コロナ禍に対応する社会福祉士のライフスタイル
- 2020.07.25
- 社会福祉士

新型コロナウイルスが世界中で暴威を振るう現在、これまでの既成概念を嘲笑うかのごとく。
自らの力を過信するがゆえか、世界中の権力者がコロナ禍に正面からケンカを売っては返り討ちに遭う虚しさを見せつけられるにつけ、イヤでもライフスタイルの変化を考えざるを得ません。
柔よく剛を制す、ではないですが、水は高きから低きに向かって流れるといいます。決壊が明白な中途ハンパなダムを造るくらいなら、高台に逃げ込む方が自然の摂理というものであります。
自然の摂理といえば、新型コロナウイルスも同じであります。
「若年層は重度化しない」という巷の意見や、「経済活動を止めてしまえば感染拡大以上の厄災をもたらす」という国家の言い分もさるコトながら、「感染しない」のが最上の最善策であります。
新型コロナウイルス禍は、人類の英知を嘲笑うような厄災をもたらすと同時に、過去の既成概念をブチ壊す未曽有の構造転換の契機となっています。
人類が望むかどうかではなく、特効薬たるワクチンの完成と全世界への普及をもたらす日が訪れるまでのテーマは「感染しないための方策」と「感染後の人命を救う」の2点に集約されます。
3密を避ける取り組みを織り込んだ、新たな生活様式
当然ですが、新型コロナウイルス感染を予防するためには俗にいう「3密」を避けるコトがライフスタイルにおける最重要課題となります。
国民の命と健康を守りつつ、経済活動を停滞させないという実に困難な舵取りを取らされるという未曽有の厄災をいかに乗り切るかで国家が尽力している現在。
それよりはるかに小規模で脆弱ないち国民に過ぎない僕でさえ、我が国の行く末を心配しないワケではありません。しかしながら、個人レベルではできるコトが限られています。
それは、非常に卑近で恐縮ですが、「担当している相談者と家族を守るために、我が身を守る」というその一点に尽きます。そのためには3密を避けて、可能な限り繁華街には近寄らない。
抗体を生み出すために敢えて3密を避けるコトを徹底せず、むしろ積極的感染を容認してきた北欧の福祉大国、スウェーデンの政策は失敗に終わりました。
抗体ができるどころか、多数の犠牲者を出してしまうという忌まわしき結果を生んだのです。
正解は「君子危うきに近寄らず」という中国のことわざを正確にトレースする。それがコロナ禍における新たなライフスタイルです。
弱みが強みに、強みが弱みに~人生万事塞翁が馬
長い人生の中では、何が幸いとなり、何が災いになるか判らない。ある意味では諸行無常と同義で理解している中国のことわざです。
コロナ禍は、従来のライフスタイルをある意味において否定するものであります。
毎日、満員電車に揺られてカイシャへ行き、あちこちへ営業に回り、不特定多数の会議に参加し、夜の接待に臨む。いずれもコロナ禍においては禁忌とされる3密の元凶たるものです。
それが現在は、テレワークをはじめとした在宅勤務が取り入れられ、リモート会議やリモート飲み会が普及するようになりました。コロナ禍がなければ、絶対に成し得なかった変化です。
すべての物事にはオモテとウラ(東洋思想では陰と陽)があり、大きくは国家の数だけ、小さくはヒトの数だけ正論があります。
世の中の多種多様な価値観に寛容で、かつ独断や偏見にとらわれない柔軟さと聡明さがコロナ禍を生き抜く術なのだと切に思います。
コロナ禍の前は、インドア派というだけで「引きこもり。彼女(彼氏)の1人でも作れよ。そんな生活をしていて、情けないと思わないのか?」と揶揄されたものでした。
ところが、コロナ禍の現在は、上記のような戯言を吹聴する愚者はひとりもいません。逆に「感染予防を徹底していて、息苦しい生活を甘受している」と好意的に評価されます。
一方、社交的なアウトドア派で、休日となれば出かけまくっているヒトや多数の知人友人と一緒に過ごすのが何よりスキなヒトはどうでしょうか?
仮にこれまでのライススタイルをそのまま貫くようでは、周りから「大丈夫?」と非好意的に評価されるでしょう。それどころか危険視され、あらぬ疑いをかけられるコトに。
コロナ禍の中で働き続ける社会福祉士としての矜持
未知のウイルスがもたらした未曽有の脅威に晒され続ける2020年7月現在、障害者ケアマネの仕事は時代に逆行するものであります。
必要だからこそ、感染予防を徹底しながら3密を避けつつ、直接面談を基本とした相談支援を未だ継続しているワケですが、プライベートでは存分に自己防衛に徹するワケです。
その気になれば、テクノロジーを駆使して間接的な相談支援を徹底するコトも可能ではあります。しかしながら、安否確認や障害特性を考慮した必要性からフェイス・トゥ・フェイスが基本。
だからこそ、業務外での感染は絶対に赦されないという社会福祉士としての責任を胸に、徹底したセルフマネジメントを自らに課しているのです。
おこがましいと一笑に付されるかも知れませんが、僕らソーシャルワーカーは感染症と闘う医師や看護師たちとまったく同じマインドで仕事をしています。
医療従事者とは比べ物にならない低収入ではありますが、原則として直接面談を宿命づけられた、ある意味において相談者の命を預かる重責を担った職務をこなしているからです。
医者のように白衣は着ないが、炎天下でマスクを付け、手指を徹底消毒し、相談者やその家族との面談を続ける。許可があれば、障害福祉サービスを利用しているその現場を見に行く。
それが、障害者ケアマネの仕事のリアルであります。
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