減によるカラーリングの詳細が把握できるのでありがたい。

メーカーのホームページから転用した写真では知り得ないビジュアル上のリアルが判別できますし、重量や色合いの他に知りたい情報も事細かに問い合わせるコトができる。

実物を確かめるコトができないからこそ、第三者に実物を確認して返答してもらうのです。

ネット通販で後悔しないためにも、類似モデルで得られたデータ集積をもとに候補モデルを確定し、あとはそのモデルを在庫に抱えている楽器店を探して、そこから購入しましょう。