「弾けないフレーズ」が弾ける2つのアプローチ

「弾けないフレーズ」が弾ける2つのアプローチ

憧れのロックギタリストの超絶技巧をぜひ自分もやってみたい

自分もあのようなギターソロを弾きこなしてみたい

そして、いつか人前でそのプレイを披露したい

以上、恐らくエレキギター弾きの誰もが一度は考えるコトだと思います。

ところが「弾けない!」と誰もがエレキギターの洗礼を受ける。それでも、あきらめずに長時間・長期間にわたって弾き続ける。そして、ある日突然「アレ? 弾ける!」となる。

一方、すっかり挫折してしまい「もういいや」とエレキギターを手放してしまうヒトも。

そういう僕も、高校生の頃はサッパリ弾けなかったフレーズも今は弾けますが、それまで試行錯誤を繰り返したものでした。

弾きたいと思うフレーズがある。でも、今の実力ではそのとおりに弾くコトができない。

今回のテーマは「実際とは違うけどソレっぽい」弾き方を駆使し、弾けないフレーズを弾きこなすための方法をご紹介したいと思います。

本来の奏法でなかったとしても、そのフレーズが弾けなければ話になりません。逆にいえば、そのメロディラインさえ鳴らすコトができればイイのです。

練習を続けていれば必ずウデは上がりますし、いつか本来の奏法で弾くコトができます。

 

「フルピッキング」で弾けるようになるまで~2つのアプローチ

ここでいうところのフルピッキングとは、ピッキングの有無だけでなく、その微妙なニュアンスも含めての話となります。

ロックギタリストが弾きたくても弾けないフレーズは、その9割がたがギターソロの速弾きに集約されると思います(残り1割は難解かつ複雑なリフ)。

基本的に、エレキギターはピッキングとフィンガリングの相乗作用によって音が鳴ります。

しかしながら、速弾きの難しさで挙げられるのは両手の異なる動き、ピッキングとフィンガリングが一致しないというものです。

ギターという楽器は、1本の弦を左右に弾く「ヨコの動き」は割とラクにできるようになります。難しいのは、複数の弦をまたぐ弾き方、すなわち「タテの動き」です。

速弾きといっても、1本の弦だけ速弾きするのはそれほど難しくありません(あくまでエコノミーピッキングの基礎が身についた脱初心者向けのお話ですが)。

ところが、例えば1弦→2弦→3弦と一気に下降するフレーズを速弾きするのは、初心者には相当な難関となるでしょう。

一方、パターン化されたシステマティックな下降フレーズは難易度が低めに。同じパターンの上昇フレーズはさらに弾きやすい。速弾きの醍醐味を満喫できる美味しいフレーズであります。

ピッキングもさるコトながら、同時にフィンガリングも難しくなる。歪み系サウンドメイクを前面に打ち出すロックギターにおいては、ノイズ対策までが必要になる。

複数弦をまたぐというコトは、ピッキングしない弦にピックを触れないとか、弾き終わった直後の弦をミュートして開放弦の音を鳴らさない弾き方が求められるのです。

例えば、ギターソロの上昇フレーズで3弦を弾き終わって2弦に移行する際、最初の音を鳴らすと同時に3弦の開放弦の音が鳴ってしまうコトがあります。もちろん雑音でしかない。

このような場合、フィンガリング側ではミュートができませんので、ピッキング側の手刀部を軽く3弦に触れてミュートさせなければなりません。

今回は、「フルピッキング」で弾けるようになるまでの間、本来の奏法ではありませんが難易度がグッと低くなるアプローチを2つ、ご紹介したいと思います。

抽象論では判りづらいので、テキストとして「CASE OF BOOWY」に収録されている「わがままジュリエット」のギターソロでご説明します。

なお、テキストで使わせていただくフレーズは次のとおり(フレットは「F」と表記)。①③⑤は人差指、②は薬指、⑥は中指を使います。

①3弦11F

②3弦13F

③2弦11F

④3弦13F

⑤2弦11F

⑥2弦12F

その1~ピッキングせずにハンマリングで鳴らす

このフレーズは三連符で音階が上昇していきますが、3弦⇔2弦で展開するピッキングをキレイにこなすのは相応のウデが要ります。

ピッキングそのものも難しくなりますが、このフレーズで最も難しいのが上記③です。

2弦の1つ目を鳴らすと同時に、開放弦となった3弦が雑音として鳴ってしまいがちだからです。ピッキング側でのミュートも欠かせません(軽く手刀部が3弦に触れる程度で)。

この曲を創り上げた布袋さんはもちろんですが、プロのギタリストはみな、鳴ってはいけない弦をしっかりミュートする「見えないテクニック」をごく自然に駆使しているのです。

しかしながら、ミュートしながら②→③をキレイに鳴らし切るのは難しい。

そこでまずご紹介するのが、②をピッキングではなくハンマリングで鳴らす方法です。

まずは、人差指で3弦と2弦の11フレットをまとめて押さえて①をダウンピッキング。次に②をハンマリングし、③をダウンピッキングするのです。

本来は②をアップピッキングしますが、それを省略するコトによって弾きやすくなります。

ここで注意するのがフィンガリング側の人差指の動かし方です。

完全に3弦と2弦をしっかり押さえるのではなく、①②は3弦を指の先端で押さえて、2弦は指の腹で触れる程度で、③では2弦を指の腹でしっかり押さえて指の先端を浮かせます。

3弦と2弦をいずれも指の先端だけで押さえると、③で3弦が開放弦ノイズを発してしまいます。人差指を2弦側に下げながらも指先を3弦に触れたままにするのがコツです。

強く抑えっ放しにすると③で3弦11フレットの音が同時に出てしまいますので、人差指の先端と腹を巧く使い分けるようにして弾きます。

活字で起こすと難しそうに感じますが、人体の構造上でも自然な動きとなりますので、意識して取りかかれば即効で弾けるようになります。

どうしても人差指が巧く使えないという方は、ピッキング側の手刀部で3弦ブリッジあたりを軽く触れてミュートしましょう。僕も、フルピッキングで弾く際はそうしています。

その2~フルピッキングならぬハーフピッキングで弾く

もう1つの弾き方は、ピックの先端で弦を掠るように(あるいは、ピック先端で弦の上を滑らせるように)ピッキングする方法です。

ハーフピッキングという呼び方が正しいかどうか判りませんが、当ブログでは便宜上、そのように標記させていただきます。

詳しい説明をするまでもなく、要は①~⑥とも弦の上をツルツルと滑らせるようにピッキングするだけの単純なやり方です。ピッキングの力も弱めに弾きます。

フルピッキングは、ピックで弦を抉るように弾くイメージですが、複数の弦を跨ぐ際に遅れたり、ミストーンを鳴らしてしまったりするリスクが生じます。

また、音量と引き換えにピック先端のコントロールがしやすくなるため、フルピッキングよりも「鳴らしてはいけない弦に触れてしまうリスク」が減少します。

ブリッジミュートもしやすくなるので、開放弦を鳴らさないコトにも集中できます。

一方、ハーフピッキングですと、フシギなくらい上記のリスクを回避するコトができます。当然、1つ1つの音が小さくなってしまいますが、ミスをするよりはマシと割り切りましょう。

ハーフピッキングの注意事項は1つ。ピッキングする力が弱まるのにつられて、フィンガリングの力まで弱くなりがちなコトです。両手の力加減を巧くコントロールするよう意識しましょう。