エレキギター上達の近道~「ムダな力み」の呪縛から逃れよ

エレキギター上達の近道~「ムダな力み」の呪縛から逃れよ

新型コロナウイルス禍がもたらす余波は生活そのものだけにとどまらず、趣味や余暇の楽しみ方ですら何らかの制約を迫られる現在。エレキギターも例外ではありません。

僕が所属するバンドでも、さすがに感染してはヤバいというコトで個人練習を余儀なくされて半年を経過。もっとも、バンド練習したところで演奏を披露できる機会など皆無なのですが…。

そんなワケで、次にステージに立てる機会がいつになるか見通しが立たないまま、気が向いた時に自宅でエレキギターをつま弾く日々を送っています。

正直なところ、誰かに聴いてもらう機会もなければメンバーとバンド練習できる機会もないところでは個人練習にもハリがありません。

「せっかくフェンダーのストラトキャスターを2本も購入したし、少しは弾いとかなきゃな」

あまり積極的な理由とはいえませんが、ギターアンプに直結せず適当に速弾きフレーズを練習し、「やっぱダメだ」と自己嫌悪に陥る。それでも繰り返すのは、好きというか執念です。

とはいえ、生涯愛してやまないであろうイングヴェイ・マルムスティーンの超絶技巧を練習する中、数をこなすコトによってのみ得られる気付きがあります。

今回はその気付き、すなわち「速弾きフレーズを弾きたいと思って練習しているが弾きこなせず、超えられない壁にブチ当たって足掻いているギタリストへのヒント」がテーマです。

 

巧い速弾きギタリストはみな、後ろ姿が止まって見える

現在は動画共有サイトで、洋の東西も時代も飛び越えてロックギタリストの超絶技巧を視覚で確認するコトが容易になりました。

僕は、文字や数字を暗記するコトが極端に苦手なのですが、その記憶の根拠となるできごとが対になればいつまでも覚えていられるという「エピソード記憶」には恵まれています。

そのためか、さんざんエレキギターの練習に明け暮れていた10代後半の頃に読んでいた「ヤングギター」の記事がけっこう記憶に焼きついています。

海外のロックギタリストの超絶技巧をやたらホメちぎる記事には食傷気味だったのですが、今回のテーマに関係する貴重な記事があります。

例によってイングヴェイ・マルムスティーンの速弾きを礼賛する記事でしたが、彼を後ろから見ると「まるで止まっているような」と表現した一文です。

あれほどの速弾きを繰り出しておきながら、後ろ姿がまるで止まっているような? ウソだろ?

当時の僕は「はあ、バッカじゃねーか」と一蹴したものですが、この一文は数十年後の僕に対し、重要な意味を教示するコトになるのです。

わがマチに転職後、再びエレキギターを購入し、動画共有サイトで存分に世界の速弾きギタリストの過去から現在に至るプレイスタイルを映像で視聴しまくったのですが、結果は同じでした。

例えばイングヴェイ・マルムスティーン、ポール・ギルバート、ジョー・サトリアーニ、ザック・ワイルド、ヌーノ・ベッテンコートといったレジェンドは例外なくストップモーション。

もちろんライヴでは縦横無尽なステージアクションを披露するギタリストも多数いますが、荒くれイングヴェイや腕っぷしザックでさえ、座って弾く姿は止まって見えるのです。

 

後ろ姿が止まって見えるのは「ムダな力み」がないから

では、なぜ彼らの後ろ姿が止まって見えるのでしょうか? それは、真正面から彼らのピッキングを注視していれば、すぐに気づくハズです。

そう、彼らのピッキングはみな一様に「軽い」のです。そして、まるで指板上を「撫でる」ようにフィンガリングをこなしていく。

音のツブが細かく洗練されたプレイが身上のサトリアーニやヌーノであればまだ判ります。しかしながら、インギーやザックもまた軽いピッキングと撫でるようなフィンガリング。

特に僕が敬愛するインギーのピッキングはリラックススタイルそのもの。というか、注視しないとピッキングで動いているコトすら見落としそうなほど最低限の動きしかしません。

リラックスといえば聞こえはイイですが、スポーツでいうところのリラックスとは明らかに一線を画するものであります。

肩の力を抜いてリラックスして…というのではなく、必要最低限の動きで弦を弾き、必要最小限の力で指板上の弦を押さえる。一般的な心得の話ではなく、レッキとしたワザなのです。

僕も含めて、速弾きで伸び悩んでいるギタリストはムダな力が入ってしまっています。

ピッキングでいえば、弦を弾く力が強すぎる、ピックを弦に深く抉りすぎている、手首の振り幅が大きすぎる、人差指と親指でピックを摘む力が強すぎる、などなど。

フィンガリングでいえば、指先に必要以上の力がかかって指板を強く押さえている、速弾きの際に1つ1つの音をクッキリ鳴らしたい意識が強すぎてネックを強く握っている、などなど。

 

力みの呪縛からの脱却~まずは両手の力を抜いてみよう

力みがなくなったから即、速弾きができるというものではありません。タイクツな基礎の反復練習、この繰り返しこそが上達の早道です。

しかしながら、力みの呪縛に気付かずムダな力みが抜けないようでは、力の呪縛がなければ弾けるハズなのに弾けないというコトになりますし、過去の僕のように腱鞘炎になるリスクも。

そこで、意識して思いっきり力を抜いて練習してみましょう。「コレでイイのか? 音がかすれる」というくらいでちょうどイイのです。

例えばイングヴェイ・マルムスティーンの2弦スウィープや3弦スウィープ。どうしても弾けない調子の悪い時、僕は左手の力を思いっきり抜いて練習します。

左手、すなわち指板を押さえる指先の力を抜くというか緩めて弾いてみます。多少、音が不明瞭になってもかまいません。「指先をやわらかく弦を押さえる」イメージです。

ヒトのカラダは、すべてが連動しています。左手がガチガチに力めば右手もガチガチになります。片方だけという動きにはなりません。

逆もまた然りで、エレキギターに置き換えると左手の力みがなくなれば右手の力みもなくなります。僕は左利きですので、左手優位で生きています。そのため左手を意識するのです。

右利きギタリストの皆さんは僕とは逆に右手の動き、すなわちピッキングの力みを抜き、最低限の動きで弦を弾く意識の方がイイかも知れません。

超絶技巧をいともたやすく披露してみせるロックギタリストは例外なく、脱力系フィンガリングと脱力系ピッキングの併せワザの重要性を知っています。

さんざん練習してるのに弾けない…いつの間にか憑かれている「力みの呪縛」からの解放。

速弾きフレーズを弾きこなせるだけのワザが身についているハズなのにナゼか弾けない、といった困った現象に悩まされているギタリスト各位にぜひともオススメします。