ヤル気が起きない時のエレキギター練習法

ヤル気が起きない時のエレキギター練習法

コロナウイルス禍が一向に終息しない今日、休みといえば自宅に引きこもって鬱々と過ごすヒトは僕だけではないでしょう。

しかしながら、むしろ僕らギタリストにとっては絶好の環境下でありまして、大っぴらに、そして存分に個人練習できる大義名分が与えられたようなものです。

ところが、感染予防の自主規制で人前での演奏はおろか、週1回のバンド練習ですら封印している現在、練習どころかエレキギターに触るモチベーションすら起こりません。

だからといってエレキギターと全く無縁というワケではなく、フェンダーのストラトキャスターを焙煎加工の限定版で購入したにもかかわらず、2本目はどれにするかネットへ没入する始末。

そう遠くないうちサブメインで1本を購入するコトになると思いますが、エレキギターはあくまで演奏するための楽器であります。フォルムは美しいですが鑑賞品ではありません。

次にバンド練習で集まった時にセッションできるようレパートリーを増やしておかねばならない。でも、イマイチ練習する気になれない。

今回はそんなヒトのために、ヤル気が起きない時にオススメしたい練習法を綴りたいと思います。

 

絶対クリアできる目標を~例えば「1日1回エレキギターに触る」

エレキギターを弾くのがスキでたまらない、弾かずにいられないというギタリストは例外として、「毎日、最低でも1時間は練習」などという目標を立てるのは止めましょう。挫折します。

1日の仕事を終えてクタクタになってシャワーを浴び、夕食や晩酌をしながら何をしますか? 「もう何もしたくない」という気分でダラダラ過ごすのではないでしょうか。

僕の場合、わがマチへ転職後に手放していたエレキギターを再び購入し、現在のバンドに加入した当時はまだ若かったので(それでもアラフォーですが)毎晩2~3時間は練習していました。

ところがアラフィフ世代の仲間入りを果たし、気力体力ともに減退の一途を辿る現在ではせいぜい1~2時間もやれば充分といったところ。指一本エレキギターに触れない日もあります。

しかしながら練習しなければ当然巧くなりませんし、新しい曲をマスターするコトもできません。そこでオススメしたい練習法が「1日1回、エレキギターに触る」であります。

「ただ触るだけ?」と思われるでしょうが、それでイイのです。まずは触りましょう。それだけでキッチリ練習になります。

 

いちど触ったら鳴らしたくなる、鳴らせば弾きたくなる~ギタリストの性を逆利用

プロ・アマ問わず、天性のギタリストというのは、いちどエレキギターに触ってしまうと次は必ず弦を弾いて音を鳴らしてみたくなります。そして弾きたくなる。

自宅で仕事終わりの夜を過ごす時、リビングのソファに腰かけてテレビ視聴や音楽鑑賞をしたり、デスクに置かれたパソコンでネット視聴をしたりしてダラダラ過ごす。

そんな時、「エレキギター? 今日はもうイイや」と思って指一本エレキギターに触れなければ、その日の練習は一切できずに終わります。

ところが、1日1回だけエレキギターに触るという努力目標だけでしたら、どうにかできると思いませんか?

ネックを掴んでエレキギターを抱えてイスやソファに座る。あるいはストラップを肩にかけ、鏡でギタリストになった自分の姿を映す。ただ、それだけでイイのです。

ここから先はもうギタリストの本能で、ほとんど無意識に何らかのフレーズを弾いているハズ。

コレはギタリストの性(さが)を逆利用した練習法でして、新曲を練習するところまではいかないまでも、修得ずみの1曲や手グセのフレーズなら苦もなく弾けてしまいます。

 

練習したくない時こそ、普段やらない練習をしてみる

オーディオに凝っていた20代の頃はリビングでソファに深く腰かけてプラズマテレビで迫力の大画面に向き合ったり、5.1chサラウンドで重低音の音響を楽しんだりしていました。

そして現在は住環境の制約上、オンキョー製の高音質ステレオスピーカーで小音量ながらB&Wを思わせる煌びやかな音響でネット視聴ばかりして過ごしています。

ソファでくつろぎながらテレビを視聴するのが好きなヒトも同じでしょうが、こういう時は画面に集中してしまい、とても練習などしたくないものです。

それでも、ヒザの上にエレキギターを載せて弾ける体勢のままでいるなら、それだけでも練習にはなります。画面に集中しながら、何も考えなくても手グセのフレーズは弾けるからです。

ギターアンプを鳴らして演奏するのが本来の練習ですが、ここは生音で(アンプを鳴らすとテレビやパソコンの音声が聴こえないので)映像を視聴しながら可能な練習をやってみましょう。

トリルやストレッチなど、フィンガリングの筋トレ

エレキギター専門誌の特集で組まれているネタですが、テレビを観ながら何も考えずに、ひたすら左手(フィンガリング)を鍛える練習をします。

以前「ギターマガジン」の特集で、トリル(ハンマリングとプリングの連続)を3分、休憩1分、コレをボクシングの12ラウンドと同じで行う練習法が紹介されていました。

実際にやってみると判りますが、トリルを3分続けるなど地獄の沙汰であります。バカ真面目にも、それで巧くなると思い込んで腱鞘炎になってしまいました。

やり過ぎるとカラダを痛めるので数分程度で充分だと思いますが、確かにトリルはエレキギターの必須テクニックですし、何より体力(握力と指先の筋力)がモノをいいます。

のんきに映画や番組を視聴しながら、人差指+薬指パターン、人差指+中指&薬指パターンなど、幾つかのパターンでトリルを継続して繰り返す筋力トレーニングを。

ついでに大きく手指を広げるストレッチフォームも試してみましょう。トリルとピッキングの両方で鍛えると効果的です。ただし、やりすぎて手首を痛めないよう注意。

いずれも、野球でいうところのウォーミングアップやキャッチボールのようなものなので気軽に。

フィンガリングのポジションやピッキングフォームのチェック

次にオススメの練習はフォームのチェックです。野球でいうところのスローイング(ピッチング)フォームやバッティングフォームが正しく行えているか入念にチェックするのです。

フィンガリングでは、親指がフレットに平行(ネックに対して垂直)に揃っているか、フレットの端に指先が当たっているか(フレット間の中央ではなく)、押さえる力は適正かをチェック。

ピッキングでは、ピックが弦を弾く力が強すぎないか(ステージで弦を切らないのもテクニック)、ピック先端が適切な深さで弦を弾いているか、曲に合わせて強弱をつけられるかチェック。

やってみると判りますが、曲を覚えるために必死に練習したりバンドで練習したりしている間には意外と気づかないクセや課題が見えてきます。

ピッキングの細やかなニュアンス。ムダな力が入らないフィンガリングのリラックスさ。こうした中級以上のギタリストがつい疎かになりがちな基礎を振り返るキッカケになります。

ブラインドタッチで最初から最後まで1曲を弾き切る

テレビやネットに意識を集中したまま弾ける練習は他にもあります。上記2つは退屈きわまりない基礎反復ですので、最後に1つ、実践的な練習法をご紹介しましょう。

それは、指先を見ながら楽勝で弾きこなせる1曲を、最初から最後まで見ないで弾く練習です。

2フレット以上で大きくポジションチェンジする際に苦慮するコトでしょう。特に、ローフレットからハイフレットに(またはその逆に)ポジションが飛ぶフレーズは困難です。

縦方向に複数の弦をなぞっていく定番の速弾きフレーズは割とブラインドタッチでもイケますが、1本の弦を大きくスライドしたり、リフのポジションを切り換えたりするのは苦労します。

ところが繰り返しブラインドタッチの練習をするコトによって、ある程度までは正確にポジションチェンジができるようになります。

パソコンのブラインドタッチで起点となるキーは、左人差指はF(は)、右人差指はJ(ま)です。その2つを起点として指ごとに押さえるキーを覚えていきます。

同じように、エレキギターにおいても起点となるポジションを決めて、感覚的にどのあたりか推測できるように練習するのです。

僕の場合、12フレットに人差指が触れるところを起点としてポジションを切り換わる道しるべとしています。そこからブラインドタッチでリフやフレーズのポジションを探るのです。

ここまでは大まかなイメージですが、実践的なのは弾ける曲をブラインドタッチで弾く練習です。曲の難易度よりも弾きこなしてきた数がモノをいう。感覚的にカラダが覚えているのです。

この練習で効果が見込めるのはブラインドタッチで弾けるようになるかどうかよりも、指先ばかり意識が集中して周りが見えない状況からの脱却であります。

ステージに立つ際、観客を見たりバンドメンバーを見たりしながら、ギターソロで一歩前を出たり戻ったりパフォーマンスする上で有効な練習法といえます。

見ないで弾けるようになった心理的余裕がある分だけ、ライヴで活かされるというワケです。

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以上、ヤル気が起きない時にオススメするエレキギター練習法でした。