コレで弾ける「BAD FEELING」

コレで弾ける「BAD FEELING」

BOOWYのギタリストにして、バンド解散後も絶大な人気を誇るレジェンド、布袋寅泰さん。

僕はかろうじてリアルタイムでBOOWYを聴けた世代ですが、あれから30年以上が過ぎた今もなお、カーオーディオにはBOOWYのCDがしっかり入っています。

布袋さんのトレードマークといえば、洗練さとキャッチーさを併せ持つアレンジのセンス、派手なステージアクションと奇をてらわない堅実なプレイスタイル、多彩なサウンドメイクです。

直線的かつ先鋭的なヘッドと白黒の幾何学模様が印象的なテレキャスター、一目で判る布袋さんのシグネチャーモデルは実にシャープな印象ですが、それ以上にシャープなのがカッティング。

エレキギター弾きとしては、BOOWY時代の布袋さんといえば曲ごとに印象に残るギターソロのアレンジにばかり意識が向きますが、布袋さんを代表する唯一無比のリフがあります。

それが、今回のテーマとして取り上げる「BAD FEELING」のイントロであります。

 

とても難しいカッティング、でも弾けるようになると最高の気分

布袋さんご自身は、実に軽やかに小気味いいカッティングをライヴごとにアレンジしながら弾いています。それも、いとも簡単にやってのける。

ご自身が生み出したリフなのだから当然といえば当然ですが、日本を代表するプロのギタリストが「BAD FEELING」をカヴァーしていますが、布袋さんのソレとはどこか違う。

「LUNA SEA」SUGIZOさん、「GLAY」HISASIさん、MIYAVIさん、元「JUDY AND MARY」のTAKUYAさん。

ピックを一切使わない唯一無二のスラップ奏法が身上のMIYAVIさんはさておき、同じピック弾きの皆さんがカヴァーしても、本家本元の布袋さんの音には決してならないのです。

コレはHISASIさんも公言しておられます。布袋さんが演奏方法を余すことなく公開しているけれど、決して布袋さんが弾く「BAD FEELING」にはならないと。

ならば、我々アマチュアの端くれたちが布袋さんのカッティングを再現できるハズなどない。

そう割り切った上で、それぞれが弾けるアレンジで「BAD FEELING」のコピーを楽しむべきです。この思考論理こそが、この難曲を弾けるようになる唯一の方法であります。

 

空ピッキング以上に重要、鳴らしてはならない音を止める

布袋さんご本人が演奏方法を解説する映像を確認しますと、やはり本家は一味違うと。キレの良いカッティングが展開しますが、布袋さんも語っているとおり「音を切る」コトが肝要です。

改めて確認しておきますと、カッティングは実音と空ピッキングを織り交ぜた複合的プレイです。

実音は普通どおり指板まで押さえますが、空ピッキングは指先を弦に触れるだけで音を切ります。実音はしっかりピッキングしますが、空ピッキングではピック先端で弦を掠るように弾きます。

これら左右の手指を駆使し、左右の動きをピタリ一致させるコトがカッティングの神髄です。

このように、脱初心者にとっては最初の関門といえるカッティングですが(カッティングができるようになれば、堂々と中級ギタリストを名乗ってOK)、布袋さんは巧みに取り入れています。

布袋さんのカッティングでブッチギリの難易度を誇るのが「BAD FEELING」です。

具体的な解説の前に、あまり指摘されないポイントを1つ前置きとして触れておきます。それは、「鳴らしてはいけない音を鳴らさない難しさ」であります。

イントロ前半部の成否を決めるのが、プリングを絡めたピッキングとカッティングのアプローチで、いかにして4弦開放弦を不用意に鳴らさないかがカギとなるのです。

後述しますが、前半のコードはAm7、コレを分解しながら単音ごとにピッキングしていく際に、5弦開放弦は親指で押さえている6弦5フレットと同じ音なので鳴っても違和感がない。

また、1~3弦も人差指で5フレットをセーハ(まとめて押さえる)するので問題ない。

ところが、アプローチしていく中で4弦開放弦はディスコード(不協和音)となってしまいます。つまり、絶対に鳴らしてはいけない弦なのです。ところが、鳴ってしまうコトが多い。

僕は手が小さくて指が短いので、4弦までは人差指が届きません。人差指が届いていれば音を切るコトができるのですが。

いつも僕が苦慮しているのは、いかに4弦開放弦を避けてピッキングするかという点です。

素早く手首を上下にストロークをしながら、正確に4弦を避けてピックを動かすか。僕個人が最も苦慮する演奏ポイントであります。以上、参考まで。

 

必須ポイントのみ厳守し、自分だけのBAD FEELINGを

この曲のカッティングはAm7で、プリングと空ピッキングを絡めたアプローチ、後半はD7で、スライドと空ピッキングを絡めたアプローチの2部構成となっています。

どちらが難しいかはヒトそれぞれかも知れませんが、一般的には前半のアプローチの方が難しいと感じると思います。後半はスライドさせながら実音と空ピッキングのタイミングが合えばOK。

教則ビデオさながら、布袋さんのフォロワーたちが動画共有サイトで演奏方法を実演しながら解説しています。誰もが布袋さんのカッティングに近い素晴らしい演奏を披露しています。

しかしながら、あまり枝葉末節にとらわれずに、「BAD FEELING」を知っているヒトが聴けば「あ、BAD FEELING!」と気付いてもらえるアプローチを目指しましょう。

絶対に守るべきポイントだけを忠実に、あとは個々人のフィーリングでやってみましょう。

必須ポイントは「前半のカッティングで6弦5フレットを親指で押さえる」、コレのみです。あとはそれぞれがやりやすいアプローチで追求した方が早く弾けるようになります。例えば…

「布袋さんのプレイに近づけるために、イントロ前半のカッティングでは空ピッキングだけでなく、アップ&ダウンピッキングの中に「空振り」もいれるコトによって一定のストロークを」

コレが正しいストロークのようですが、不器用な僕には何度やってもできませんでした。そこで、タイミングが変則であろうが、確実にピッキングしやすいストロークで弾いています。

具体的には、以下の手順です。

(1)6弦5フレット(親指で押さえる)をダウンピッキング

(2)3弦7フレット(薬指で押さえる)をダウンピッキング

(3)3弦7フレット(薬指)→5フレット(人差指)でプリング

動画共有サイトのアップでは、(2)をアップピッキングで鳴らしたり、小指→人差指でプリングしたりと、フォロワーによって個性が出るところのようです。

その他、(1)の音は鳴らしっぱなしにしておくとか、(3)後のブラッシングのストロークでは空振りを入れてタイミングを一定にするとか、それぞれ解釈が違います。

しかしながら当の布袋さんもライヴごとに、その都度インプロヴィゼーションに任せるまま弾いています。そのあたりの柔軟さこそが、真に見習うべき点だと思っています。

カッティングのタイミングも鳴らす弦の数も、音さえ外していなければOK!

というワケで、アナタだけの「GOOD FEELING」ならぬ「BAD FEELING」がモノになりますように。